マイクロソフトが、Windows / Android向けハード開発用ボードコンピュータ Sharks Cove の予約受付開始を発表しました。

インテルがマイクロソフトとの協力で開発した Sharks Cove は、Atom Z3735G ベースでWindows 8.1が動くPCとしての性能を備えた開発ボード。マイクロソフトは無償のWindows 8.1イメージや開発ツールを提供します。

GPIO / I2C / I2S / MIPI / SDIO / UART など豊富な開発向けインターフェースにアクセスでき、個人でもひとつからネット購入できることで、タブレットやスマートフォンなどSoCプラットフォーム用のハードウェアとドライバ開発を手軽にすることを狙った製品です。


Sharks Cove の主なハードウェア仕様は、64bit対応のインテル Atom Z3735G (4コア4スレッド 1.33GHz - 1.83GHz、2MBキャッシュ)、統合の Intel HD Graphics、1GB DDR3L-RS-1333メモリ、16GB eMMCストレージ、拡張用マイクロSDスロット。

インターフェース類はフルサイズHDMI や USB 2.0タイプA、3.5mmヘッドホンジャックに加えて、GPIO、I2C、I2S、MIPI、SDIO,、UART、マイクロUSBタイプ A/Bなど。WiFiやイーサネットは必要に応じてUSBで拡張を想定。インテルUEFI BIOSのファームも提供します。フォームファクタは6 x 4インチ。


マイクロソフトいわく、伝統的なPC向けのハードウェアやドライバ開発には確立されたやり方があり、USB / PCI スロットを備えた一般的なPCを開発環境として使えるのに対して、タブレットやスマートフォンなどSoCプラットフォームをターゲットにする場合はまず開発環境を揃えるところから始める必要がありハードルが高い問題があります。

Sharks Cove は安価で入手が容易な開発ボードと開発・試験ツールを提供することで、小規模なハードウェア企業や個人のホビー用途を含む、SoC向けハードウェアおよびドライバ開発を振興することが目的の製品です。


誰でもひとつからネットで買えて IO豊富な開発ボードという点はRaspberry Pi や Arduino などと同じともいえますが、あちらがさまざまなハードウェアに組み込んで使える安価な汎用部品でもあるのに対して、Sharks Cove はあくまでSoCプラットフォームの Windows や Android向けにハードウェアやドライバを開発するための環境という位置づけ。

豊富な開発用I/Fを備えることに加えて、マイクロソフトは開発者向けに無償の Windows 8.1イメージとSharks Cove用ドライバ、USBインストール用のユーティリティ、無償の Visual Studio Express 2013 for Windows Desktop を含む各種の開発ツールやテスト用ツールなどさまざまなリソースを提供します。


インテルが設計し CircuitCo がライセンス生産する Sharks Cove ボードの価格は299ドル。香港 MOUSER Electronics では、3万4032円で一枚から予約を受け付けています。



こちらは今年4月の Build カンファレンスでの講演とデモ Simplifying Hardware Development for Windows Platforms 。マイクロソフトとしては、Sharks Cove は IoT (「物のインターネット」) と呼ばれる新カテゴリの小型機器にも Windows を拡大してゆく戦略の一部にあたります。
マイクロソフトとインテル、ハード開発用ボードSharks Coveを発売。AtomでWindows / Android対応

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