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はっけんの水曜日

モンブランの山頂でモンブランを食べてる場合じゃなかった

ヨーロッパアルプスの最高峰です。標高4,810mあります。
ヨーロッパアルプスの最高峰です。標高4,810mあります。
日本の最高峰は富士山で、標高3776mだ。ヨーロッパアルプスの最高峰はモンブランで、標高4810mある。富士山より1000mちょい高い。

一方で、モンブランという栗のケーキがあるだろう。もちろん由来は山のモンブランである。

モンブランに登る事になったので、どうせなら山頂でモンブランを食べてみようと思い立ち、ザックに忍ばせ山頂にアタックした。
松本圭司 松本圭司(まつもとけいじ)
あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。 1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。
> 個人サイト keiziwebDIY GPS速攻乗換案内


こういう写真が撮れました

テレビじゃないのでもったいつけず結果の写真を載せちゃう。ここが標高4,810m、モンブランの山頂である。
ここがモンブランの山頂。右手に持ってるのがケーキのモンブラン。3.6ユーロ(およそ500円)でした。
ここがモンブランの山頂。右手に持ってるのがケーキのモンブラン。3.6ユーロ(およそ500円)でした。
今まで登った最高峰はもちろん富士山で、それより1000mも高い。気圧も当然低いので空気が薄く、ちょっと歩くだけで息切れするし頭も痛い。

気温は標高0mの地点より28℃低い計算だ。山頂は風が強く、体感温度は-15℃くらいだったと思われる。とにかく寒かった。

ここに至るまでの顛末を説明します。

練習で槍ヶ岳と富士山

実際にモンブランに登る事になったのは半年以上前、2013年の終わりである。去年モンブランに登った山仲間に「今年もヨーロッパに行くから一緒にどう?」と誘われた。

半分憧れ、半分夢みたいな話だったのだが、いつの間にか具体化して気がついたらジュネーヴまでの往復航空券(往復で10万円弱)をネットで買っていた。もう後戻りは出来ない。買ったその瞬間からほぼ満額のキャンセル料が掛かるのだ(もちろん自腹だ)。

春には高度順応と体力作りのために残雪の槍ヶ岳に登ったりもした。
上高地から槍沢を経て山頂へ。槍沢ロッジと槍ヶ岳山荘に泊まった2泊3日のコース。雪はまだまだ残っていた。
上高地から槍沢を経て山頂へ。槍沢ロッジと槍ヶ岳山荘に泊まった2泊3日のコース。雪はまだまだ残っていた。
実は槍ヶ岳に登ったのはこれが初めてである。
実は槍ヶ岳に登ったのはこれが初めてである。
標高4,810mを目指すとなると、富士山も練習の場である。5合目から4時間で山頂まで登り、しばらくとどまって高度順応をする。

早めのペースで富士山に登ると、高山病で酩酊出来る。なんだかフラフラして気持ちよかった。脱法登山なのでおすすめはしない。
まだ鳥居が雪に埋まっていた。初めて雪がある富士山に登った。
まだ鳥居が雪に埋まっていた。初めて雪がある富士山に登った。
この日は天気が崩れて雪が舞っていた。富士山には何度か登っているが、剣が峰まで登ったのは初めて。
この日は天気が崩れて雪が舞っていた。富士山には何度か登っているが、剣が峰まで登ったのは初めて。
他にもアイゼンのトレーニングをしたり、クライミング、ロープワークなんかも練習した。

※アイゼン…登山靴に着ける金属製のスパイク。するどく尖った爪が10本から12本付いていて、雪や氷に刺すことで滑るのを防ぐ。

ついでに言えば、テントを担いで鳳凰三山(南アルプスの山)に登ったりもした。一応これもトレーニングである。
南アルプスは行程がなかなか長いので疲れます。砂浜みたいですが標高は2700mくらい。
南アルプスは行程がなかなか長いので疲れます。砂浜みたいですが標高は2700mくらい。

実は10年ぶりの海外なのだ

トレーニングをしつつ、パスポートを取ったり準備をした。海外に行くのなんて10年ぶりである。パスポートの期限はとっくに切れていた。

時は流れて2014年7月11日。

成田発、トルコのイスタンブールで乗換えてスイスのジュネーヴへ。機内食が3回、よく判らない時間に出てきて、なにがなんだか判らなくなった。7/11の23時に成田を出て、日本時間で12日の17:30(現地は10:30)に着いた。19時間くらい掛かった計算になる。まー、遠い。
これは2回目の食事。朝ごはんって事になるのか。自分がなにごはんを食べてるのかよく判らなくなった。
これは2回目の食事。朝ごはんって事になるのか。自分がなにごはんを食べてるのかよく判らなくなった。

え、あそこに登るの?

ジュネーヴに飛行機が近づく頃、下界は雲に覆われていた。航路的にはモンブランの近くを通るのだが、山頂は雲に覆われて見えなそうだなぁと思っていた。

が、雲の上に山が見えたのだ。え、なにあれ、と思ったらモンブランだった。
このピークだけピョコンと雲の上に出ていた。
このピークだけピョコンと雲の上に出ていた。
え、アレですか?と去年登ったMさんに聞くとそうだという。は?あんなに高いんですか?と。飛行機の高さじゃないですか、と。ちょう雪積もってるじゃないですか!と。

なんでも、僕らが来る前の1週間はずっと天気が悪く、山の上はずっと雪が降っていたそうだ。7月なのに。

モンブランの名前の通り、真っ白な山である(モン=山、ブラン=白)。山頂に積もった雪の厚さは40mだそうだ。マジか。
予定通りなら3日後に山頂に立つとか、実感がなさ過ぎた。
予定通りなら3日後に山頂に立つとか、実感がなさ過ぎた。

ようやくシャモニーに到着

ジュネーヴから貸切タクシーで1時間半ほど。着いたのはフランスのシャモニー・モンブランという街である。途中で国境を越えていたらしい。

名前の通り、モンブランに登る人は大体シャモニーに滞在する。着いたそこは、紛れもないヨーロッパのリゾート地だった。
ステレオタイプなヨーロッパ風建築。
ステレオタイプなヨーロッパ風建築。
着いた日は雨が降ったりして不安定な天気だった。が、濡れた地面に明かりが反射して却って美しかったりもした。

『ご馳走とは普段食べてない物である理論』からすると、僕にとって海外で見る物は全てが美しく、物珍しいご馳走だ。映画の世界に入ったみたいだった。
見る物全てが新鮮。
見る物全てが新鮮。
ディズニーシーみたいだなぁ、とか思ってた。
ディズニーシーみたいだなぁ、とか思ってた。
ちょうどリードクライミングのワールドカップ第2戦が開かれてたので観戦。男子の金メダルは安間佐千選手。
ちょうどリードクライミングのワールドカップ第2戦が開かれてたので観戦。男子の金メダルは安間佐千選手。
シャモニー1日目のお仕事は、食材の買い出し、山岳保険の加入、マルチパスの購入など。マルチパスというのを買うとシャモニー近郊の鉄道、バス、ロープウェイが乗り放題になる。6日間で118ユーロ(16500円くらい)もするが、ロープウェイに2回も乗れば元が取れてしまう(つまりロープウェイが超高い)のでマルチパスは必須である。
駅の窓口でマルチパスを買います。
駅の窓口でマルチパスを買います。
こういうカード。絵が可愛い。裏には日付とか謎のコードとか書かれてます。ICチップが入っていてSuicaの様に使えます。
こういうカード。絵が可愛い。裏には日付とか謎のコードとか書かれてます。ICチップが入っていてSuicaの様に使えます。
次のページではモンブランを探しながら食材を買います。
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