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豊田大谷野球部監督、傷害で逮捕 部員の肋骨折る

2014年8月1日6時0分  スポーツ報知

 愛知県警豊田署は31日、野球部の練習中に、部員の男子生徒を殴るなどして重傷を負わせたとして、傷害容疑で私立豊田大谷高(愛知県豊田市)の野球部監督・川上貴史容疑者(33)を逮捕した。部員は肋骨(ろっこつ)を折る重傷。川上容疑者は「けがを負わせてはいない」と容疑を否認している。同校は、1998年夏の甲子園(全国高校野球選手権)で4強入り。同大会にクリーンアップ打者として出場した川上容疑者は、2012年から監督に就任していた。

 高校野球の監督が、部員への傷害容疑で逮捕―。愛知代表が全国最後に決まり、今年の夏の甲子園出場49校が出そろった31日、その愛知県で衝撃的な事件が発覚した。

 豊田署によると、川上容疑者の逮捕容疑は、昨年7月19日、豊田大谷高のグラウンドで練習中、当時1年だった男子部員が疲れて座り込んだのを注意した際、頭と頬を殴った上、脇腹や脚を蹴り、肋骨骨折で全治2か月の重傷を負わせた疑い。

 県の私学振興室によると今年2月下旬、部員の保護者が「息子が、あばら骨にひびが入るほどの暴力を監督から受けた」と県に相談した。部員は寮生活中で、昨年8月に実家に戻った際、「胸が痛い」と訴え、病院の検査でけがが判明した。

 県からの確認に学校側は、川上容疑者や他の野球部員から聞き取り、県に「部員の練習態度が悪いため監督がグラウンドの外に出したり、ベンチで寝ていたので注意したことはあるが暴力はない」と報告。「部員は昨年7月~9月まで、対外試合に約10試合出場した。けがをしていたら出られない」とも指摘したという。県の担当者は「学校側から『体罰の事実はない』との回答があり、これ以上の調査は難しい状況だった」と話した。

 同校の加藤順一校長は31日夜に会見し、「暴力があったことがきょうまで分からなかった。被害生徒に謝罪したい」と述べた。同校によると、昨年12月にも部員の父から相談されたが、川上容疑者への聞き取りだけで調査を終えていた。

 3月に部員と保護者が豊田署に被害を届け出た。同署によると、逮捕された容疑者は「反抗的な態度をとられたため腹を立て、たたいたが、蹴ってけがを負わせてはいない」と容疑を否認している。部員は昨年12月に退部し、その後、通信制高校に転校した。同署では、ほかの部員への暴力は把握していないという。

 同校野球部は97、98年と夏の甲子園に出場。川上容疑者は、4強入りした98年大会で5番一塁として活躍した。横浜高の松坂大輔投手が決勝でノーヒットノーランを達成し、春夏連覇を果たした伝説的大会だった。“松坂世代”の川上容疑者は、2012年夏に母校の監督に就任。3年目だった今年の夏の県大会は、4回戦で敗退している。

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