写真はその時代の人々や景色をくっきりと写し出します。
写真によって当時を感じ取ることができ、その背景に心をゆさぶられることも少なくありません。そんな歴史の重みを感じさせる21枚の写真をご紹介します。
1.「女性のマラソン初参加」1967年
この当時、女性にマラソンの参加資格はありませんでした。
キャスリン・スウィッツァー選手(当時20歳)は、イニシャルのみを使って“R.V. Switzer”としてボストンマラソンにエントリーし、初めてゼッケンを付けてマラソンに参加した女性となったのです。
走っている途中、競技主催者のジョック・センプル氏に無理やり引きずり出されそうになりました。「私のマラソンから消えろ、そしてゼッケンを返せ」と叫んだと言われています。
ところがその時に一緒に走っていたスウィッツァー選手のボーイフレンドが、センプル氏を突き飛ばしたのです。それがこの写真で、当時のメディアのヘッドラインを飾りました。
その5年後の1972年に、女性もボストン・マラソンに参加できるようになり、センプル氏はそれを強く支持・支援したそうです。後にセンプル氏とスウィッツァー選手は和解しています。
2.「兵士とその家族」1863〜1865年
南北戦争のときの、アフリカ系アメリカ人の唯一の家族写真だと言われています。
3.「初めての電気」1920年
ロシアの農民の家庭に、初めて電気がやってきたときの写真。
4.「蹄付きの革靴」1922年
この当時のアメリカは禁酒法によりアルコール類が一切禁止されていました。密輸・密造する者たちはこんな風に靴に蹄(ひづめ)をつけ、足あとをごまかしていたのです。
5.「長い徒歩」日時未詳
この写真は、イギリスの陸軍の爆発処理班が、容疑者の爆発物に近づいていくところだそうです。
6.「家」日時未詳
集中キャンプで育ち、障害者用の家に暮らすテレスカさんが家を描いたところ。
7.「アメリカ先住民」1868年ごろ
アメリカ先住民が、新しく完成した大陸横断の線路を見下ろしているところ。
8.「Microsoft」1978年12月7日
初期のマイクロソフトのスタッフ写真。
9.「自由」1945年4月
ユダヤ人難民が自由になったことを知り、連合国の兵士に近づいていくところ。
10.「新聞」1940年5月18日
ニューヨークの男性が「ナチス軍、パリまであと75マイル」という見出しの新聞を読んでいるところ。
11.「サムライ」1860〜1900年頃
和弓をかまえる3人の日本人たち。
12.「ロサンゼルス」1926年
禁酒法時代のアメリカ。ビンが割れてアルコールのにおいがしたことから、材木トラックの中をFBIが調べているところ。
13.「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア」1960年
息子を横にしたマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが、燃えた十字架を前庭から取り除いているところ。
14.「日系人強制収容所」1945年5月10日
アイダホ州の日系人強制収容所から、シアトルの家に日本人家族が戻ったところ。
15.「ウィンザー城」1910年5月20日
9人の国王が一堂に会した様子を1枚の写真に。
16.「ルイ・アームストロング」
ピラミッドとスフィンクスの前で、20世紀を代表するジャズミュージシャンであるルイ・アームストロング氏が妻にトランペットを演奏しているところ。
ルイ・アームストロング - Wikipedia
17.「ファシスト」1914年
ベニート・ムッソリーニの築いた国家ファシスト党の本部。
18.「ケネディ」1930年代中ごろ
10代だったケネディ3兄弟 ジョン、ボビー、テディ。
19.「ニューヨークの地下鉄」1904年
初の地下鉄が開通し、役員たちが初乗りした記念。
20.「ビール」1844年
ビール(エジンバラ・エール)を飲んでいる、最初の写真と言われています。
21.「プリンストン大学」1893年
1〜2年生による雪合戦あとの、3人の学生。
100年、200年と時代を経ると、日常の写真でさえも歴史の貴重な一瞬として価値を感じます。
みんなが大量に写真を撮るようになった現代は、未来の人にどう受け止められるのでしょうね。
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