富裕層の海外資産2.5兆円7月31日 17時08分
日本人の富裕層が海外に持つ資産は少なくとも2兆5000億円に上ることが、国税庁のまとめで初めて明らかになりました。
これは海外に5000万円を超える資産を持つ人が、毎年の確定申告の締め切りまでに資産の内容を申告することを義務づけた「国外財産調書制度」がことしから始まったのを受けて、国税庁がまとめたものです。
それによりますと、去年末の時点で5539人が、海外に合わせて2兆5142億円、1人当たりにすると4億5000万円を超える資産を持っていることが分かったということです。
財産の種類別では、株などの有価証券が1兆5603億円と全体のおよそ62%を占め、次いで預貯金の3770億円で15%、建物が1852億円の7%、土地が821億円で3%などとなっています。
このほか、骨董品や貴金属といった「その他」の資産が2396億円に上りました。
国税庁によりますと、こうした日本人の富裕層が海外に持つ資産の全体像が明らかになったのは初めてだということです。
ただ、制度が始まったばかりのため、国税庁は申告していない人もかなりの数に上るとみて、申告するよう呼びかけるとともに調査を進めることにしています。
制度導入の背景は
国外財産調書制度が導入された背景には、海外に預金や不動産といった資産を持つ日本人が増える一方、実態の把握が難しくなっていることに、国税当局が強い危機感を抱いたことにあります。
富裕層の中には、スイスやカリブ海のケイマン諸島といった税負担の少ない、いわゆるタックスヘイブンに資産を隠すケースもあり、追徴課税も相次いでいます。
国税庁のまとめによりますと、去年6月までの1年間の相続税の調査のうち、海外の財産の申告漏れは、5年前に比べ1.4倍増えて113件、額にして26億円に上っています。
国税当局は今月、富裕層を対象に税務調査を行うプロジェクトチームを新たにつくり、海外の資産に対する監視を強めていくことにしています。
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