2014年05月10日

民間委託で人材が集められない(集まらない)ケース : 丸善の行政処分を例に

最近の図書館は、直接雇用を行わず、民間業者に委託や派遣という雇用形態で人材を確保する手法が一般的になりました。
PFI指定管理者制度などが背景にありますし、コスト削減でルーティンワークは、外注してしまう経営判断もあります。

多くは、カウンターなどの閲覧業務、受入や目録作成などの整理業務といった、部分的に委託するケースが殆どです。中には業務を全面委託する図書館もあります。しかし、問題が起こることもあります。例えば、入札案件の落札後、委託する側(図書館側)が要求するレベルの人材を受注企業(落札した企業)が確保できないケースの場合、図書館運営ができないという困難な事態になります。昨年、そうした事態が起きてしまいました。

-----------------------------
▼日本経済新聞Web版 2013年4月25日 原文のまま
丸善が4カ月の取引停止 国立美術館の閲覧室運営辞退で
図書館の運営支援を手掛ける書店大手の丸善(本社・東京)が東京・六本木の国立新美術館から受注した資料閲覧室の運営業務を開始直前に辞退し、同館を運営する独立行政法人国立美術館から書籍購入などの取引を4カ月間停止されていたことが25日、分かった。
美術館側によると、契約は3年間。公募に応じた5社から丸善が約6470万円で落札したが、3月29日に「業務開始の4月1日までにスタッフの準備ができず、対応が困難」との理由で辞退の申し出があったという。
丸善経営管理部は「ぎりぎりまで協議したが、美術館が求める図書館システムなどの習熟レベルとの隔たりを埋められなかった」としている。国立新美術館は閲覧室を1日から21日まで休室したが、前年度の委託業者に一時的に運営を委託し、22日から再開。今月初旬に新設予定だった別館の閲覧室は開室できずにいる。現在、新たに業者を公募している。丸善は大学や公立の図書館などの運営支援を約150件手掛けている。
------------------------------

これは、お粗末としか言いようがありません。丸善は行政処分を受けた以上、今後、国立大学・機関等の業務を受託するのは困難でしょうね。人材が確保できないなら、受託するべきではありません。この丸善のケース限らず、図書館業務を受託する企業の多くは、運営ノウハウ、社員教育・研修、確実な人材確保の開拓などが乏しいのが実情です。とりあえず、最低限の業務が回れば良いというのが、企業側の本音なのかもしれません。そういう感覚で運営しているとしたら問題です。委託するのは、コスパや管理の面から利点があるのかもしれませんが、こうした難しい面も潜んでいるのです。丸善のように、行政処分を受けているような企業は、ブラック企業とは言いすぎかもしれませんが、ある種グレーな印象を受けます。

スポンサードリンク



【民間委託の最新記事】
posted by パピルス at 17:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 民間委託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/396719478

この記事へのトラックバック