「携帯キャリアビジネスの新潮流」

「音声定額、データ従量」は長年の思い

1月の新料金発表が業界の方向性を決めた――ソフトバンク(前編)

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2014年7月31日(木)

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加熱したキャッシュバック競争は収束させるべき

MNPというと、昨年度末の2014年3月末までのキャッシュバック競争は激しかったですね。

須賀:NTTドコモがiPhoneを販売するようになって、料金も端末も条件が同じようになってきました。差異化してMNPで取り込むためには、キャッシュバックなどの手段もやむを得ずといったところでした。

 しかし、加熱したキャッシュバック競争は、ソフトバンクモバイルとしても沈静化が必要だと感じていましたので、収束させる方向を目指しました。ソフトバンクモバイルでは、3月中旬にいったん、キャッシュバックを引き締める策を講じました。行き過ぎを正し、適正な価格での取引になるように、自らお手本を示そうとしたのです。

 キャッシュバック競争は3月末で終わり、4月には多額のキャッシュバックは見られなくなりました。加入者を増やすには効果のある施策でしょうが、行き過ぎているとはどのキャリアも感じていたのだと思います。

◇   ◇   ◇

 ソフトバンクモバイルが、料金の新しいステージへの変革の思いを込めて新しい料金プランを発表したのが1月24日。それを受けてドコモが新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を発表したのは4月10日。この3カ月の間にもソフトバンクモバイルは、「音声定額、データ従量」への流れを信じて、追随するキャリアの新料金の発表を待っていたようだ。

 須賀統括部長は、「新しい市場を作る提案をソフトバンクモバイルが行い、NTTドコモやKDDIが追随した」と繰り返し語った。ソフトバンクモバイルにとって計算外だったのは、提案の真意がエンドユーザーにまで上手く届かなかったことだろう。

 NTTドコモはソフトバンクモバイルの提案に対して、音声の完全定額とデータシェアという返す一手を打ってきた。今度は、ソフトバンクモバイルがどのように対応して、新料金プランの「スマ放題」を作り上げたのか。こうした料金プランの差異化は、今後のキャリアの競争軸になりうるのか。後編で詳しく話を聞いていく。

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