炭鉱から盗まれる大量の石炭、モディ印首相お膝元の闇市場へ
7月30日(ブルームバーグ):インド東部にある森林の外れに毎晩、石炭を積んだトラック約30台が到着する。エンジンとライトを消したトラックは、ウッタルプラデシュ州バラナシにある同国最大の石炭闇市場へと貨物を輸送するため待機している。
オーストラリア国立大学クロフォード校のクンタラ・ラヒリダット上級研究員によると、コール・インディア の炭鉱などから盗まれる石炭は年間最大6000万トンに達する可能性がある。これは、世界最大の石炭生産国であるインドの年間産出量の約13%に匹敵する。約15億ドル(約1530億円)相当に上り、インドで広く見られるエネルギー窃盗の中では規模は小さいが増加している。エネルギーの盗難はインドの国内総生産(GDP)を年間1%余り押し下げている。
窃盗が「はびこっており、大量に盗まれている。夜空の星の数を尋ねられたらどう答えるだろう。それと同じで測定不可能だ」。この地域に住み複数の国営鉱山会社の代理人を務めるアナンダ・セン弁護士は、東部のジャルカンド州の州都ランチーでのインタビューでこう語る。
モディ新首相は選挙運動中に石炭の盗難を抑制することを公約に掲げた。石炭の盗難は、数十年間にわたって首相自身の選挙区であるバラナシの地下経済活動の一部を成している。インド国内で石炭が不足し輸入量が過去最高水準に達する可能性がある中、同首相はその公約を遂行する方法を探る必要がある。
ラヒリダット研究員は「石炭を盗むのは田畑を耕すよりもずっと簡単だ。空腹を抱えた人々がいる。供給が不足しているため石炭には良い値が付く。全国レベルの盗難量は5000万-6000万トンというのが信頼できる数字だ」と述べた。
原題:Stolen India Coal Sent to Market in Modi’s Backyard:Commodities(抜粋)
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更新日時: 2014/07/31 07:00 JST