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本サイトは〈dagboek〉から【本】の情報を抽出した備忘メモです.(三中信宏)

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28-07-2014 「学者どもに翻訳をやらせるなっ」

[]「学者どもに翻訳をやらせるなっ

The cape of an island の三連記事:

早い話,いまの研究者や大学のセンセに翻訳なんかしているヒマないって.対外的(業績評価とか)には「利得」はほとんどないようなもんだし.やるとなったら,手練のプロの翻訳者と共訳するのがベストのやり方だと思う.ただし,ある本を翻訳して出版社からいただく印税分配は研究者でもプロの翻訳者でも同一なので,印税収入を考えると,確実に増刷がかかるような翻訳を出さないといけない.それはそれでプレッシャー.たとえば,1000部しか刷らない高い学術書の翻訳じゃ,そもそも出してくれる出版社がないだろう.ワタクシだって学術書の翻訳はほとんど手がけたことはありません(エリオット・ソーバーは例外).

専門学術書は,またいで通れないかぎられた研究者が原語で読めばいいわけで,あえて翻訳の必要はないだろう.一般向けの本でしかも自分の専門分野に重なるものだと初めて食指が動く.ただ,多くの研究者は翻訳技術が乏しいのでひとりでやろうとすると大迷惑のリスクが高まる.一般書でも専門書でも,翻訳の動機は “自分のためにやっている” 場合がほとんどなので,印税のこととか考えていない.となると,なんでもかんでもコラボ翻訳すりゃいいってわけではないことは確かで,「利害が一致するかぎり」という条件が必要になる.たとえ,「印税生活」ということばが夢物語であるとしても.

そもそも翻訳なんか不要だという見解もたしかにあるかと思う.でもねー,じゃあオマエ,英語はもちろんフランス語やドイツ語やイタリア語の本をごろ寝して読めるんですかと詰問したら…….(質のいい)翻訳書があれば読者にとってきっと利得になるのは確かだろう.

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