ウェブアーカイブの合法的な利用方法について
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ウェブ魚拓等のウェブアーカイブの著作権法等に抵触しない合法的な利用方法には、どのようなものが考えられますか?
公正な慣行に合致し、報道、批評、研究などの正当な範囲内で、引用して利用するような場合には、著作権法等に抵触しないと思います(著作権法32条1項)。
下記のものなどはいかがでしょう?
保存したのは私ではありません。
http://archive.today/K8ePI
保存した目的が、私的使用や正当な範囲内での引用など、複製が許される態様でなければ、著作権法違反となる可能性はある、と思います。
私のあげた例はいかがですか?
違法なもの?
保存した目的も、誰が保存したのかも分かりませんが、あなたに対する嫌がらせになっているとすれば、著作権法違反になり得ると思います。
嫌がらせか否かの基準とはどのようなものですか?
また、刑事告訴も可能でしょうか?
「嫌がらせか否かの基準とはどのようなものですか?」
保存された書込みの内容が、誰もが閲覧できる状態になることで、その書き込んだ人が嫌がると思うかどうか、という一般人の視点から見て、判断されるのではないか、と思います。
「刑事告訴も可能でしょうか?」
可罰的違法性のある、不当な保存・複製と評価されるのであれば、刑事告訴も可能かも知れません。
評価されるか否かは現時点では判断出来ないんですか?
告訴してみて、警察・検察がどのように判断するか、もし検察が起訴相当と考えて起訴した場合には、裁判所がどのように判断するか、によります。
私の印象を述べさせてもらえば、確かに無断複製かも知れませんが、元々弁護士ドットコムのオープンの質問サイトに掲載された質問と、弁護士によりなされた回答を、保存・複製しただけですし、内容的にも、それを見て、あなたが不利益を受けるものとは捉えられないので、著作権違反で処罰の対象とするのは、難しいように思います。
著作権違反になるか否かの判断には不利益があったか否かが関わっているんですか?どのような理屈なのでしょう?
また、民事の不法行為責任についても同様に難しいのでしょうか?
「著作権違反になるか否かの判断には不利益があったか否かが関わっているんですか?どのような理屈なのでしょう?」
著作権法違反になるか否かの判断に、不利益があったか否かは関わりませんが、刑事手続の発動がされるかどうかには、関わるのではないか、と思います。
「また、民事の不法行為責任についても同様に難しいのでしょうか?」
勝手に保存・複製されたことにより、どのような不利益を蒙ったといえるかによる、と思います。
自身の質問の文章の著作権を侵害されたというだけは不利益とは呼べないのでしょうか?
民事の不法行為責任の問題としては、無断複製されたことにより、経済的な不利益を蒙ったとか、精神的な痛手を受けたというのでなければ、損害賠償の対象となる損害の算定・立証ができないのではないか、と思います。
では、実質この程度であれば、民事も刑事もお咎めはないということですか?
もし、無断複製されたことにより、経済的な不利益も、精神的な痛手も蒙っていないということであれば、そうなると思います。
やや、不謹慎な内容なのでウェブ上に残ることについては精神的な痛手がないわけではないです。
質問のような理由で、あなたが削除しようと思っていたのに、無断保存・複製されて削除できなくなり、精神的な痛手を蒙ったというのであれば、不法行為に基づく損害賠償請求(慰謝料請求)ができるかも知れません。
ただし、裁判にしたとして、損害賠償請求が認められたとしても、私の感覚では、数万円程度ではないか、と思います。
数万円ですか、訴えるためにはまず発信者情報の開示請求を行う必要があるとおもいますが、こちらが認められる可能性は高いのでしょうか?
また、ウェブアーカイブに保存した者以外の者が当該アーカイブの記事を消すにはどのような手続きが必要なのでしょうか?
「訴えるためにはまず発信者情報の開示請求を行う必要があるとおもいますが、こちらが認められる可能性は高いのでしょうか?」
発信者情報開示法上の開示請求要件のうち
「1 侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。」は認められるかも知れませんが、
「2 当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。」は、やってみないと分からない、と思います。
「ウェブアーカイブに保存した者以外の者が当該アーカイブの記事を消すにはどのような手続きが必要なのでしょうか? 」
ウェブアーカイブの管理者に対し、保存されている書込みが、あなたの著作物を無断で複製したものであり、著作権法違反により保存されていることを主張して、削除を求めることになるのではないか、と思います。
2の方がやってみないとわからないのはなぜでしょう?
私の印象からすると、元々弁護士ドットコムのオープンの質問サイトに掲載された質問と、弁護士によりなされた回答を、保存・複製しただけですし、内容的にも、それを見て、あなたが不利益を受けるものとは捉えられないので、ウェブアーカイブの管理者(プロバイダ)も、そのように考えたとしたら、あなたが、あなたの書込みを保存・複製した相手に対して、何らかの法的アクションがとれるか、疑問に思うかも知れない、と思ったからです。
では私が不利益を受けるような書き込みとは具体的にはどのようなものですか?
私が人の悪口を書いた場合などですか?
あなた自身の書込みを、そのまま保存・複製した場合に、あなたが不利益を蒙るケースというのは、なかなか思いつきませんが、例えば、あなたの書込みを複製した上で、「こんな不謹慎な書込みをした者がおり、けしからん」、というような論評が加えられていれば、あなたが不利益を受けるような書込みになるかも知れません。
それではそもそも評論のための保存は許されないということですか?
「不謹慎」とか、「けしからん」という表現が、正当な批評の範囲内の表現だとすれば、「愚か」であるとか、「馬鹿」であるとか、「死んでしまえ」という、罵倒し、蔑むような表現での、不当な論評がされていれば、と言い直します。
つまり、正当な評論の範囲内であれば保存も許されるということですか?
2014年07月08日 12時48分
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