秋篠宮ご夫妻が初の讃岐路へ
第26回全日本高等学校馬術競技大会に御臨席

岡内 浩

 秋篠宮殿下・同妃殿下におかれましては,第26回全日本高等学校馬術競技大会に御臨席されるとともに,県内事情の御視察のため,平成4年7月30日(木)から8月1日(土)までの3日間にわたり,香川県へお成りになられた。
 ここで先ず殿下がおいでになることを「お成り」と言うことを知った。そう言えば時代劇で「殿のおなり−−」と言っているのを思いだした。
 県から予め知らされた両殿下のお成りの御日程は, 晴天時  荒天時と二通りあり,は更に1,第1日御乗用機が1時間25分順延の場合,2,第1日日に御乗用機が就航不能のため,翌日御着の場合,3,第3日8月1日御乗用機が1時間20分順延の場合,4,第3日御乗用機が就航不能のため,JRに変更の場合,5,第3日御乗用機が就航不能のため,翌日御発の場合,とこと細かに計画され,それに伴う御順路図と共に,分単位での時間が記入されており,これを見ただけでお迎えするのも何と大へんなことだろうと思った次第。更に・・・お願い・・・として,御送付申し上げたお成り御日程のうち,御行程の御予定時刻並びに御順路等につきましては,宮内庁の御指導等もあり一般に公表されておりませんので,この点十分御配慮くださいますようお願い申し上げます。と言うのまでついていたが,両殿下のご到着から行く先々まで県民の盛大なお迎えがあったことは何れの場合も同じで何のためのものか?一方で公表しないようと言い乍ら地区で或いは組織を通じて日の丸の旗まで持たせて動員している。それならいっそのこと皇室と国民の親近感のためにもむしろ広く一般に知らせた方がよいのではないかとも思ったりもする。

 さて,第1日の知事招宴晩餐会は高松国際ホテルであった。献立と席図は別掲のとおり,両殿下共御食事中も和やかにご懇談される等実に明るい楽しい夕食会であった。殿下からは世界中のナマズについて,一番小さいものから一番大きいものまで,又決水に棲むもの海水に棲むもの,草食,肉食の種類等実に博学にして,ご専門振りが披露された。又香川県下にナマズについて古い話や,諺はありますかとのご質問があり,県教育長が待ってましたとばかりとうとうとご説明申しあげ,さすが教育長と感心したが,あとで聞いた所では,多分ご質問があるだろうと予想して一夜漬けで勉強したと言う一幕もあった。

 殿下はタイ国のバーボンウイスキーがお好きで,どこえ行かれてもこれしかお飲みにならないとか,又食事中……と言ってもデザートになってからだが煙草もお吸いになる。私もお許しを得て喫煙した。殿下と妃殿下は向いの席であったが時々優しい言葉をかけられ,妃殿下は例の紀子さんスマイルでお答えになり誠に温い雰囲気であった。
 2日日は馬術競技大会々場へおいでになられ,開会式では殿下のお言葉を賜わった。毎年開かれるこの大会でお言葉を賜わるのは香川県が初めてとのことであった。この日は一年中で一番暑いのではないかと思われる程暑い日であったが,両殿下並びに関係者10名が観戦するロイヤルボックスは前年度開催県に習いプレハブではあるが2階建ての建物が準備され冷房も入れられた。それにしても絢30分間のご観戦のための建物の建築費ん百万円である。

 この日の昼食は綾南町社会福祉センターであった。出席者は別掲の如く知事以下3名の他は前日のメンバーとは変わっていたが,お2人共前日より更にくだけたご様子でお食事中も話がはずんだ。お小さい頃のお話やら,最近のご両親陛下のご様子など終始本当に楽しい昼食会だった。囲りの雰囲気を明るくするお2人の天性と言うものだろうか?
 紀子さまからは「この暑さで選手の皆さんはさぞ大へんなことと思いますが,私達のお部屋は冷房して頂きまして・・・」と言うお言葉があり,その気の使われ方に感心したり,ん百万円のロイヤルボックスも決して無駄ではなかったと思った次第です。

 妃殿下のすぐ横の席だった私は,間近で見る紀子さんの横顔はテレビで見るよりずっときれいに見えたのはひいき目だろうか?
 「真子様はおいくつになられましたか?」と言う私の質問に妃殿下はしばらくお考えのご様子でお返事がないものですから私は「しまったいらん質問をしたのでは?」と思っておりましたところ,ややあって「9ヶ月でございます。とのご返事がありヤレヤレと安心した次第,考えて見ると我々と違い若し少しでも間違えたらいけないと慎重にお答えになられたのだと思います。
 宮様方は余りお食事はお攝りにならないのではないかと思っておりましたが,お二人共きれいに召し上がり,その点も好感が持てました。
 それにしても食事中は勿論のこと,四六時中,宮務官,侍女長がそばについておられ,私達には判りませんが,その他正服私服の警護,お化粧係,衣装係,医務官その他,恐らく10名前後或いはそれ以上の人数の人達が絶えず,どこえ行くにもついておられるのではないかと思うと,考えただけでも到底我々には想像出来ず,唯々ご苦労様,いつまでもお元気でお幸せにと申し上げるしかない様な気がした二日間でした。
 どうか二人日のお子さんも安産でありますようにと祈りたい様な気持の今日此頃です。


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