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【佐世保同級生殺害事件】  「兆候」どう向き合うか 最悪の結果、周囲後悔


 長崎県佐世保市で同級生を殺害したとして逮捕された高1の女子生徒(16)は、遺体を激しく損傷させた理由を「解剖したかった」と供述した。給食への異物混入や父への暴行などの「兆候」に周囲はどう向き合うべきだったのか。最悪の結果に、学校関係者からは後悔の言葉も漏れた。

 ▽凄惨な現場

 現場は、女子生徒が1人で暮らしていたマンション。「あんな 凄惨 (せいさん) な現場は初めて。見るに堪えない」。捜査関係者は表情を曇らせた。

 ハンマーやのこぎりを事前に購入するなど計画性がうかがえる。被害者のスマートフォンが室外で見つかり、県警は証拠隠滅の可能性があるとみている。一方、被害者との間のトラブルは確認されていない。では、なぜ―。県警が関心を寄せているのは成育環境だ。

 市内の裕福な家庭で育ち、教育熱心な母のもと、勉強もスポーツも成績が良かった。幼いころの友人らは「明るくて元気な子」「責任感や思いやりがあった」と話す。

 ▽対応「誤り」

 最初に問題が公になったのは小学6年の12月上旬。市によると、水で薄めた漂白剤や洗剤を同級生2人の給食のおかずに計5回混入させた。被害児童の関係者によると、勉強のことで言われた言葉に腹を立てたことが原因だった。

 女子生徒の母は「しっかり教育します」と謝罪。女子生徒はカウンセリングを受け、学校は市に問題を報告したが、その後、大きな問題にならなかった。当時のある市教育委員は「公的な報告はなかったはず」と語る。

 この小学校の元教員は、市や学校、親などが対応を誤ったと感じた。「彼女の心の闇にちゃんと向き合わず、事態を収束させた。対応次第で事件は防げたのではないかと後悔している」

 ▽解剖に興味

 県警によると、少女はネコを解剖したと供述した。親子をよく知る男性は以前、女子生徒が「解剖に興味がある」「小学6年の時、裏山でカエルを解剖した」と話したのを覚えている。

 中学3年の昨秋、周囲の環境が激変する。慕っていた母が2カ月間の闘病の末、がんで死亡。4月に高校に入学し、事件現場となるマンションで1人暮らしを始め、5月、父が再婚した。

 この間、女子生徒は父を金属バットで殴り、頭に大けがを負わせていた。ある県警幹部は、このとき、県警に情報がもたらされなかったことを嘆く。「明らかな殺人未遂事件。把握できていたら今回の事件は起きなかった」

 高校に登校したのは入学式を含め3日だけ。中学時代の担任が毎週訪ねたが、事件は起きた。

 少年問題に詳しい臨床心理士の 長谷川博一 (はせがわ・ひろかず) さん(55)は「母の死亡と直後の父の再婚は子どもにとって大きな出来事。別居して『独りの世界』になり、もともとあった解剖への好奇心が募ったのではないか」とみる。

 育児支援のNPO法人「インフィーニティー」(長崎市)の 野口美砂子 (のぐち・みさこ) 理事長は以前、女子生徒の実母と交流があったという。「彼女は娘の性格を把握し、悩みながら育児に努力したが、途中で倒れ、結局、ほかの人は手を差し伸べられなかった。ただ、こうした傾向のある子はほかにもいる。子どもが発するサインに周囲が気付くことが重要だ」

 (共同通信)

2014/07/31 10:47

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