娘よ、保険の本を13冊読んでわかったことを書いておくぞ
あなたが生まれていろいろ変化がありました。自分の保険を見なおしたのもそのひとつです。お父さんは図書館で本を読みまくって勉強したのですが、せっかく得た知識なのでわかったことや考えたことをまとめてみます。
これまでの保険はボッタクリ
まずは、お父さんの入っている保険の内容を確認しました。それは特約がたくさんついて契約がわかりにくいものでした。自分でわからないものにお金を払うのは変ですよね。しかし、当時は「社会人になったのだから」「これからに備えて」という聞こえのいい言葉にのせられていました。
また、お父さんの保険は、お父さんのお母さん(あなたのおばあちゃん)の友人からおすすめされて入った保険でした。そのまま引き継ぐのではなく、どこかのタイミングで今の自分にこの保険が必要なのかを考えるべきでした。
さらに、現在の値段が高いのか安いのかがわかっていませんでした。今だとネットで気軽に試算でき、比べてみると割高感がありました。
そして、自分の保険を払い続けると、トータルでいくらになるかを調べてみました。結果は、47歳ぐらいで保険料がはね上がるため、トータルで1,100万円にもなります。お父さんにはこんな高い買い物をした感覚がありませんでした。反省です。
トータルで金額を考えるのはとても重要です。たとえば、前にケーブルテレビの勧誘が来たときに、「代金は1日120円!ジュース代ぐらい!」とおすすめされました。しかし、1年365日で計算すると43,800円になり、これだけのお金があれば大阪のおばあちゃんの家に行ける金額じゃないですか!
自分にとってどちらに価値があるのか? 広い視点で納得できる判断ができるようになろうね。
保険ショップはあてにならない
最近、保険ショップのCMが増えてきました。これまでの保険がわかりにくく、効果も不明確だったため、「高い保険」を買わされた人がたくさんいるからこそ生まれたサービスです。参考までにお父さんも保険ショップには何回か行ってみましたが、たいていはこういう流れでした。
- 保険の種類をわかりやすく説明
- 今の保険を確認してボロクソに言う
- でも安心してください。みたいな感じで収入保障保険をすすめられる
CMでも「たくさんの保険の中から選べて、公平に説明できる」と言ってたりしますが、そんなのうそだと思います。
まず、すべての保険から選んでいるわけではありません。提携している保険会社の商品からしか選べないのです。たとえば、死亡保険だと禁煙者の場合、チューリッヒが安かったのですが(調べた当時のデータ)、取扱商品に入っていないため、おすすめも比較もしてくれません(保険ショップだとライフネット生命扱っていませんね)。
次に、公平性も怪しい。結局、紹介ビジネスなので、紹介料が高いものが「おすすめ商品」になるそうです。二俣川のドン・キホーテ内にある保険ショップに行ったときは、スタッフのおすすめをゴリ押しされて、質問すると「だからー」みたいな言い方をされました。人の話をきちんと聞くことができる大人になろうね。
保険選びのセオリー
こういう経験をしたため、お父さんは自分で保険の勉強をするようになったのです。図書館で保険の本を借りたり、ネットで調べたりしました。たくさんの本や記事を読みましたが、度々登場する意見や判断材料があります。こういう共通する意見はとても参考になります。
- いざというときに用意できない大金に備えるのが保険の基本
- 保険は高額な商品だと理解する。トータルでいくら掛かるのかを考えること
- あれもこれもと心配しすぎない。すべてを網羅する保険なんて存在しないので心配に優先順位をつけること
- 保険は「死亡 + 医療」で分けて考える。シンプルな商品を選ぶ
- 死亡保険は残った人のための保険なので、独身だったり、家族が自立していたりする場合は必要ない
- 結婚して共働きが続くなら貯金のチャンス。お互い若いなら保険はそれほど必要がないはず。代わりに貯蓄しておくとよい
- 保険は金融商品。「責任ある新社会人になったから保険に入ろう」といった掛け声にだまされないこと
- 若いうちは保険にお金を払うよりも、旅行に行ったり、英会話を習ったり、運動をしたり・・・これからの人生の糧になる経験に投資したほうが、人生が豊かになる
- 子どもができたらこれからの支出を考えるタイミング。保険を考える時期
- 家を購入したら団体信用生命保険に入らされるだろうから、万が一の時に家のローンの心配はいらなくなる。よって家のローン抜きで必要なお金を計算しなおすこと
- 今の医療保険は入院一時金と入院日数払いが多く、たくさん入院しないと元が取れない(誤解を恐れずに言うとROIが悪い)
- 一括一時金のみのがん保険で200〜300万ぐらいの保証金なのでそれぐらいの貯金があれば医療保険は必要ない
- 今だと高額医療費制度があるので、医療費の支払いが100万超えても10万ぐらいになる。よって貯金があれば医療保険はいらない場合が多い。ただ、公的保証は将来どうなるかわからないから、まめに制度をチェックすること
- 市区町村によっては、子どもの医療費助成がある。東京だと中学生まで無料。横浜にもあるが収入制限あり
- 保険を貯蓄は分けて考える。低金利の時代だと保険の貯蓄性は低く、早期解約で元本割れするので動かしにくいお金。学資保険や個人年金に入るときは注意
- 周りに助けてもらえる家族や親戚がいるなら、助けてもらうのもあり
自分に必要な保険ってなんだろう?
保険を選ぶときの主なポイントは以下と考えました。
- なんのための保険なのか? 目的は何か?
- いつ頃に、どれぐらいのお金が必要か?
- 一番安いのはどれか?
お父さんの保険の目的は
- 子どもが大学まで行けるように教育費重視
です。経験上、教育はとても重要で、教養は一生使えます。お父さんは不良だったので大学に行ってないけど、残念ながら学歴で評価される時代はまだ続くと思っています。だから、あなたが大学という可能性や選択肢を「選べる」ように、教育面を目的としました。
次に期間と必要な金額を考えます。
- 子が22歳で大学を卒業するぐらいまで必要
- 大学までの公立1000万、私立1500万ぐらいなので高い方で見積もっておく。いい大学いかなくてもいいけど、好きなことを勉強できるといいね
- 月25万の生活費でざっくり計算(家賃10万、生活費月15万)
必要保障額を計算してみる
最後に、お父さんに万が一のことがあった場合、生涯予定している収入と支出の差額を計算します。この足りないお金(必要保障額)を保険で補うのが、基本的な保険の考え方です。
ここで注意するのは、保険ショップだと85歳ぐらいまでの生活を保証しようとするため、必要保障額が高額になる傾向があります。しかし、お父さんは万が一のときに、その後の人生すべてを保険で保証するのはやり過ぎだと考えました(まるで死んだほうがお得みたいだし)。だから、必要な期間に絞って計算するとよいです。
いろいろ調べてみるとDIY生命のシミュレーションが一番優秀でした。なかでも生活費の計算がよくできていて、子どもの生活費は大人より安いので、子供が学生と想定できる22歳までだと70%の生活費で計算、子どもが独立する時期になったら50%の生活費で計算しているみたいです。すばらしい!
シミュレーションでは細かく計算できるので、自分にあったパラメタを入れて計算するといいと思います。注意したいのは、仮に僕が死んだ場合、遺族年金がかなりの部分を支えてくれます。
参考:遺族年金による収入については、子供の人数や収入や厚生年金加入年数によって変わるようなので詳細は日本年金機構のページを参考にしてください。子どもひとりだと子どもが18歳になるまで101万+遺族厚生年金50〜60万が年ごとに支払われるようです。
たとえば、お母さんが働かなくてもいいように生活費をちょっと高めに計算した場合、4,000万ぐらいの赤字になるようでした。この足りないと想定される4,000万円にぴったりあう保険選ぶわけです。
自分にあった保険選び
さてさて、ようやく保険を選べる情報が集まりました。これを元に自分がほしい保険を考えてみます。
まず、死亡保険は収入保障保険がよさそうです。年をとるごとに必要保障額は減っていくので、保障がちょっとずつ減っていく収入保障保険がマッチします。仮に4,000万必要であれば、受け取り合計額が4,000万になるように月々の収入保障を調整します。
期間は子どもが独立するぐらいまでとしているので、60歳ぐらいまでの保障でよいはずです。収入保障保険4,000万、60歳満期で総支払額100万〜120万ぐらいです。今の保険を続けた場合と比べると、これだけで10分の1の額に抑えることができます。
医療保険については、今はまだ革新的な保険が出てないので入らないほうがよいと考えました。今は高額医療費制度もあるので、その分を貯金したり、人生を充実させるための旅行費用に使おうと思います。
あなたの保険は必要ないので入りません。大人になったらこのブログでも読んで考えてみてください。ただ、あなたがが人のものを壊した場合(高級車に傷をつけたとか)を考えて、損害保険には入りました。お母さんが「Coop共済 たすけあい1000円」に入っていたので、追加で170円ですみました。この損害保険は家族にも適用できるすぐれものです。
さいごに
保険は万が一に備えるものでしかないのを忘れずに。そして、お父さんに万が一のことがあったら、申し訳ないけどお母さんを守ってあげてください。
参考書籍
お父さんが読んだ本です。後田さんの本がわかりやすいのでオススメです。
僕について
Dai Fujihara
藤原大はアジャイル実践者だ。そしてマネージャ、プロジェクトリーダー、チェンジ・エージェントでもある。彼はアジャイル開発を活用した創造的なソフトウェア開発の支援や『リーン開発の現場』の翻訳にも関わっている。趣味は世界のビーチ&島巡りらしい。
翻訳しました
最近の人気
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