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28-07-2014 「学者どもに翻訳をやらせるなっ」
■[読]「学者どもに翻訳をやらせるなっ」
The cape of an island の三連記事:
- 「岩波あとがき引用」(2010年8月11日)※岩波文庫(白帯)から翻訳刊行遅延の「おわびの言葉」ピックアップ.10年,20年,30年と遅れまくるのか……(_φ(・・).
- 「翻訳者「25年前に頼まれた翻訳オワタ\(^o^)/」出版社「え」」(2010年8月23日)※この記事は,以前読んだ.
- 「雄山「学者どもに翻訳をやらせるなっ!!」中川「ははっ」」(2010年8月26日)※さらに続く逸話の数々.
早い話,いまの研究者や大学のセンセに翻訳なんかしているヒマないって.対外的(業績評価とか)には「利得」はほとんどないようなもんだし.やるとなったら,手練のプロの翻訳者と共訳するのがベストのやり方だと思う.ただし,ある本を翻訳して出版社からいただく印税分配は研究者でもプロの翻訳者でも同一なので,印税収入を考えると,確実に増刷がかかるような翻訳を出さないといけない.それはそれでプレッシャー.たとえば,1000部しか刷らない高い学術書の翻訳じゃ,そもそも出してくれる出版社がないだろう.ワタクシだって学術書の翻訳はほとんど手がけたことはありません(エリオット・ソーバーは例外).
専門学術書は,またいで通れないかぎられた研究者が原語で読めばいいわけで,あえて翻訳の必要はないだろう.一般向けの本でしかも自分の専門分野に重なるものだと初めて食指が動く.ただ,多くの研究者は翻訳技術が乏しいのでひとりでやろうとすると大迷惑のリスクが高まる.一般書でも専門書でも,翻訳の動機は “自分のためにやっている” 場合がほとんどなので,印税のこととか考えていない.となると,なんでもかんでもコラボ翻訳すりゃいいってわけではないことは確かで,「利害が一致するかぎり」という条件が必要になる.たとえ,「印税生活」ということばが夢物語であるとしても.
そもそも翻訳なんか不要だという見解もたしかにあるかと思う.でもねー,じゃあオマエ,英語はもちろんフランス語やドイツ語やイタリア語の本をごろ寝して読めるんですかと詰問したら…….(質のいい)翻訳書があれば読者にとってきっと利得になるのは確かだろう.
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