キリノの章 12 ★★★ 高山邸(キリノの部屋)
電気消すね。
う、うむっ…。
パチッ…。消灯。てくてく。ベッドへお尻をポスッ。お尻ズリズリでベッドの真ん中に移動…。ふうっ……。んっ? 部屋の明かりを消したのに…。外から月光が差し込んでるのか…。今夜は満月なのかしらね……。ふふっ。アンタ、そんなところに立っていないで、こちらへどうぞ。
う、うむ。お邪魔するぞ。ポスッ(////
端にいないで、もっとこっちにいらっしゃい。夜冷えるから、ほら、布団に入って。
…布団、良い匂いだのぅ。ガバッ。
昨日干したからね……って、頭から布団に潜ってどうすんのよ。顔、見せなさい。
余は布団の中でよい…。モゾモゾ。キリノのお腹はここの辺りか。抱きっ。
キャッ! ちょ、ちょっと。何してるのよっ。布団バサッ。わっ、お腹に抱きつかれて耳を当てられてる…(////
しばらくこう居させてくれい。キリノの温もりを感じ、音を聞きたいのだ…。いま少しそちの存在を余に感じさせてくれ…。キリノの心音はトクトクと早く連打され、お腹がゴロゴロといっておる。なんであろう。とても落ち着く。
そ、そう(////
んっ? 心音がまた少し早くなった。苦しくないか? 少し深呼吸をしてみよ。
う、うん…。スーハー…。スーハー…(////
もう少し深く。
スーーーハー……。スーーーハー……。って、何やらせんのよっ!(////
むっ、鼓動が少し緩やかになったぞ。
もうっ…。わたしのからだで遊んでるんじゃないのっ…(////
楽しいのぅ。
しょうがないなぁ……。そういえば昔、キョウスケとよくこうして抱き合って寝てたよ…。アンタの着てる、これ、キョウスケが子供のころ着てた寝巻きなんだ…。懐かしい…。
……そちがキョウスケのことを思い出すと、余は嫉妬してしまうではないか…。これはもう脱ぐことにしよう。モゾモゾ。脱ぎ脱ぎ。
アンタ、本当に嫉妬深いわね…。
脱げたぞ。
……な、なんで寝巻きを脱いだら全裸なのよっ! アンタ下着を穿いてなかったの!?(////
うむっ。寝巻きだけ借りた。下着はない。新しいのがなかったのだ。
そ、そう。アンタだけ裸って、ちょっと可哀想だから…わ、わたしも…一緒に…なってあげるわよ。モゾモゾ。脱ぎ脱ぎ(////
チュッ(////
あんっ、もうっ、ショーツ脱いでるときに…意地悪なんだから(////
キリノの裸はやはり綺麗だな…。月夜に映える。
あ、ありがと…(////
またキリノの存在を余に感じさせてくれい。
…さ、さっき、わたしの音を聞かせたんだから、こ、今度はアンタのを聞かせないよっ(////
わかった…。よいぞ…。余もキリノに余の存在を感じ取って欲しい…。
うっ、アンタみたいな綺麗な子が無防備な全裸でベッドに寝そべってるって、ちょ、ちょっと緊張するわね…。ん? そ、そんな無邪気な目をして、わ、わたしの顔を見詰めないのっ。目を瞑ってなさいっ。さ、さぁて…。ど、どこに抱きついてやろうかしら。……ていうかアンタ、腹立つほど肌綺麗ね…。スベスベしてる…。ほっぺがあって…お口があって…顎があって…喉があって…これが鎖骨ね……胸で…そして、やわらかい…お腹……おへそ……ここに抱きっ(////
どうだ?
アンタのお腹ゴロゴロいってるよっ…。心音も聞こえる。ふふっ。深呼吸が必要なのはわたしだけじゃないみたい。
お互い裸で抱き合っておると温もりがこうも伝わるものなのか……。
温かいね……。それに、この音……。どうしてだろう。とても落ち着く…。
…そちは余が弟のようだから好きだと言ったな。
…うん。わたし極度のブラコン(////
もし…。余とそちが本当の姉弟であったら…。
本当の姉弟? アンタと血が繋がってたらってこと?
うむ。仮にだが…。もうそうなら、そちは余と今のような関係になったであろうか?
うーん…。そうだね。歯止めが掛かると思う。恋心の芽が生まれたとしても、お互いが愛を誓い合ってキスをするところまでは育たないんじゃないかな。その芽はひっそりと摘み取ったり、摘まれたり、心の奥底の日の当たらない所に植え直したり、家族の木の陰でしおれたり…。そして時間が過ぎていく内に、そんな芽があったことすら次第に忘れていくんだと思う…。
そうか…。
変なの…。ねぇ、キスして(////
チュッ(////
あんっ…そ、そうじゃなくて…。あ、あの…誓いの…キス…。アンタが変なこと聞くから不安になってきちゃったのっ(////
互いがお互いの虜となる…。誓いのキスか…。それはもう余とそちには……。キリノよ、落ち着いて聞いて欲しい。余は記憶が戻った。直ぐにも帰らねばならん……。
い、いきなり、な、なに言ってるのよ。わたしを怖がらせようとしても…
キリノが怖がるようなこと余は絶対にしたくはない…。だが真実を告げなければ……。キリノ、そちと余は実の姉弟なのだ。
……アンタが…わたしの弟? ガタガタ…ブルブル…。
……はい。姉上さま…。
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