深海漁の船の上で、オオグソクムシを食べてきた

最近人気の深海生物「オオグソクムシ」。その神秘にみちた生態やインパクトのある姿とは裏腹に、食べると美味しいというウワサが。 漁師さんに船を出してもらい、キャッチ&イートしてきました。(焼津のグルメ海鮮)

深海漁の船の上で、オオグソクムシを食べてきた

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近ごろ注目されている深海生物。なかでもオオグソクムシは大人気ですね。

キモかわいい外見、メカメカしい構造。ぬいぐるみやプラモデルが発売されるのもわかります。

 

そんなオオグソクムシですが、味もとっても美味しいことが話題になりました。
……食べたい!
ということで、深海漁に同行して、とれたてをその場で食べさせてもらいました。

 

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「オオグソクムシを食べたい」「しかもとれたての」……

そんな思いをもつ7人が、夜通しひとつのワンボックスカーに乗り、焼津にやってきました。

同じ(特殊な)こころざしを持った人間が一瞬で集まる。インターネットの強さを感じます。

船を出してくださる漁師さんは「深海魚漁といえばこの人」くらいの勢いでよくテレビに出ている長谷川さん親子。

いよいよ出港!

  

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前日から沈めておいた仕掛けを、電動リールで引き上げます。
深海までは数百メートルあるので、ちょっと時間がかかります。この日の仕掛けのエサはホッケ。
オオグソクムシはホッケが好きなのか。
いくつもの仕掛けを次々に引き上げ、カゴにザーッ。

 

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みるみる巨大ダンゴムシが積み重ねられて行く!
なんといっても、動きがのそのそしてかわいい。でも、水を入れると華麗に背泳ぎをします。
急に明るい場所に連れて来られて、パニックになっているだろうな……。

 

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深海の生物はサングラスをかけているのですね。
裏側がすこしグロテスクに見えるかもしれませんが、シャコを丸くした感じです。

 

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私たちが興奮して写真を撮ったり、手の上にのせて戯れている間に、長谷川さんがホイホイと仕掛けをあげていきます。気づけばカゴの中にはオオグソクムシが何百匹も……。


深海魚漁ではオオグソクムシはただの邪魔者で、仕掛けに入っていても海に返していた生物。
でも昨今のオオグソクムシブームは、漁師さんたちにしてみると「なぜこんなものが?」と不思議でならないとか。
見た目がカッコよくて、食べても美味しいとなると、これはビジネスチャンスなのでは……!
うまくいけば、グソク御殿が建てられますね。

 

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さて、いよいよオオグソクムシを食べる時がきました。
船長が煙突焼きをしてくれるようです。


……煙突焼きって何?

 

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船の煙突にこのまま突っ込んで、待つこと2分。

普段はカニなんかもこのようにして焼くそうです。煙突、万能だなー。

 

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あっという間に、真っ黒の炭焼きに!
お腹にナイフで切れ目を入れて中身を吸い出すように食べます。

一言で言うと、すごく濃い味の、カニか、エビ。味が濃いので、カニミソっぽくもある。
海水の水だけでOKです。甘みも強く、味付け要らずでした。

 

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スーパーで売られていたらいいのに!そう思える美味しさでした。
次に食べられるのはいつになるのか……。

 

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同行した友人が、大量のグソクを持ち帰っていたので、何をするのかと思ったら、「奇食サークルのお花見で数十人にふるまう」とのこと。
バジルとにんにくでソテーしたらしいです。

 

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グソクソテーは大人気だったそう。
この美味しさがクチコミで広まって、一般的な食材として認められてほしいです。

 

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ところでオオグソクムシ、間近で見るとやっぱりかわいいんですよ……困ったことに。
私は以前、蛇狩りに同行したとき、食べるために捕獲したはずのシマヘビのかわいさにやられてしまい、「飼います」と言って持ち帰ってきてしまったほどのヘタレです(そのヘビは一年半経ちますが、↑の写真の左の水槽で元気にしています)。

生きているオオグソクムシを一匹もらってきたのですが、今回も「飼えないかな」と一瞬考えてしまい、飼育している人のブログなど、気がつけば飼うための情報を探している始末……。
心は傾きましたが、設備が大変なので諦めました(深海生物なので、海水や温度の調節にくわえ、水槽には常に布をかぶせておかなければいけないらしいのも、ちょっと淋しい)。

この夜は、なんとなく、金魚鉢に入れてしばらく眺めていました。
カサカサと脚を動かす姿が、たまらないのですわ。……いかんいかん!

 

 

以上、オオグソクムシは美味しくてかわいい、というレポートでした。


ちなみに、このグソクちゃんは別の寄食仲間にプレゼントしました。

ソテーにして美味しく召し上がったそうです。ああ……。

  

プロフィール

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ほそいあや

「珍味好き。虫を食べるタイミングでtwitterのフォロワーが激減します」

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