亀井、サヨナラ弾!延長11回「ド真芯」140メートル
◆巨人3x―2DeNA=延長11回=(30日・京セラドーム大阪)
神様、仏様、亀様だ―。巨人がDeNAにサヨナラ勝ち。延長11回、亀井が右翼席へ劇的な一発を放ち、試合を決めた。初回に坂本が先頭打者アーチ、3回には2試合連続で4番に座った高橋由が勝ち越し打を放った。しかし、9回に片岡の適時エラーで追いつかれ、延長戦に突入していた。先発の杉内は8回1失点11奪三振。10年連続100Kをマークした。巨人は7月を10勝10敗で終えた。
最高の感触だった。亀井は打った瞬間、この試合が勝利に終わったことを確信した。「完ぺきです。ド真芯でした」という打球は、右翼席の5階席にまで飛んだ推定140メートル弾。09年8月8日のヤクルト戦(東京D)以来、5年ぶりのサヨナラアーチで、チームの危機を救った。
貴重な一発が飛び出したのは延長11回。先頭で迎えた亀井は「(その前に)ファーストの守備でやっちゃったので、自分で決めたろうと思いました」と2ボールから高めの141キロを迷うことなくフルスイングした。11回1死一塁の守備で梶谷の送りバントを直接捕球したが、併殺を焦り、一塁へ悪送球。走者を二塁に進めてしまっただけに挽回を期していた。
始まりはこの場所だった。2月末の右手人さし指の骨折から復帰したのが5月31日、京セラDでオリックス戦。1―1の延長12回2死から、左中間席へ決勝アーチを放った。翌日にも決勝二塁打をマーク。「今年の(自分にとって)開幕を迎えた場所で、またお立ち台に立つことができて良かった」。地元の奈良からも近い、思い出の地で再び輝いた。
打率3割3分9厘、6本塁打、19打点と好成績を残しているが、「最後に残った数字しか意味がないからね」と話す。自身がMVPに輝き、優勝に導いた交流戦後、小山と食事に出かけた。そのときに後輩右腕から「毎試合びびってしまうんです」と打ち明けられた。
「シーズン中は、結果とか数字を気にしたらダメ。そうするとプレーが小さくなってしまう」とアドバイスした時、ふと思い出した。かつてラミレスが同じ言葉を自分にかけてくれていたのだ。「これまで散々失敗してきましたからね」。自身最高の成績を残した09年の数字にとらわれていた自分から、完全に決別していた。
今季初めて2番で起用した原監督は、「攻撃的な2番打者ということで使った。本当にいい状態で最後決めてくれた。もう1人亀井がいないかなって思ってる。へっへっへ」と独特の表現で最大級の賛辞を与えた。これでDeNA戦の連敗を3で止め、7月の勝敗を10勝10敗の五分に戻した。
「こういう状態はいつまでも続けられるわけじゃない。また明日から切り替えていきます」。控えめのヒーローと共に再び息を吹き返した。(井上 信太郎)