メルルの章 03 ★☆☆ メルルの村(世界樹の広場)
ルンルン、ルン。アハッ♪ 今日もいい天気だな。お日様がキラキラと輝いてるわ♪ エヘッ♪
待ちたまえ。
ふへぇ? キョロキョロ…? ん…? てくてく…。
キョロキョロとした君だ。ツインテールの。みっくみくの。
うにゃ? キョロキョロ…。
余は君の頭上、50mの位置にいる。
えっ…? あっ! 世界樹のテッペンに誰かいる…。
とぅ…。くるくる。スタッ…。
はわわわわ…。
おはよう。
お、おはようなのだ…。
そちはメルルだな?
うん。おねえさん誰?
おねえさんではない。余はアベルである。男である。美しきゆえ、女に間違われることもあるが、それは失礼なことである。以後、気を付けるように。で、メルルよ今日はお前にだな…。ん? どうした?
本当に男なの…?
うむっ。余は男であるぞ。
……。ジー。
な、なんだその目は。疑っておるのか?
疑ってないよ、サファイアさん。
……わかった。ズボン脱ぎ脱ぎ。おパンツ脱ぎ脱ぎ(////
きゃっ!! なにすんのよっ!!(////
証拠を見せるのだ。余も恥ずかしいが、話が先に進まぬからのう。ポロン…(////
わわっ…(////
ほら! どうじゃ! 余は男であろう(////
……お股に変なの付いてる(////
しっ、失敬な…。変なのではないぞっ。これはチンチンというものだ。男にのみついておる。知らんのか…?(////
うん、初めてみた…(////
そ、そうジッと見るな…(////
チンチンって、ちっちゃくて可愛いものなんだね(////
よっ、余はまだ10才だからのう。こっ、これからチンチンも大きくなるのだっ(////
ふ~~ん。
も、もう分かったであろう? 余は男で…(////
……。ぐわしっ!!
ぎ、ぎゃゃやややっ!!! いっ、いっ、いっ、痛いっ!!! な、な、な、なにをする!!! なぜ触るっ!!! い、いや、なぜ握り締めるのだっ!!! それも躊躇なく、思いっきり!!! 信じられんわ!!! 離すのだっ!!!
うん…。ハシッ…。
うううっ。酷いぞ…。余のチンチンが吃驚して縮んでしまったではないか…。
触ったらいけなかったの?
当たり前だっ!! メルルも触られたら嫌であろう? 同じことじゃ。
メルルはそんなの付いて無いけど。
無くてもだ。そちも誰かにお股を触られるのは嫌であろう?
うん…。嫌だ…。ごめんね、チンチンさん。
……余のチンチンに謝るのならともかく、余の顔を見ながらそう謝られると違和感があるのう。余はチンチンではない。チンチンというのは余の下半身の名だ。余の名はアベルだ。
アベルさんの下半身はチンチン。
あっ。いや、そうではなく…。むうっ…。余の説明が不十分であったな…。チンチンはこの部分だけだ。
これも?
下はタマタマだ。上がチンチンだ。そして余の名はアベルで、そちの名はメルルだ。よいか? 覚えたか? あぁ…メモするのか…。うん…。よい心掛けだが…。
たまたま…ちんちん…書き書きっと。
くくくっ。違います。メルルさま。上から、チンチン、タマタマの順にございます。逆でございます。
そ、そっか…。消し消し。ちんちん…たまたま…書き書き…って、アンタだれ?
くくくっ。わたくしでございますか? わたくしの名はサキエル。アベルさまの執事にございます。あぁ、ちょっと失礼。大切なお話がございますのでメルル姫は少しお眠り下さい。 ……パチッ☆
ほえ……。ぐうぅ……。ZZzzzz…。 ZZzzzz…。
……なんの用だ。サキエル。
くくくっ。王子、生き残った村人達が教会に結界を張り、立て篭もってしまいまして…。
……あのような連中の結界、お前なら簡単に崩せるであろう?
くくくっ。出来ますが、先ほど降伏したいとの申し出がありましたので…。一応、王子にご報告とご確認を…。
……計画に変更はありえぬ。降伏は無視せよ。結界を崩し、中にいる全員を殺せ。
くくくっ。殆どが非戦闘員でございます。女性もおりますが。
くどい…。殺し終えたら焼却魔法でこの村の全てを焼き尽くせ。地下室もあるやも知れん。探知魔法を使ってぬかりなくな…。
くくくっ。御意。
……行け。
くくくっ。催眠解除。……パチッ★ シュタッ!
ん? あっ、あれ? あたし…。
……メルルよ。立ったまま寝てはいかんぞ。あぁ、よだれが出ておるのう…。ハンカチで拭き拭き。
わわわっ…(////
よし…。綺麗になった。
あ、ありがと…(////
夜更かしは程ほどにせねばいかん。よい子は早寝早起きである。
メルルは夜更かしなんかしないもん!
嘘はいかんぞ。ゆうべは夜遅くまで遊んでおったではないか。
……。
どうした?
……どうしてそんなこと知ってるの?
ふふん。余はメルルのことなら何でも知っておるぞ。そちはルーン1番の美少女として余のハーレム候補の筆頭となっておるからのう。
ハーレム? ああっ! アベルって、アベル王子!?
やっと気付いたか。そうだ。余はこの国の王子、アベルである。メルルよ。今日ここに来たのは他でもない。そちに余のハーレムへ入る栄誉を与えようと思ってな。
オプーナさん。それは…
アベルだ。
アベルさん。それはお断りします。
なっ…。何故じゃ! 余は王子であるぞ? 美形で最強の男でもある。何が不満だというのじゃ。
えーっ。だっておチンチン…
待て…。その後に続く言葉が非常に気になるところであるが、後で伺おう…。教会からテレポートして来る奴がいる…。サキエルめ、しくじったのか…?
……パチッ★ ハァハァ…。
あっ!! シスター!!
メルルか…。ハァハァ…。まだ賊に連れ去られていないなんて僥倖だわ。ふふふっ。神のおぼし召しかしら。それともお前のグズなところが役に立ったのかしら。
ううっ…。
どこも傷付いてない?
は、はい。だっ、大丈夫です…。でもシスターは酷い怪我…。
まぁね…ちょっと油断したのよ…。ハァハァ…。クルッ…キッ! そこの女! あのサキエルとかいう賊の仲間か!
キョロキョロ…。んっ? 余か? 女とは余のことであるか!? 余は男であるぞ!! むぅ…。王都のAPCでオシャレに男らしい服で揃えたというに…。青のカーディガンに、クールネックのシャツに、ニューキュアのデニム…。メンズノンノで最高にダンディと書いてあったというに…。田舎者はこれだから嫌なのだ。
メルルは渡さないわ…。ハァハァ…。いでよ! トールハンマー! ……パチッ☆ -----★ コロン…。
ふんっ! 小賢しいわ。いでよ! 雷剣! ……パチッ☆ -+---- バリバリ…。
あはははっ。雷剣ですって? そんな駄剣で私の神具トールハンマーに勝てるとでも思ってるの?
むうっ…。確かにそのハンマー…本物の神具のようであるが…。
当たり前じゃないの。正真正銘の神具よ。剣、鎧、盾、どんな武器もこのトールハンマーは打ち砕くわ。お前は私の攻撃を受けることさえ叶わない。そしてこの間合い…。外すこともありえない!! ブルン~ ブルン~ ブルン~ ブルン~ 悪党、覚悟せよっ!!
緊急結界発動…。
あはははっ。簡易結界如き!! とりゃ~~~~っ!!! 神罰を受け滅せよ!!
☆ミ ☆ミ ☆ミ がき~~~~~ん!! ミ☆ ミ☆ ミ☆
なっ、なにっ!? はじかれただと!?
……トールハンマーはこの世のあらゆる武器防具を破壊し、最上位の肉体強化魔法をも粉砕することが出来る最強の武器ではある……が、バリア結界だけは壊せぬ…。ふん、お前はそんなことも知らなかったのか? 無敵の武器などこの世に存在せぬわ!
そ、そんな、だってコレは…。
神具は使い手の絶え間ぬ努力の果てにその致命的弱点を補ってはじめて意味のあるものへと昇華する。お前はトールハンマーを武器としてではなく、己の権威付けの為に手に入れたのであろう。そのような脆弱なものが実戦で通用するかよ。
い、いや…。来ないで…。ガタガタ…ブルブル…。
お前は余に神罰を下すと言ったな。ふざけおってからに。罰とは神ではなくエロスの頂点に立つ余、アベルが下々を裁き下すものである。
ア、アベル!? アベル王子さまにございますか?? そ、そんな…。し、しらなかったのです。た、助けて…。わたくしは…ただ…。ガタガタ…ブルブル…。
余が名乗る相手は次の内のどれかじゃ、我の妃となる者。我の臣下となる者。そして我に殺される者だ。そちを余の妻や臣下にする気はないぞ。
いやっ…いやっ…。殺さないで…。助けて…。お慈悲を…。ガタガタ…ブルブル…。
シスター!! ア、アベル、やっ、止めてよっ!!
睡眠魔法発動…。 ……パチッ☆
……パチッ★ くくくっ。王子すみません。こちらにひとり逃げて来ませんでしたか? んんっ? おやおや、これはこれは…。くくくっ。お綺麗な女性でありましたのに、このように、こんがりと、まっ黒こげとなられましたか…。くくくっ。そしてメルルさまは夢の中にございますか…。くくくっ。どのような夢をみておいでなのでしょうな…。
……サキエルよ。村の焼却は余が行う。お前はメルルとそこに転がっておるトールハンマーを回収して直ぐに城に戻れ。後は手筈通りだ。
くくくっ。王子、どうされたのです。まさか村人の埋葬でもする気になられたのでございますかな? くくくっ。
何を馬鹿なことを…。お前の失態の尻拭いをするのはもうウンザリなのだ。最初から余ひとりでやっておれば良かったわ。…何をしておる早く行け。
くくくっ。仰せのままに…。
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