メルルの章 01 ★★☆ メルルの小屋
メルル、時間にゃ。ペシ、ペシ。
う、う~ん…。
起きるにゃ。ペシ、ペシ。
王子たま~。もっとキス…(////
寝ぼけるにゃ。もう教会に行く時間にゃ。ドス、ドス。
ゴホゴホ…。ん? あれ? なんだぁ。にゃん太かぁ。う~ん…。もう少し寝かせて…。
遅刻したらまたメルルがシスターに怒られるにゃ! ドス、ドス。
痛い…。もぅ…。にゃん太がメルルの代わりに行って来てよぅ。あたしは、あと少しだけ、夢の中の王子さまとキスしてるんだから(////
にゃん? 王子さま?
えへへっ。ゆうべ、にゃん太が読んでくれた絵本の王子さま…(////
にゃー? シンデレラ?
うん! でもそれはお姫様の名前。お姫様はメルルなの(////
にゃにゃ…。王子の名前ってなんだっけ…。にゃん太?
……違うと思う。
にゃ…。そっか…。にゃん太じゃにゃいのか…。しょぼ~ん…。
あっ。ごめん、にゃん太…。撫で撫で。にゃん太が嫌いって訳じゃないの。撫で撫で。
にゃ~ん…。
絵本に描かれた王子さまとにゃん太の姿が違うから、あたし、つい…。ごめん…。
にゃ…。にゃん太は猫だからメルルの王子になれないのにゃ…。仕方ないのにゃ…。
そ、そんなことない。絵本の王子さまには名前が無いの。読んだ女の子が好きな名前を入れていいんだと思う。女の子は誰もがお姫様になれて、みんな自分だけの王子さまがいるんだわ。だからメルルが望めば誰でもメルルの王子さまになれるよ。
そうにゃの?
うん…。
メルルは誰が王子になって欲しいにゃ?
メルルの王子さまは…にゃん太がいい…(////
にゃ…。メルルはにゃん太のこと好きにゃんか?
コクン…(////
にゃはははっ♪ やっぱりメルルもボクの魅力にメロメロにゃったか♪
ふぇっ?
ボクはチョーカッコいいから求愛されまくりなのにゃ♪ まぁ、来るもの拒まずにゃ。メルルよ、そちをにゃん太ハーレムの一員にしてやるにゃ、他のメス猫たちと仲良くするにゃんよ?
ムカッ。
んにゃ? どうしたにゃ? ハーレム39号よ。
ギュ~ッ!
ふにゃあああ!! 痛いにゃぁぁぁ!! メ、メルル、つねるの駄目にゃ、やめるにゃ!!
メルルの王子さまは、メルルが何をしても許してくれる優しい王子さまなんだもん!
い、いやにゃ~!! 痛いにゃ~!! 王子なんてもういやにゃん~~!! そ、そうにゃ、メルルの王子は、にゃん太じゃなくて、アベルにするにゃ!!
……ん? アベル? 誰それ?
ふにゃー。この国の王子にゃ。ルーンで1番の美少年にゃ…。しらにゃいのか?
知らない…。
この家はテレビもラジオも新聞もにゃいからにゃー。しょうがにゃいか。
アベルさま…。この国の王子さま…。
そうにゃ。まだ10才だから7才のメルルにピッタリにゃ。結婚相手も探してるにゃ。
……。
にゃ? どうしたにゃ?
なんでメルルが知らないこと、にゃん太は知ってるの?
にゃん太はこの村に来てメルルに拾われる前は、王都と呼ばれる街で暮らしていたにゃ。そこの娘達の間ではアベルの噂で持ちきりだったにゃ。
王都…。
にゃにゃ。この国、エロスの中心、王都ナロウにゃ。王子が暮らす真っ白い城があって、その周りは森や湖の公園になってるのにゃ。綺麗にゃんよ…。南に行けばお空の雲より高い塔がい~っぱい建っていて、人がた~くさん暮らしているのにゃ。
たくさん? この村より多いの? 100人くらい?
もっとにゃ。
110人?
もっとにゃ。
120人?
もっとにゃ。
130人?
にゃー! キリがないにゃ! メルル驚くにゃよ。王都の人口はにゃんと150万人なのにゃ!
ひゃくごじゅうまん? まん? まんってなに?
にゃ…。ええっ…と、とにかくたくさんにゃ! この村の中心にある世界樹の葉っぱより多いにゃ。
えー。にゃん太、うそばっかりー。
本当の話にゃ! 行けば分かるにゃ。
行けばって…。
にゃ?
あたしは行けないよ…。
どうしてにゃ?
だってこの村から出たら駄目だもん。シスターに怒られるもん…。
にゃはははっ。怒られるのが怖いのかにゃ。メルルは怖がりにゃ。弱虫なんだにゃ。
うううっ~。怖いんじゃないもん! シスターは…。シスターは今までみなしごだったあたしを拾ってくれて、育ててくれた人なんだもん。だから…。だから駄目なんだもん…。
にゃ~にゃ~。そうなにょか。王都はいいとこにゃのににゃー。綺麗な服が沢山あって、美味しい食べ物も沢山にゃ、みんな自由に自分のしたいことをして、支え合って、楽しんで暮らしてるのにゃ、友達も沢山出来るにゃ、こんなちいさな村とは…
にゃん太のイジワル!
にゃ?
そんなにそこがいいなら行っちゃえばいいんだ。
行くにゃ。
えっ…。
にゃん太はもう直ぐこの村を出て王都に戻るにゃ。
……。
にゃ、どうしたにゃ、メルル?
にゃん太がいなくなったら、またあたし一人…。
にゃぁぁ~っ! にゃぁぁ~っ! メルル泣くにゃ。メルルも一緒に連れてってあげるから。泣いちゃ駄目にゃん…。ペロペロ…。
だって…。だって…。シスターが…。
メルルの人生はシスターのものじゃないにゃ。ペロペロ…。
うん…。
ボクと一緒に王都へ行きたいんにゃろ? ペロペロ…。
うん!
にゃ。じゃ、一緒に行くにゃ。ペロペロ…。
……メルルの王子さまは、やっぱりにゃん太がいい。チュッ(////
にゃにゃ~ん。うれしいにゃ~ん。メルルのキス気持ちいいにゃん(////
えへへっ(////
にゃにゃん。ではメルル姫、もうベッドから出るにゃ。……目覚めの時間にゃ。チュッ(////
うん…。チュッ(////
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