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消費者利益増進もビジネスニーズもない“システム改革”という名の業績・・・

 今日の毎日新聞ネット記事によると、政府は2017年のガス小売全面自由化に続き、19〜21年にガス大手3社に対しガス導管事業を別会社化する「法的分離」を義務づける方向とのこと。

≪記事要旨≫
・政府は17年にガス小売を全面自由化し、ガス事業者が営業区域で独占していた家庭向け販売を解禁。
・自由競争によるガス料金抑制が期待できるほか、消費者はガス料金や「電力とガスのセット割引」などのサービスを比較してガス会社を自由に選択できるようになる。
・東京、大阪、東邦の大手3社について、ガス導管を敷設・管理する事業を、ガス製造や小売事業と分離、別会社化することを義務づけ。
・ガス導管は地域独占を継続。新規参入事業者は託送料を支払って消費者にガスを供給。利用料は認可制として国がチェック。
・電力システム改革では、18〜20年をめどに電力会社の送配電事業を別会社化する「発送電分離」を行い、送配電網を発電
・小売事業者が公平に利用できるようにする方針。

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  こうしたリーク記事はいつもは日本経済新聞が一面トップを飾るものだが、今回は毎日新聞。日経新聞からは午後になって後追い記事が配信された。それはさておき、電力・ガス事業制度に係る今次一連の“システム改革”と称される制度変更は、役所の事情に拠るものだ。役所のやりたいことが書かかれている記事だ。

 だから、 消費者利益やビジネスニーズに呼応するものではない。先のブログ記事に書いた“LNG基地開放”についての政策論にも通じることだが、今回の“システム改革”とやらで、どこの消費者が得をし、どんな企業のニーズを満たすというのか。
 マスコミにリークして大きな記事になったとしても、すぐに忘れられてしまう。消費者にとって現実味があり、企業にとって大きな利益をもたらす制度変更であれば真の『システム改革』になるだろうが、今回の電力・ガスの“システム改革”はそうではない。

 その点で言えば、良し悪しは別として、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)は、消費者にとって現実味があり、かつ、大きな利益を得る企業が相当いるので、制度変更による効果は大きい。今後当面の日本のエネルギー資源事情を俯瞰すると、エネルギー政策として今必要なことは、電力・ガス会社の分社化ではなく、電力・ガス会社の合従連衡を誘導することである。 

 真の『電力・ガスシステム改革』とは、(1)少子高齢社会を生き抜くための電気・ガスの低廉安定供給体制の永続、(2)そのための原子力・再生エネの共存による国産・準国産エネルギー振興と、(3)石炭・LNGに偏重しないエネルギー構成の継続の三本柱であるはずだ。

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