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【社会】

新橋スーツデモ 「再稼働おかしい」

スーツ姿のサラリーマンらが参加し、行われた戦争反対・原発反対のスーツデモ=30日夜、東京・新橋で

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 スーツ姿の男女が脱原発などを訴える「スーツデモ」が三十日、東京都港区のJR新橋駅周辺で展開された。この日は栃木県で、東京電力福島第一原発事故で生じた指定廃棄物の最終処分場候補地選定をめぐり、住民が猛反発した。廃棄物の処理見通しが立たない中、原発の再稼働を進めようとする政府の姿勢に抗議する声が出た。

 仕事帰りに駆けつけた新宿区の会社員羽田(はだ)克夫さん(46)は「指定廃棄物の処分も、福島原発事故の収束も見通しが立たないのに、原発を再稼働させるのはおかしい」と強い口調で話した。集団的自衛権の行使を容認する閣議決定や原発推進の政府方針について「安倍首相は有権者の声を聞いていない」と指摘した。

 三鷹市の団体職員西尾勝彦さん(43)は、一昨年にいったん指定廃棄物の処分場候補地に選ばれた栃木県矢板市で反対運動が起きたことから、「今回も塩谷町で反対が起きるだろうが、政府は地元の意見を聞かないのではないか」と懸念を示した。

 スーツデモは昨年十月に続き二回目。三鷹市の整体師土肥二朗さんらが今年十月に企画していたが、九州電力川内(せんだい)原発の再稼働がほぼ決定的となり、特定秘密保護法の成立、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定などもあったため、前倒しした。

 夏に合わせて、ノーネクタイの「クールビズ」での参加を呼びかけ、男女約百二十人が参加。「安倍首相 どうぞお引き取りください」などと書かれたプラカードを掲げ「家族のために原発いらない」と声を上げながら、ビジネスマンが行き交う新橋の繁華街を練り歩いた。東京電力本店前では「東京電力 原発やめよう」と声を張り上げた。

 台東区の食品卸売会社役員の本間俊弘さん(47)は、普段は作業着で働くという。「商談の時くらいしかスーツは着ないが、デモで着てみると新鮮な気分だ」と笑顔で話した。 (大平樹)

 

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