東日本大震災:復興予算35%未執行 2.6兆円使われず

毎日新聞 2014年07月31日 13時04分(最終更新 07月31日 14時27分)

 復興庁は31日、2013年度の東日本大震災復興予算7兆5089億円のうち、執行率が64.7%にとどまり、2兆6523億円が年度内に使われなかったと発表した。資材価格の高騰や人手不足が原因で、12年度比0.1ポイント減。政府は「復興の加速化」を重点課題に位置づけているが、復興事業の遅れは改善できていない。

 事業別では、災害復旧の公共事業執行率は44.8%(12年度35.8%)で、予算額1兆467億円のうち、未使用は5782億円に上った。安倍内閣の経済政策「アベノミクス」や20年東京五輪の開催決定で資材価格が高騰し、入札不調や人手を確保できず工期が遅れるケースが相次いでいる。

 予算額9305億円の復興交付金事業の執行率は48.4%で、12年度(82.4%)を大幅に下回った。被災自治体では高台移転などをめぐり、地元住民の合意形成が遅れるケースが目立つ。9960億円の除染事業も50.1%と、12年度(32.1%)と同様に低調で、汚染土の仮置き場の確保が遅れているのが響いた。

 13年度中に使われなかった2兆6523億円のうち、14年度以降に執行を延期する「繰越額」は約1兆9600億円。執行の見通しが立たない「不用額」も約6900億円に上り、15年度以降に改めて予算化される。

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