「携帯キャリアビジネスの新潮流」

「音声定額、データ従量」は長年の思い

1月の新料金発表が業界の方向性を決めた――ソフトバンク(前編)

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2014年7月31日(木)

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ところが、その直後にドコモから新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」が発表されましたね。

須賀:1月に最初の発表をしてから、少し時間がかかりましたね。どちらかと言うと、ソフトバンクモバイルが仕掛けた新しい料金プランへの反応が「ようやく来たか」という印象でした。

 プランの体系というのは、さまざまなパターンがあり、ソフトバンクモバイルでもいろいろと模索してきました。934円や980円の基本料金を残すのか、音声と基本料金を一緒にするのかといったところから検討してきました。

 例えば基本料も音声もデータ通信も全部まとめて7000円のパックを作ったら、料金水準は変わらなくてもユーザーは高く感じます。3000円の基本料金というのもそれまでの934円や980円に比べて割高に見えるのです。ソフトバンクモバイルは1月に、基本料金を別にして音声とデータ通信のパックを提案しました。追いかけてきたドコモは、基本料金に音声定額を含めたプランを作ってきました。

ドコモも方向性は同じだが、予想より“踏み込んだ”

発表されたドコモの新料金プランを、どのように受け止めましたか。

須賀:ドコモの新料金プランを見て、いくつか感想がありました。1つはソフトバンクモバイルが思っていた方向に市場が動いていくという達成感です。料金体系の各論は違いますが、「音声定額、データ従量」という方向性は、私たちが提案したものと同じだったからです。

 もう1つは、VoLTEのサービスはまだ始まっていないのに、「手放しで国内通話かけ放題のプランを提供した」点です。“驚き”とまではいきませんが、「けっこう踏み込んだな」という印象を持ちました。データ通信の最低プランの「データSパック」が2GBまでで3500円というのも、かなり安く提案してきたと感じました。それまでのNTTドコモのプランでは3GBまでで4700円でしたし、平均のデータ量は3GBにも達していないでしょう。そうなると、何の工夫もしないと減収になってしまいます。経営的に打撃を受けるのではと感じたのも事実です。

 NTTドコモは、今回の新料金プランで、自分たちのユーザーを囲い込もうと考えたのだと思います。MNPなどで出て行かれてしまうよりは、少し安く提供しても留まってもらう戦略です。長期利用者への優遇をアピールしているのも、その戦略の一環でしょう。


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