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日本人の低栄養化に警鐘を鳴らす柴田博さん 「時の人」   共同通信社 2014年7月29日(火) 配信

 「日本人の摂取カロリーは戦後間もない時期より少ない」。ダイエット志向、メタボ健診導入によるカロリー制限。進む低栄養状態に警鐘を鳴らす。長年の研究成果「なにをどれだけ食べたらよいか。」(ゴルフダイジェスト社)を出版した。
 中高年以上の食事では食べ過ぎによる過剰栄養に注意が向けられがちだが、「健康常識を一度疑ってみては」と呼び掛ける。
 2011年の日本人の摂取カロリーは1日1840キロカロリーで、1995年より1割減り、終戦直後の50年より下回る。特に若い女性や子どもの減り方が深刻だという。「タンパク質や脂肪、必要なカロリーを取っていないと、病気にかかりやすく、死亡率が上がる」
 医師として東京都養育院付属病院(現・東京都健康長寿医療センター病院)に勤務していた72年に、100歳以上の食事内容を調査。すると「皆、肉などの動物性食品を食べ、野菜ばかり食べている人はいなかった」
 老年医学の立場から「高齢者こそ肉を食べよう」と声を上げた。しかし、高齢者はあっさりした食事をという時代。ここ数年、やっと耳を傾けてくれる人が増えてきた。
 日本が長寿国になったのは、和食と動物性タンパク質をバランスよく食べたからと主張する。
 心配なのは40代、50代の男性がメタボ健診などの影響でカロリーを急に減らしていることだ。やせすぎはやや太っているより死亡率が高いともいう。人間総合科学大教授で教壇にも立つ。札幌市出身の77歳。



褒められる小児は友達が多い 褒められるほど積極性や自主性が高く、自信につながる   2014年7月29日 化学工業日報

 日頃よく褒められている子供は友達が多い-。ライオンの子育てとお手伝いに関する調査で小学生母子のこんな意識が浮かび上がった。子供が褒められている頻度と「友達が多い」「授業でよく手を上げる」などのポジティブな自己評価には高い相関がみられることがわかった。「学校が楽しい」「学級委員をしたことがある」割合も高いことから、子供は褒められるほど積極性や自主性が高くなり、自信につながる傾向が示された。
 調査はインターネットを通じて6月に実施。小学生の子供を持つ母親669人とその子供448人から回答を得た。
 母親に理想の子育てについて聞いたところ、56・8%が「子供を褒めて育てたい」と回答。だが、日常的に子供を褒めている母親は44・1%にとどまり、叱っている母親は65・4%に達した。子供をもっと褒めたくても実際には叱ってしまう母親のジレンマが伺える。
 母親が子供を褒めるタイミングは「お手伝いをした時」が78・2%で首位。子供がお手伝いをしてよかったと思うことは「褒めてもらえる」が54・5%で最も多く、「お小遣いやご褒美をもらえる」(31・5%)を上回った。
 日頃お手伝いをしている子供の母親にお手伝いを習慣化させる秘訣を尋ねると、「簡単なことに取り組ませる」(71・4%)、「感謝の気持ちを伝える」(68・4%)、「子供の役目として割り当てる」(52・4%)が上位を占めた。

特集人気のカラーコンタクトレンズ あなたの瞳は大丈夫?   毎日新聞社 2014年7月25日(金) 配信

通販などで購入…目に異常 眼科の診察、定期検査は重要

 ◇レンズの手入れも
 瞳の色や大きさを変えられると若い女性を中心に人気のカラーコンタクトレンズ。国民生活センターは5月、「通常の透明なレンズより異常を起こしやすい」との実験結果をまとめた。酸素が透過しにくい点など特有の原因もあるが、近年はインターネットの通信販売で購入する人が目立ち、眼科医の診察を長期間受けないことで目に障害が出やすくなるという。県内でも障害の報告がある。専門家に原因と対処法を聞いた。【原田悠自】
 国民生活センターの調査では、国の承認を得て販売されている17製品の着色状況などを調べたところ、11製品がレンズの表面を着色していたほか、9製品が「着色はレンズ内部」と事実と違う表示をし、4製品が角膜側に着色していたという。また、市販のカラーコンタクト16製品を10人が8時間装着し、目への影響を実験したところ15製品で角膜がむくむなどの異常が生じ治療や使用中止が必要だった。水分が少なく酸素を通しにくいレンズと、角膜側に着色したレンズでは異常が発生する割合が高かった。
 カラーコンタクトを巡っては、2009年、度が入っていないものについても「高度管理医療機器」に指定され、国内で販売する場合は規制の対象となった。だが、同センターの調査ではレンズの大きさなどが国の基準に適合していないものが6製品あったという。
 レンズによる目の障害に詳しい県眼科医会副会長の辻優(すぐる)医師によると、カラーコンタクトは、レンズとレンズの間に色素を挟んでいるため、色素を完全に挟みきれていない場合には、角膜などに障害が出やすい構造になっているものもあるという。
 日本コンタクトレンズ学会(大阪府)が、一昨年7月~9月に実施したアンケート調査によると、カラーコンタクトによる目の障害は、全国で395件、県内でも4件確認された。ほぼ全員が女性患者で、15~29歳が約86%を占めた。購入先は、インターネットの通信販売が約52%、雑貨店・大型ディスカウント店が約28%に及んだ。購入時に眼科を受診したかについては、8割以上が受診していなかった。定期的な検査も79%が「年に一度も受けていない」と回答した。辻医師は「度の入っていないレンズを買う若い女性も多い。買う時に『親に知られたくない』などという理由から、眼科医を受けないで済む通販などでの購入が増えているのでは」と分析する。
 小さい傷で初めは痛みを感じなくても、放置しておくと、目が充血する▽視界が曇る▽まぶしさを感じる――などの症状が出始め、最悪の場合、失明につながる可能性もあるという。辻医師は「自覚症状がなくても、数カ月置きに定期検査を受ける必要がある」と訴える。
 また、日々のレンズの手入れも重要だ。辻医師は、2週間や1カ月での使い捨てレンズを使う人には、洗浄液でのこすり洗いを勧めている。最近では、菌を落とすつけ置きタイプの消毒液なども販売されているが、「レンズを自分の目で見て、こすり洗いで物理的に汚れを落としていけば、目に問題が起きることは少ない。面倒でも実践してほしい」と呼び掛けている。
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 ◆カラーコンタクトレンズ問題のまとめ
 <実態>
・目に障害が出る人の8割以上が眼科を受診せず
・目に障害が出る人の半数以上が通販で購入

 <障害が起きる原因>
・レンズから色素が漏れたり、はみ出す
・レンズ自体が厚く、酸素を通しにくい
・1カ月など長期間使うことでレンズが汚れる

 <対策>
・なるべく長時間使用しない
・定期的に眼科医を受診する
・レンズのこすり洗いを徹底する

妊婦の旅行「安定期」でも注意   読売新聞 2014年7月25日(金) 配信

沖縄の病院 10年まとめ…救急受診300人中、4割
 沖縄本島を旅行中に体調が急変し、現地で救急受診した妊婦が過去10年間に少なくとも約300人おり、11人はそのまま出産していたことが、沖縄県立中部病院(同県うるま市)のまとめでわかった。
 早産の赤ちゃんが半年近く入院したケースもあった。近年、妊娠中の旅行を「マタ旅」(マタニティー=「妊婦の」の英語)と名付けて旅行を勧めるプランが増えているが、一定のリスクがあることが浮き彫りになった。
 同病院は、沖縄県内に2か所ある総合周産期母子医療センターの一つ。調査によると、2004~13年の10年間、観光や妊婦自身の結婚式などで県外から旅行中の妊婦288人を救急患者として受け入れた。このうち約4割は、いわゆる妊娠「安定期」だった。
 受診の結果、74人が入院し、そのまま同病院で11人が出産。3人は妊娠5~6か月の妊婦で死産、残り8人中7人が早産だった。病院に向かうタクシー車内での出産もあった。早産の赤ちゃん全員がNICU(新生児集中治療室)で治療を受け、入院期間は23~151日間だった。
 同病院産科の中沢毅医師は「旅先の出産は経済的・精神的な負担が大きいことや、妊娠中のどの時期でも予期せぬ急変が起こりうることを知ってほしい」と話している。



子どもの夏かぜ   中国新聞社 安心・安全メモ 平成26年7月25日

 保育園や幼稚園でヘルパンギーナが流行しています。一般に「夏風邪」と呼ばれる、ウイルス性熱性疾患の代表例です。
 原因となるウイルスは数多く、中でもエンテロウイルスと呼ばれる一群が多くを占めます。その亜型に、ポリオウイルス群、コクサッキーウイルス群、エコーウイルス群があります。これらにより、手足口病や急性出血性結膜炎、ウイルス性発疹症、急性胃腸炎、ポリオなどが引き起こされることもあります。
 咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎、胃腸炎などの原因となるアデノウイルスも有名です。(広島県医師会・吉田良順)

秘訣は「ええ加減」…定年後、男の料理で生き生き   読売新聞 2014年7月24日(木) 配信

 定年後に生きがいをなくし、精神的に不安定になる男性は多い。そんな男性に、料理を始めることで元気になってもらおうというのが本書のねらいだ。
 肉じゃがやクラムチャウダー、中華丼など、和洋中の30種類以上のレシピを掲載するが、どれも極めてシンプル。後片づけを最小限にするため、使うのは調理と食器を兼ねる土鍋だけだ。調味料も原則1品につき1種類で、具材も食べやすい大きさに切ればOK。20分程度で出来上がるものが多いが、食べてみると驚くほどうまい。
 著者は医師で大学教授。男性更年期の治療で知られ、生活習慣病や精神疾患に悩む中高年男性を多く診てきた。その経験から、「定年後、毎日やることがあるかないかで生活の充実度は違ってくる」と実感。そこで、患者たちに「料理でもしてみたら」と勧めたところ、それをきっかけに元気を取り戻す人が多く、自身も料理の探究を始めた。
 「男の料理」の秘訣(ひけつ)はあくまで「ええ加減に」だという。「失敗しても、食べるのは自分。気軽に、少しずつ覚えればいい」。地元大阪で開く男の料理教室には、毎回応募者が殺到する。参加者には、野菜を洗剤で洗うような初心者もいるが、得意でなくても毎日続けるのが大切だ。
 「料理を楽しみながら『男の自立』を目指してほしい。そうすれば、奥さんも楽になる」と、夫婦円満への効果も強調する。



「肝臓の働き助ける」OK 全食品で効能表示認める   共同通信社 2014年7月22日(火) 配信

 食品の新たな機能表示制度を議論している消費者庁の検討会は18日、野菜やサプリメントを含む全ての食品に、内臓や関節など体の部位への効能を表示できるとした報告書案を了承した。「目の健康をサポートします」「肝臓の働きを助けます」といった表現が可能になる見通しだ。
 消費者庁が今後、具体的な基準を定め、来春導入する。食品が「何に効くか」の情報を消費者に分かりやすく提供するのが狙いだが、消費者団体などからは曖昧な根拠で効能をうたう健康食品が増えるとの懸念の声も上がっている。
 現在、効能を表示できる食品は、消費者庁が許可した特定保健用食品(トクホ)と、ビタミンとミネラルの機能に限った栄養機能食品だけ。トクホはさまざまな審査を受けるため費用と時間がかかり、小規模な事業者は活用しにくいと指摘されてきた。
 報告書案によると、新制度の対象は原則全ての食品だが、過剰摂取が悪影響をもたらすアルコール類などは除く。健康維持と増進の効能表示に限り、病気の治療に有効とする表現は認めない。
 国の許可は必要ないが、包装に「国による評価を受けていない」との記載が必要で、事業者は販売前に実験データや論文などの科学的根拠を消費者庁に届ける。健康被害が発生した場合に備え、お客さま相談室などの連絡先の表示と、行政機関への速やかな報告を義務付ける。
 安倍政権の成長戦略の柱の一つとして、政府の規制改革会議が昨年6月、制度創設を答申。消費者庁の検討会で議論してきた。

熱中症、昨夏は40万人超 高齢者45%、重症化の傾向   朝日新聞 2014年7月24日(木) 配信

 医療機関で昨夏、熱中症の治療を受けた人が全国で40万7948人にのぼることが、患者の診療報酬明細書情報から分かった。5万8729人だった救急搬送者ばかりでなく、自力で来院した患者も含め、ほぼ全医療機関で受診者を網羅している。全国的な熱中症患者の規模が明らかになったのは初めて。
 厚生労働省が管理する診療報酬明細書データを研究目的に提供を受けた三宅康史・昭和大病院救命救急センター長が、2010年~13年の6~9月の熱射病や熱性失神など熱中症に関連する計10疾患について集計した。家族や職場、学校関係者に連れられた来院者も含まれ、2回目の受診や医療機関に到着時に死亡していた人数を除いてまとめた。
 猛暑で死者が相次いだ10年夏は32万4072人、13年は熱中症患者は40万人を超えた。昨夏は梅雨明けが平年より早い地域が多く、暑い時期が長かったことが影響したとみられる。
 受診内容は、重症で入院した人が3万5021人、口から水分がとれないなどで点滴を受けた人は27万5972人、診察のみや体を冷やしたり水分補給をしたりした人は9万6405人だった。
 65歳以上の高齢者は18万4838人で、全体の45%。高齢者ほど重症化しやすい傾向があり、死者550人のうち449人が70歳以上だった。高齢者は、体温調節や汗をかく機能が弱くなりがちで、室内で日常生活をする中でも熱中症になりやすい。三宅さんは「暑い日が続き、体力が低下した高齢者が、脱水症状や持病の悪化で受診する例が多い」と指摘する。
 地域別では、関東が9万5161人で最も多く、近畿8万7603人、九州・沖縄7万6155人、中部6万6867人、中国・四国5万9578人、北海道・東北2万2584人だった。
 熱中症患者数は、真夏日や熱帯夜となる日の増加、熱中症への意識が高まって診察を受けるケースが増えたこともあって増加傾向にある。梅雨明け直後は、体が暑さに慣れていないため熱中症になりやすい。
 三宅さんは「スポーツやレジャーなど外出する際に天気予報で気温などを確認して行動予定をたて、こまめな休憩で水分や塩分を補給することが大事。調子が悪くなったら無理をせず医療機関を受診して欲しい」と話している。(北林晃治)
     ◇
 〈熱中症〉 高温多湿のところに長くいることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体の調節機能が働かなくなって熱がたまり、発症する。めまいや失神、筋肉のけいれん、嘔吐(おうと)、頭痛などが起き、対応が遅れると多臓器不全を起こして死亡することもある。高齢者や持病のある人がリスクが高い。総務省消防庁によると、13年(6~9月)の救急搬送者数は5万8729人。



熱中症搬送、先週3179人…3割増で今年最多   読売新聞 2014年7月23日(水) 配信

 総務省消防庁は23日、熱中症で今月14-20日の1週間に救急搬送された人が3179人に上り、うち3人が搬送時に死亡が確認されたと発表(速報値)した。
 搬送者数は前週(7-13日)と比べて3割増で1週間あたりとしては今年最多。65歳以上の高齢者が約47%を占めた。
 都道府県別の搬送者数は大阪府の283人が最多で、愛知県272人、東京都236人などが続いた。死者は群馬、千葉、岐阜の3県で確認された。今年5月19日の集計開始からの合計では搬送者は1万2604人、死者は17人となった。梅雨明けとともに厳しい暑さが予想されており、同庁は、適切な室温の設定やこまめな水分補給を呼びかけている。

睡眠薬・抗不安薬、ご注意を 処方量だけで依存症も   朝日新聞 2014年7月22日(火) 配信

 医師から処方された睡眠薬・抗不安薬を飲んでいて、薬物依存になってしまう患者がいる。薬をやめられなくなったり、やめた後に離脱症状が出たりして、苦しんでいる。広く使われている薬だが、量を減らす試みも始まっている。

 ■服用やめ体調悪化
 長野県松本市に住むウェイン・ダグラスさん(47)はニュージーランドから1992年に来日し、英語教師や国際交流の仕事に携わっていた。日本語が堪能で、仕事は順調だった。
 2000年にめまいの症状が出て、耳鼻科にかかった。脳の病気と診断され、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を処方された。この薬は不安、不眠、抑うつといった症状がある患者に、広く使われている薬だ。
 飲み始めると、めまいは落ち着いたものの、2カ月たたないうちに体のふらつきが起きた。4カ月後からは強い不安に悩まされた。
 仕事を続けられず、01年にニュージーランドに帰国。ベンゾジアゼピン依存症と診断された。薬物中毒治療専門の医師を受診し、薬の量を少しずつ減らしてゼロにした。しかし、断薬後も離脱症状に苦しんだ。
 ひどい不安感や情緒の不安定。光を異常にまぶしく感じ、テレビを見られない。体に力が入らず歩けない。断薬して1年間で多くの症状は消えたが、突然の不安感は10年ごろまで続いた。「依存症は生き地獄。希望を失う人もいる。離脱症状の適切な治療を受けられる施設が必要です」
 神戸市の40代男性も、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の離脱症状で苦しんできた。社会不安障害と診断され、09年まで4年半、医師の指示通り飲み続けた。やめた2日後から、異様にまぶしい、目が痛いなどの症状が出た。医師に相談すると「離脱症状の可能性がある」と言われた。今でもまぶしさや、まぶたのけいれん、筋肉がぴくぴくする症状があるという。
 ベンゾジアゼピンの常用量依存とは、医師が治療のために処方する常用量でも長期間使うことで薬の依存が起きる状態を指す。8カ月以上続けるとなりやすいという報告もある。薬をやめると離脱症状として不安や、不眠、発汗、けいれん、知覚過敏などが出ることがあるとされる。

 ■「自己判断で中止は危険」
 杏林大学の田島治教授(精神保健学)によると、欧米では1970年代以降、ベンゾジアゼピン系薬による依存や乱用が問題になり、英国では処方日数が制限された。「日本で長期に漫然と使われているのは問題。医師が依存をつくっている」と指摘する。
 田島さんは薬をやめられない患者や、やめた後の症状に苦しむ患者から相談を受ける。1年以上かけ少しずつ薬を減らしてやめた人もいる。「急にやめると離脱症状が出る。患者の自己判断でやめてはいけない」
 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部の松本俊彦室長らは、精神科がある全国の病院を対象に、薬物関連障害の調査を2年ごとに実施している。原因の1位は覚醒剤、2位は有機溶剤が定位置だったが、2010年に、それまで3位だった睡眠薬・抗不安薬が有機溶剤を上回って2位になった。全体の17・7%を占め、この薬による依存は珍しい問題ではないという。
 薬の量をなるべく減らそうという動きもある。
 東京女子医科大学病院では、ベンゾジアゼピン系薬を処方されている患者数が一昨年の8588人から昨年は7054人に約18%減った。医師と薬剤師が対策に取り組んだ結果だ。
 ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬の作用や副作用、薬以外の対処法を知ってもらおうと、患者向けの冊子をつくって薬剤師が配った。医師や薬剤師が参加する勉強会も開いてきた。
 東京女子医大の稲田健講師(精神医学)は「患者は副作用に気付いていないこともあるので、情報提供が大切だ。薬をやめるときは1年で半減するくらいゆっくりとです」と説明する。
 厚生労働省は薬の使い過ぎ対策に乗り出す。1回の処方で抗不安薬を3種類以上出した場合、医療機関に払われる診療報酬を減らす改定を10月から実施する。(編集委員・浅井文和)



甘く見ないで水ぼうそう 合併症や死亡例も ワクチン10月に定期化 「医療新世紀」   共同通信社 2014年7月22日(火) 配信

 水痘(水ぼうそう)のワクチンが10月から定期接種化され、1~2歳児は原則無料で2回の接種が受けられるようになる。子どもを中心に毎年流行し、年に100万人が発病するという身近さもあって、水痘を大した病気と思っていない人が多い。しかし、中には重い合併症や死亡につながる例もあり、特に持病のある子どもには深刻な脅威だ。大人の帯状疱疹(ほうしん)も同じウイルスが原因で起きるため、その予防にもワクチンが使えるように条件整備を求める声が強くなってきた。

 ▽思い込み
 「自然にかかった方がいいんでしょう? 一生免疫もつくから」
 感染症予防に力を入れている愛知県蒲郡市の「マイファミリークリニック蒲郡」の中山久仁子(なかやま・くにこ)院長が水痘ワクチンの接種を勧めると、保護者の大半はこう答えるという。
 水痘は空気感染する「水痘・帯状疱疹ウイルス」による感染症。赤くてかゆい発疹が全身に出て、普通は10日ほどでかさぶたになって治る。だが400人に1人は重症化して入院が必要になり、年間20人ほどが死亡すると推定されている。軽く済んでも、学校や保育園には完全に治るまで通えないため、親はその間、仕事を休む必要がある。
 そこまで説明するとワクチン希望に転じる保護者が多い。「病気のインパクトがあまり知られていない。積極的な啓発が必要です」と中山さん。

 ▽接種率が鍵
 流行の阻止には9割程度の接種率が必要とされるが、1回8千円ほどかかる任意接種だったため、従来は3~4割と低迷。それで大変な苦労をしてきたのが、免疫が弱く水痘が命取りになるような子どもたちの診療に当たる小児専門病院だ。
 水痘ワクチンは、毒性を弱めたウイルスを原料とする生ワクチンなので、免疫不全の子どもの患者には接種できない。「周りの子がワクチンで流行を防ぐしかない」と東京都立小児総合医療センター感染症科の堀越裕歩(ほりこし・ゆうほ)医長は解説する。
 同センターでは、入院する子どもが水痘などの感染症を持ち込む恐れがないか、保護者への聞き取りで入念にチェックするが、それでも防ぎ切れずに発生し、患者受け入れを中止する「病棟閉鎖」が水痘関連だけで年に10回近くあるという。
 白血病の男の子が「みずぼうそうはとってもこわいんだ」と語りかけるポスターを院内に貼り、予防の大切さを訴えてきた堀越さんは「定期接種の実現は大きな前進だが、接種率を高める努力が必要だ。無料になる年齢も限られているのでまだ気を抜けない」と話す。

 ▽大人にも期待
 ワクチンを帯状疱疹予防に活用したいと望む声もある。水痘を発病すると、完治後もウイルスは体内に潜んでいて、加齢や疲労で免疫が下がると再び暴れだし、発疹や激しい痛みを引き起こす。これが帯状疱疹で、80歳までに3人に1人が発病するとの研究もある。抗ウイルス薬で治療できるが、対処が遅れるとつらい神経痛が長く続く。
 米国では日本の水痘ワクチンと同じ原料を使った帯状疱疹ワクチンが実用化され、60歳以上の帯状疱疹を約5割、神経痛を6割以上減らしたとのデータが出ているが、日本のワクチンは帯状疱疹の予防目的では国の承認を受けていない。
 がん専門病院に勤務した経験がある国立国際医療研究センター(東京)の大曲貴夫(おおまがり・のりお)国際感染症センター長は「高齢のがん患者など、帯状疱疹のリスクが高い人は今後増えるだろう。ワクチンが正式な治験を経て、帯状疱疹予防にも使えるようになれば朗報だ」と言う。
 メーカーの阪大微生物病研究会(大阪)も、帯状疱疹予防への適応拡大について「積極的に対応したい」と前向きな姿勢を見せている。(共同=吉本明美)

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