高1同級生殺害:「仲良しだった」 容疑の高1供述
毎日新聞 2014年08月01日 12時07分(最終更新 08月01日 12時44分)
長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人容疑で逮捕された少女(16)が被害者の女子生徒(15)について「仲の良い友だちだった」と話していることが弁護人への取材で分かった。恨みはなく、怨恨(えんこん)があったとする一部報道については事実と異なり「被害者が悪かったことにつながりかねない」と気遣う様子も見せているという。弁護人は動機について「精神鑑定や家庭裁判所の調査官ら専門家の解明が必要」としている。
弁護人によると、少女は女子生徒について、下の名前で呼ぶなど仲が良く「恨みやトラブルはまったくなかった」と説明しているという。動機について弁護人は「言えない」とする一方で「動機形成の過程は誰にも分からず、本人も分かっていないかもしれない。精神鑑定や調査官の調査などで慎重に解明されるべきだ」としている。少女が定期的にカウンセリングを受けていたことも明らかにした。
また弁護人は31日、事件を巡る報道について少女が「事実と異なる」と指摘しているとして「正確な報道」を求める要望書を佐世保市に拠点を置く報道各社に出した。
要望書によると、少女は▽動機が怨恨(えんこん)だったという一部報道は事実と異なる▽父親の再婚について自分の心情を友だちに話していない▽父親を尊敬している−−などと主張している。弁護人との接見で少女は父親の再婚について「はじめから賛成しており、反対していた事実はまったくない」などと話しているという。
少女は接見を重ねるうちに徐々に打ち解け、弁護人は希望する本を数冊差し入れた。また、昨年10月に亡くなった実母についても「仲が良く、好きだった」と話しており、父親が間もなく再婚したが「母が亡くなって寂しかったので新しい母が来てうれしかった」と話しているという。
捜査関係者によると少女は「人を殺して解体してみたかった。猫を解剖して満足できなくなった」との趣旨の供述をしている。相手は「誰でもよかった」という内容の話もしているという。【山本太一、大場伸也】