麻薬密輸事件、市議「不審物ないか確認」　中国で公判

　愛知県稲沢市議の桜木琢磨被告（７０）が麻薬密輸罪で中国で起訴された事件で、桜木市議は覚醒剤が入っていた小型スーツケースについて、不審物が入っていないかどうかを確認したうえで預かったと話していることが３０日、関係者への取材でわかった。密輸を意識していたかどうかは、今後の裁判の焦点となる。

　中国の公安当局は、桜木市議にスーツケースを渡したとしてマリ人とギニア人の男２人を逮捕した。桜木市議は密輸容疑を一貫して否認。「『日本で靴の販売をしたい。商品の見本を持って行ってほしい』と言われ預かった」「覚醒剤が入っているとは知らなかった」と話しているという。

　これまでの中国当局の発表などでは、昨年１０月３１日に広東省広州市の白雲空港の手荷物検査で、桜木市議が国内線の機内に持ち込もうとしたスーツケースの中に覚醒剤約３・３キロがあった。スーツケースの二重底や、商品見本のかかと部分から見つかったとされる。