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金属バットで父襲撃してた 高1女子殺害

 長崎県佐世保市の高校1年松尾愛和さん(15)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された同級の女子生徒(16)は松尾さんに「恨みはなかった」と供述していることが29日、分かった。女子生徒は過去に、父親を金属バットで殴って大けがを負わせていた。県警は、母親が昨年に膵臓(すいぞう)がんで亡くなるなど、家庭環境の変化が影響を与えたとみて、精神鑑定が必要との見方も強めている。

 県警は、逮捕された女子生徒が松尾さんについて「個人的な恨みはなかった」と供述していることを明らかにした。2人の周囲への捜査でも、トラブルは確認できなかった。

 女子生徒は「会いたいと自分から誘った。殺すために自分の部屋に2人で行った」と供述しており、計画的な犯行だったことをうかがわせている。県警は、押収した2人のスマートフォンの通信履歴などから、会う約束をした経緯や殺害当日のやりとりを調べている。

 2人は約1週間前から遊ぶ約束をしていた。松尾さんは26日午後3時ごろに自宅を出て、女子生徒が1人で住むマンションの部屋で同午後8時ごろ、後頭部を多数回殴られ、ひもで首を絞められて殺害されたとみられる。女子生徒は「一緒に市内の繁華街で買い物をした」と説明しており、県警は防犯カメラ映像から足取りの解明を進めている。

 遺体のそばからハンマーやのこぎりが押収され、女子生徒が「自分で買った」と供述している。県警は、女子生徒が周到な事前準備の上で松尾さんを自室に招き入れたとみている。

 県教育委員会によると、女子生徒は1学期に3日しか登校していなかった。中学時代の担任が週1回程度訪ね、食事をしたり相談に乗ったりしていたという。

 女子生徒の知人らによると、実母が昨秋に亡くなり、直後に父親が再婚。そのころに女子生徒は1人暮らしを始めた。実母の死後、金属バットで父親を殴り、大けがを負わせていたことも判明した。県警は女子生徒が家庭環境の変化に大きな影響を受けた可能性があるとみている。

 小学生時代から両親の影響でスポーツに打ち込み、好成績を残していた。一方で、小学6年だった2010年に同級生の給食に洗剤を混入したことも分かっている。女子生徒は取り調べで「過去に小動物を解剖した」とも明かしている。

 県警は殺害後に遺体を激しく傷つけた可能性があるため、女子生徒の精神鑑定が必要との見方を強めている。

 [2014年7月30日8時35分 紙面から]

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