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このブログは証明できない。

2014-07-30

[]【やってみた】シングルファーザーやってみた。

NHKの「あさイチ」という番組でシングルファーザーを特集していたらしい。仕事なので観ていない。というか、うちにテレビがなかった。サイトを見てみると軽く内容が載ってる。そのうちNHKオンデマンドでも観れるようになるんじゃないだろうか。

知って欲しい!シングルファーザー 【番組冒頭】使用期限切れ鶏肉|NHK あさイチ


シングルファーザーの実態があまり知られていない。そのこと自体が問題でもあるようだ。となると、自分のような余力のあるシングルファーザーが情報発信したほうがいいのかなという気がしてくる。でも自分の場合、恵まれすぎてて参考にならないんじゃないかとも思うのだけれど。


とりあえず、自分のスペックを。35歳。この春から宮崎在住。ITエンジニア。結婚11年目で離婚。シングルファーザーとして、小3、小1、年長の3人の子どもを育てている。シングル歴10ヶ月。自分の意志でシングルファーザーになったのでこんな悠長に書いてるけど、死別とかだったらそうとうしんどいと思う。と先に書いておく。





仕事とか収入とか


自分の所属している会社を誉めたくないというひねくれ者なので、とりあえず社名は出さない。宮崎に1,000人の雇用をつくると言っている某ITベンチャーで働いている。社名出てないよね。ここの働く環境の柔軟さがすごい。自分は夕方には保育園のお迎えと夕飯の準備があるので定時前にオフィスを出てる。仕事の足りない分は自宅で夜にやったり、休日にやったり。そういう働き方が許されている。明示されてるわけじゃないけど。他にも、短時間だけど正規雇用のママさんがいたり、結婚して県外に引っ越したけれどリモートで仕事を続けている女性エンジニアもいる。様々な働き方を許容しようとしているようだ。だてに雇用1,000人って言ってない。


子どもの行事のために特別休暇が用意されていたり、子どもが病気の時に遅刻や早退をしやすかったりもする。基本的に転勤はなく、出張は家庭を優先してもらえる。そんな感じなので、働く環境としては恵まれていると言わざるを得ない。ひねくれ者なので社名は出さないけど。普通の?企業だとこんなに柔軟には働けなかったかもしれない。実際、あさイチのサイトを見ると、転職を余儀なくされるケースも多いようだ。


この時点で特殊な環境なので、これ以上いろいろ書いても意味がない気もしてきた。ただ、地方ITベンチャーの肩書きなし社員なので、収入は低い。これは書いておかないとフェアじゃない。と言っても、貧困というわけではない。東京などと比べると家賃なんかが圧倒的に安い。物価はそれほど安くないと思うけれど、収入が低くても何とかやりくりできている。今のところは。子どもの教育費に多くをかけられないのと、貯金がいまいちできないところが不安ではある。けれどもそれは自己責任だと思っている。仕事で結果を出していないし、与えられたチャンスも潰してしまった。逆に言うと、ベンチャーなんだし、自分の力でどれだけでも上に行くチャンスはあると思う。




行政父子家庭への支援とか


国や自治体から様々な支援が受けられる。以前は、母子家庭のみが支援されていて、父子家庭には支援がない状態だったようだが、それも今では改善されているとようだ。少なくとも春まで住んでいた福岡や、今住んでいる宮崎では母子家庭父子家庭で支援の差は見つからなかった。また、福岡と宮崎でもそれほど大きな差はないように思う。まあ、名称が「母子」になってたりするけど、細かいことは気にしないタチなので。ここで行政の主な支援を並べてみる。




ひとり親家庭に限らず受けられる

児童手当

とくに説明はいらないかな。子どもひとりにつき月額1万円か1万5千円が支給される。


修学援助

経済的につらい家庭は市の教育委員会から援助を受けられる。住んでる地域によって差があるかも。福岡市宮崎市では、給食費が全額免除、学用品や修学旅行の費用の一部が支給される。収入が多いと受けられないんだけど、ひとり親家庭児童扶養手当を受けていると対象になる。


学童保育

小学校の敷地内に保育施設があって、下校時間の後から夕方まで子どもをあずかってもらえる。福岡市だと高学年まであずかってもらえるんだけど、宮崎市だと3年生までしかあずかってもらえず、しかも待機児童が多すぎて長女は土曜日だけしかダメだった。




母子家庭父子家庭ともに受けられる

児童扶養手当

全額支給だと1人目約4万円、2人目プラス5千円、3人目プラス3千円という感じで手当が支給される。所得額に応じて、手当額は減る。ちなみにうちは一部支給なんだけど、支給日が来月なのでいくらになるかまだわからない。


ひとり親家庭医療費助成制度

家族全員の医療費を援助してもらえる。福岡市だと1医療機関での窓口負担が月に800円になる。宮崎市では、医療機関をまたがってトータル月1,000円の自己負担になり、窓口でいったん3割負担で支払って後で差額が振り込まれる。子どもだけでなく親の医療費も負担が減るので非常に助かる。


その他

その他、自分はすでに仕事をしてるので調べてない援助として、就職のための支援が受けられたりするらしい。また、宮崎市だと子育て応援カードというのがあって、いろんなお店でサービスが受けられるんだけど、これはまったく使ってない。各自治体によってその他いろいろあると思う。子どもが3人以上いる家庭に車を貸し出してる自治体もあった気がする。




金銭的な支援しか書いてない。実は行政の相談業務にはまったく期待していない。何度か相談に行ったことがあるけれど、部署間、施設館をたらい回しにされるだけだった。「専門家がいるので気軽に相談してください!」って言ってるけど、実際に相談してみると、専門家いないよね。民間だと保育も含めていろいろあるんだけど、費用的につらい。




育児とかストレスとか


育児育児育児。してない。ネグレクトとかそういうのじゃなくて、教育方針と言えば教育方針、方針などないと言えば方針などない。自分はよく変人扱いされるのだけど、みんな勘違いをしていて、いたって普通の人間だ。普通すぎて生きるのがつらい。だからこそ、子どもたちにはクリエイティブでクレイジーな人間に育ってほしい。もちろん、それによる弊害があることは覚悟している。


子どもはみんなクリエイティブだと言うけれど、本当にそうだと思う。そのまま放っておけばクリエイティブな人間に育つのだろう。それを、あれはダメこれはダメとか、あれしなさいこれしなさいとか、こうでなければならないとか、どんどんクリエイティブさを削り取ってしまう。それが普通の親だと思う。子どもにはまっとうに育って欲しいもの。でも、まっとうでなくてもいいからクリエイティブに育てたいのなら、クリエイティブさを阻害するようなことをしないというのが親の役目だと考えている。もともとクリエイティブなのだから。だから、うちでは基本的に「ダメ」と言わない。


この育て方には親にとって良い副作用がある。子どもがやってダメなことが少ないので、いちいち腹を立てずにすむ。子どもを叱る、叱ると言うより怒る、と親はすごいストレスがたまる。いったん「ダメ」だと口に出すと、ダメの対象となる行為だけでなく、ダメだと言ったのに言うことを聞かないことにたいしてストレスがたまる。そうして、どんどんエスカレートしていく。ひとり親に限らず、このストレスが様々な問題を引き起こす。それに、子どもの言動を逐一監視していたら、時間だって足りなくなる。それがまたストレスになる。


自由にやらせておけばいいのだと思う。食べ物で遊んでいたとしても、星のたくさんついたレストランのシェフも食べ物で遊んでいるようなものなので、それはクリエイティブな体験なのだ。壁や床に落書きしたとしても、どうせキレイに使ってもなぜか敷金は吹っ飛ぶので、超若手アーティストの活動を邪魔しないことの方が重要だ。子どもたちが自分たちの絵本に落書きしている現場を見て何もいわなかったら、「なんで怒らないの!?」と逆に子どもに驚かれた。落書きしちゃいけない、みたいな大人の固定観念に縛られて欲しくないだけなんだけど。もちろん、図書館などで借りた本はダメだけど。


ただし、アパートの上の階で飛び跳ねるとか、まわりの人に不快な思いをさせる行為は叱っている。「人に迷惑をかけるな」というのは大人の嘘なので、言わない。誰も得しない迷惑に関してだけ注意する。食べ物を手でつかむのはOK。いろんな国や文化があるし。でも、口を開けてクチャクチャと噛むのはNGとか。家で叱らないでよそでやったらどうするんだと言われそうだけれど、子どもはそのへんをちゃんとわきまえてる。


放置している代わりに、食事や洗濯などの家事はある程度やっている。離婚する前は食事は専業主婦の母親の担当だったため、料理のスキルはほとんどない。それでもできるだけ栄養のバランスのとれた、とれたように見える、手作りの食事を出すようにしている。洗濯していない服を着まわすこともないし、きれいに、きれいかどうかはともかく畳んで片付ける。服の山から今日着る服を引っ張り出すこともないようにしている。


このへんはシングルファーザーのプライドみたいなものかもしれない。仕事も家事もちゃんとしたい的な。でも、子どもの相手をして、たまった家事を片づけると、かなり消耗する。仕事が手につかない夜もある。余計なプライドは持たない方が賢明なのだろう。それから、家事に関してはお金で解決できることも多々あるので、これについては収入が多い方が有利な気がする。




人間関係とか


この春、福岡から宮崎に移住した。基本的に転勤はないと書いたけれど、これは異例中の異例。人生の選択肢はノリと直感で選んできた。だって、将来なんて誰にもわからないのだから。ノリと直感で選んで後悔したことはない。選ばなかった道をうだうだ考えるよりも、選んだ道をよりよくしていこうとする性格らしい。会社以外に縁もゆかりもない宮崎への移住も、迷った末、最後はノリと直感で決めた。


宮崎には親戚も何もいない。実家のある熊本は遠くなった。何かあったときに、子どもをあずかってくれる人はいない。児童保育に入れなかった小3の長女は、学校が終わると家で留守番をしている。まだ長くはひとりにしておけない。それから、子どもが体調をくずしたときは、自分が看ておくしかない。パソコンとネットさえあれば自宅でも仕事ができるので、このへんは職種によるところが大きいだろう。ITエンジニアでよかったと思う。


自分が所属している会社は、新たに採用する際に「らしさ」を求める。会社の空気に合っているかどうか、これはその人の雰囲気でなんとなくわかる気がする。まっとうな採用ルートを通ってこなかった自分は社内では浮いて、、、いや、馴染んでるはず。馴染んでるはず。まあ、そんな感じなので、ワンフロアにメンバーが100人いるんだけど、嫌な人がひとりもいない。100人いて嫌な人がひとりもいないって、すごいことだと思う。人間関係に困ることはい。もうこうなったら意地でも社名は出さない。


人間関係に困らないどころか、いつも心配してくれる人、子連れでバーベキューやキャンプに誘ってくれる人、仕事よりも子ども優先で考えてくれる人、まわりには良い人が多すぎる。あさイチで言ってるような孤立を感じることはまったくない。もちろん、シングルファーザーの悩みを共有することはできないのだけど、別にそんなことは求めていない。悩みが少ないから、と言えばそうなんだけど。あ。でも、Facebookに飲み会の写真があがってると、ちょっと羨ましく感じることもある。


土曜日は長女も児童保育であずかってもらえるので、週に1日は子育てから解放される。会社が休みなので、あずけずに子どもと接する時間を増やすという考えもあるかもしれないが、子どもがいない1日というのは貴重だ。たまった家事を片づけないといけないし、何よりたまったストレスも解消しなければならない。土曜日だけは、やりたいことをやる日にしている。自分は宮崎にITコミュニティをつくろうと、イベントや勉強会を開催している。

2014年5月の活動記録。宮崎はじまったな。 - このブログは証明できない。

2014年6月の活動記録。宮崎あわただしいな。 - このブログは証明できない。


家庭と会社とは別のコミュニティに所属するというのは重要な気がする。趣味でもスポーツでも何でも。ただ、休みが少ない人もいれば、子どもをあずかってもらえない人もいるだろうから、自分はすごく贅沢をしているのだと思う。シングルファーザーどうしが偶然出会うことは少なそうだから、お互いの事情を情報交換する機会はほぼないだろう。家庭の数だけ事情があるのだと想像するしかない。


人間関係で一番悩むのは、子どもとの関係だ。子どもと接する時間が圧倒的に短い。定時前に帰ってはいるが、夕飯の準備をしたり片づけたり、子どもの宿題の相手をしたり。みながそろって一息つけるのは夕飯の時間だけだ。この時間に学校や保育園でのできごとを聞いたりしてみている。最近は父親と話すよりも子どもたちどうしで話すほうが楽しいらしく、食事中ひとりだけ置いてかれることも多い。そんな時は、兄弟姉妹が多いといいな、一人っ子だと大変だろうなと考えたりもする。ただよく勘違いされるのだけど、小3のお姉ちゃんは下の子たちの面倒をみてくれたりはしない。一緒になって騒ぎまわっている。


子どもと接する時間が短いため、勉強を見てやる時間も短い。宮崎は宿題が多い。そして親が採点をしなければならない。採点をするのが子どもが寝た後になるので、間違いがあってもやり直しをさせられない。やり直しをしないと、学力は伸びない。長女は成績がよくない。学校の成績は悪くても他の長所があればいいかとも思うけれど、まだちょっとした工夫で学力が伸びるだろうと考えると、どうにかしたいと思う。それに、勉強以外に何かを伸ばそうと取り組んでいるわけではないし。




健康とかメンタル面とか


子どもたちはいたって健康。春に宮崎に移住してきてまだ小児科にかかっていない。小さい子を持つパパはまだまだ大変だと思うけれど、小学生ともなるとかなり丈夫になる。子どもの病気がダイレクトに仕事のパフォーマンスに影響するシングルファーザーにとって、これは非常に助かる。


自分自身も、体調悪そうキャラではあるけれど、実際には体調不良で休みをとることはまったくない。ただ、常に疲れている感じがする時期があるので、運動でもして解消したいと考えている。なかなか時間がとりにくいところではあるけれど。


メンタル面では持病のようなものがあって、毎月精神病院に通って安定剤眠剤をもらっている。かといってメンタルが危ういかというと、そうでもない。無病息災よりも一病息災。病気を持っている人のほうが体に気をつけるから、かえって大きな病気をしないという。それと同じで、自分のメンタル面にはいつも気を配っているから、そろそろ危ないなと感じたら、何か手を抜くなど調整をする。そのおかげで、軽い鬱状態になることがあっても、大きく状態を悪くすることはない。


すべてを自己責任だと考えているのも重要だと思う。そのことで自分を責めることはしょっちゅうあるけれど、まわりの環境にしてしまうよりも、自分次第だと考えるほうが精神衛生上いいんじゃないだろうか。自分次第。自分で決められる。ただ、子どもはコントロールできないと考えたほうがいい。PDCAサイクルなんて通用しない。昨日うまくいった方法が、今日には通用しない。コントロールすべき対象ではないと意識しておくことが、ストレスを生まないコツである気がする。




父親の育児とか


ここだけシングルファーザー関係なく、夫婦で子育てしてる家庭の話し。母親が育児主体で父親はそれを手伝うというありがちな構図をなんとかしたほうがいいと思う。世の中にはイクメンと呼ばれる、もしくは自称する、パパたちがいる。けれどもイクメンがどんなに積極的に育児してると言っても、実際にはぜんぜん足りていないんだろうなあと、ひとりで子育てするようになって感じるようになった。自分は適当にやってるからともかく、普通に育児や家事をやっているママたちにはそうとう負担がかかっているはずだ。


それでも夫がイクメンであることを幸せに感じているママの家庭はそれでいいと思う。問題は自分は積極的に育児を「手伝って」きたと主張しながら、育児に関する問題を上から目線で語ってしまう評論家たちだ。よっぽどよくできた奥さんなんだろうなあと思ってしまう。評論家でなくても、積極的に育児を「手伝って」いるのに妻から評価されないと腹を立てている父親たちも問題だ。いちど役割を交替してみるとか、育児を完全に平等に分担するとかやってみるといいと思う。3日くらい奥さんが不在で「シングルファーザーだー」とかつぶやいてる父親を見かけると、何とも言えない気分になる。自分もまだ10ヶ月なのでアレだけど。




最後に


適当に書いてたら長くなった。どう見ても自分は恵まれてるなあと思う。大変な思いをしているシングルファーザーもたくさんいると思うので、存分に甘やかしてあげて欲しい。甘えきれないパパが多いんじゃないかという気がする。鬱期のときなんかがあるので、いちおうは大変さを理解しているつもりでいる。まあでも、自分は適当にやってるので、適当にあしらっておいていいです。


ひねくれ者なので所属している会社名を伏せてたけど、もしかしたら宮崎に移住して幸せになれるパパやママ、シングルに限らず、がいるかもしれないのでリンクを載せておく。興味があったら直接連絡するか、敷居が高ければいったん自分に連絡ください。

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その他、参考になるかどうかわからないけれど、聞いてみたいこととかあれば気軽に質問してください。質問でなくて相談とかでも。相談を受けても自分なんかが役に立つのかわからないけれど。

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ただの自慢話になってる気もするけど、この記事が多少なりとも誰かの役に立つといいなあ。あと、スシが食べたい。

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