米軍幹部が、朴槿恵(パク・クネ)大統領率いる韓国を暗に恫喝した。日韓関係の悪化が日米韓の安全保障協力の障害になっていると懸念を表明し、「自らの領空や国を守る能力が低下している」などと語ったのだが、どう聞いても韓国へのメッセージなのだ。「反日」で暴走し、中国にすり寄る同盟国に、米国のイラ立ちは限界に達しつつあるようだ。
注目の発言は、米太平洋軍のサミュエル・ロックリア司令官が29日、国防総省での記者会見で披露した。
まず、ロックリア氏は「日韓の政治問題が軍事面での着実な連携を進めるうえで大きな影響を与えている」と語った。これは日韓間で、秘密情報保護協定がたなざらしとなっていることなどに懸念を示したといえる。
そのうえで、北朝鮮に対処するためのミサイル防衛(MD)での協力を取り上げ、「政治問題のせいで情報共有が制限され、自らの領空や国を守る能力が低下している」と指摘。「日韓は安保面で利害を共有していることを認識すべきだ」と述べ、対立克服に取り組むよう促した。
ロックリア氏は表向き、日韓双方に苦言を呈しているが、秘密情報保護協定は2012年、当時の李明博(イ・ミョンバク)政権が署名式当日にキャンセルしたもの。米国が提唱する日米韓によるMDの共同運用にも、韓国は中国に気兼ねして一貫して後ろ向きなのだ。