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嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え
【第15回】 2014年8月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
古賀史健,岸見一郎

ホリエモンが共感した
アドラー心理学が教える現代サバイブ術
堀江貴文×岸見一郎×古賀史健 鼎談【前編】

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フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨頭」と称されるアドラーの思想を哲人と青年の対話形式で紹介した『嫌われる勇気』。発売と同時に大きな反響を呼び、7月時点で37万部の大ヒットを記録しています。
そのアドラー思想に共鳴し、「自分の考えそのもの」と絶賛するのが、同じくベストセラーとなった『ゼロ』の著者である、“ホリエモン”こと堀江貴文氏です。既存の社会システムに異議を唱え、ことあるごとに改革の必要性を訴えてきた堀江氏は『嫌われる勇気』をどう読み、なにを感じたのか。著者である岸見氏、古賀氏との鼎談を、2回に分けてお届けします。(構成:宮崎智之、写真:田口沙織)

“ホリエイズム”を体系化した
『嫌われる勇気』の衝撃

古賀史健(以下、古賀) 本日はお忙しいなか、ありがとうございます。

堀江貴文(以下、堀江) こちらこそ。

堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。民間でのロケット開発を行うSNS株式会社ファウンダー。東京大学在学中の1996年、23歳のときに有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から05年にかけて、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などといった世間を賑わせる行動で一気に時代の寵児となる。しかし2006年1月、証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6ヵ月の実刑判決を下される。2013年11月、刑期を終了したのを機に著書『ゼロ』を刊行し新たなスタートを切った。

岸見一郎(以下、岸見) 今日の対談を楽しみにしていました。

堀江 おふたりが執筆された『嫌われる勇気』は、僕の『ゼロ』の担当編集者・柿内芳文さんから「堀江さんの思想にそっくりだから、とにかく読んでみて」と何度も勧められていたんですよ。先日ようやく読む時間が取れて読んでみたら、もうほんとうに滅茶苦茶ビックリしました。自分が言いたかったことがすべて書かれているといっても過言ではないくらい似ていて……。

古賀 僕もそう感じました。

堀江 本を書いたり、講演をしたりするのって、要は自分の考え方がどうしてこうなったのかということを整理して説明する作業ですよね。それを何回も繰り返すことによって、自分の考えが体系化されていく。でも、『嫌われる勇気』を読んだら、僕の考えていたことは、僕が生まれるずっと前にアドラーが体系化していたことがわかった。本当に驚きですよ。最近、講演会で「『嫌われる勇気』を読めば僕の言いたいことが書いてある」と言っているんです。僕が長々と話すより、そのほうがわかりやすいかもしれません(笑)。

古賀 特にどのようなところに共感しましたか?

堀江 いろいろあり過ぎて一つには絞れませんが、「他者の課題を切り捨てよ」という発想は本当にそのとおりだなと思いました。たとえ相手が自分のことを嫌っていたとしても、それは他者の課題であって、自分とは関係ないことであるという考え方ですね。あと、「人生とは連続する刹那である」という言葉にも感動しました。

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古賀史健 (こが・ふみたけ)

 

ライター/編集者。1973年福岡生まれ。1998年出版社勤務を経てフリーに。これまでに80冊以上の書籍で構成・ライティングを担当し、数多くのベストセラーを手掛ける。20代の終わりに『アドラー心理学入門』(岸見一郎著)に大きな感銘を受け、10年越しで『嫌われる勇気』の企画を実現。

 

岸見一郎(きしみ・いちろう) 

哲学者。1956年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの“青年”のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。


嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え

フロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨頭とされながら、日本では無名に近いアルフレッド・アドラー。彼はトラウマの存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善する具体策を示してくれます。まさに村社会的空気のなかで対人関係に悩む日本人にこそ必要な思想と言えるでしょう。本連載では、アドラーの教えのポイントを逐次解説することでわかりやすく伝えます。

「嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え」

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