栗田優美
2014年7月31日03時00分
有識者らでつくる奈良公園地区整備検討委員会が30日開かれ、県が検討している若草山のモノレール構想について、ユネスコの諮問機関「イコモス」の国内組織メンバーも交えて議論した。委員からは「構造物はだめだ」「バスがよいのでは」との意見が続出。県はモノレール構想をいったん棚上げすることになった。
県が、各方面から寄せられたアイデアを紹介。トンネルやリフトの設置、牛車、馬車、人力車、バスでの移動、気球でのフライトなどがあったとし、①モノレール②管理用通路を生かしたバス運行③気球の3案を改めて提案した。
委員からはモノレールへの支持もあった一方、「(世界遺産の緩衝地帯への建設に)イコモスの懸念があり、大きな構造物はできない」「バスが現実的だが、環境への影響など課題もある」との意見が大勢を占めた。「これほどの大事を決めるのに、県は場当たり的」「単に入山者を増やすのが目的か。目指す『にぎわい』が見えにくい」などの指摘も相次いだ。
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