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HPのThe Machineは本当にスゴイのか?「メモリスタ」からひも解く
ご存じの方も多いかもしれないが、先日、米ヒューレット・パッカード(HP)が「The Machine」なる構想を鳴り物入りで発表した。
The Machineは、次世代のコンピュータアーキテクチャーに関するプロジェクトだ。2014年6月、米国ラスベガスで開催した自社イベント「HP Discover Las Vegas 2014」において、同社CTO兼Director of HP LabsのMartin Fink氏が登壇し、概要を発表した。現在のコンピュータアーキテクチャーを一新するとの目標を掲げた壮大なプロジェクトだ。
とどまるところを知らない計算能力向上やストレージ容量増大のニーズに応えるには、現在のコンピュータアーキテクチャーでは早晩、対応できなくなるというのがHPの主張。2012年にプロジェクトをスタートし、現在ではHP Labsの研究者の7割が、このThe Machineに関連した研究に携わっているという。
モバイル端末からサーバーまで、あらゆるコンピューティングデバイスに関わる究極のアーキテクチャーであることから、The Machineなる名称を付けたのだという。なかなか日本人にはマネのできない、大胆なネーミングだ。ハードウエアのコモディティー化が進む現在のITの世界において、コンピュータアーキテクチャー関連の新トピックは久々でもある。
さて、このThe Machine。HPが掲げた目標は壮大で立派なのだが、発表を聞いて、筆者はやや拍子抜けした思いを抱いた。
The Machineのプロジェクト自体は非常に興味深いものだし、真っ当な方向性だと思うのだが、HP Labsが手掛けてきた研究を踏まえると、The Machineは「ああ、そんなものか」と思えてしまうのだ。
中核はメモリー技術
The Machineの中核技術は、「ユニバーサルメモリー」なるものである。The Machineには他にも、「特定用途向けCPUコア」や「シリコンフォトニクス」といった要素技術があるのだが、今回はこれらは割愛させていただき、ユニバーサルメモリーについて見ていきたい。
ITproの読者の方々であればよくご存じだと思うが、コンピュータの高性能化の歴史というのは、記憶階層(メモリー)をいかにうまく使いこなすか、その工夫の歴史そのものである。
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