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タイトルと表紙の機能 書籍のSEO対策とパチンコ化

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よく本を送っていただく。先日、送って頂いた本のタイトルは『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(本田 哲也・田端 信太郎  ディスカヴァー・トゥエンティワン)だった。まだ読んでない。この本をどうこう言うわけではないが、ちょっと別の観点で。最近、書籍のタイトルって長くなっていないか?そして、ますます表紙が重要になっていないか?

本のタイトルというのは難しいものだ。書き手からすると、最後にタイトルをつける本は、たいてい売れない。原稿を書き上げる前に決まっている本は、売れる。軸がブレないからだ。タイトルというのは、その本を端的に説明しているものでなければならない。

ただ、読んでもらえないと意味がないこともまた事実である。ということは「買って」ということに近い。そそるもの、内容が伝わるものでなければならない。

この本のタイトルはわかりやすいし、刺激的だ。内容がちゃんと伝わる。表紙もわかりやすい。売れっ子の顔が迫力あるかたちで出ている。ただ、そのことを極度に意識しないといけない時代だとも言えるのだろう。タイトル自体がSEO対策のようなかたちになっているなと思ったりする。逆に言うと、それだけ長くてわかりやすいタイトルということは、本来は読まれるためのはずなのだけど、それを放棄してでも伝わるということを意識しているなと思ったり。

それにしても、書籍というのは、だんだん無理ゲーに近くなってきているなと思っている。書籍の企画が、以前よりも通りづらくなっているなと感じる。そして、大御所著者×大手出版社のメガヒットと、そうではないものにますます分かれているような。部数に関しても、以前より1回の増刷で刷る数が減っている、という。だから、◯万部のヒットと言ったところで、5年前、10年前と現在では価値が変わっていると感じる。10年くらい前は新書ブームで増刷も弾んでいたような。最近は、基本、部数は控えめだ。ただ、芸能人、スポーツ選手の本は気前よく刷るので、比較できないように思う。ここで諦めてもいけないのだけど。

メディアで名前が最近、名前が売れている人も、意外にネームバリューの割に、3万部をこえるヒットを飛ばした人は少ない。先日も「私たち、ベストセラー、ないよね、お互い」と著者同士の打合せで話題になった。

よく内田裕也氏は「ヒット曲のないロックシンガー」と言われるが、出版界は意外にそういう人、多いかもしれない。

最近、古市憲寿さんの『だから日本はずれている』(新潮新書)が10万部を超えたのは、だからすごいことなのだ。ただ、この本は、彼の今までの売れ方とルールを変えたことでブレークしたのだと思う。中高年向けに、新書で届ける、と。

書籍を手にとってもらうのは、パチンコに近いと思っている。年に1度、猛烈にパチンコしたくなることがある。だから、年に1度だけ、1回、2000円~3000円だけ使うという、実にライトなパチンコファンなのだけど。

業界関係者やファンには申し訳ないが、これも無理ゲーに近い。まず、素人には、あの穴にいれるのが難しく、さらにスロットを回転させ、揃えないといけないのだから。ここにもコツはあるのだろうけど。そして、この玉の流れと、揃う、揃わないの様子が書店における、人の動きに似ているなと思ったり。

書籍を手にとってもらうのは、こんなに難しいのか、と。

ネットなどがいわゆる「マッチング」を促進すると信じていた。しかし、未だに私たちは、「届く」「出会う」という行為において、これだけ苦労していること、この事実を直視したい。

どうやったら、「届く」「出会う」のか、私たちはまだ模索中だ。それがますます難しくなっているような。

この表紙、タイトルはとても良いと思う。逆にそこに「無理ゲー化」を感じてしまったのだった。

『日本の思想』
『エビと日本人』
など、1980年代くらいまでの岩波新書などは、本当に王道のタイトルがいい感じだった。こういうシンプルかつ、惹きつけるタイトルで、勝負したい。

あなたが、気になるタイトル、表紙は、どんな感じ?

PS 7月29日(火) 深夜放送のTBSラジオ「Session-22」では、ややテンション高すぎで、リスナーの皆さん、他の出演者の皆さん、番組スタッフに多大なるご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。公共の電波なのにも関わらず、不謹慎でした。気をつけます。今後ともよろしくお願いします。

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