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佐世保・高1女子殺害 “猟奇的”供述のウラに…識者が読み解く少女の心理

産経新聞 7月29日(火)15時30分配信

 凶器は事前に用意。クラスメートを呼び出し、殺害後に遺体を切断した。長崎県佐世保市の高1女子生徒(15)殺人事件は、逮捕された少女(16)の異様な行動が際立つ。「思春期の1人暮らしが病的な気質を悪化させた」と読み解く専門家がいる一方、「精神鑑定で全容解明を」と丁寧な判断を求める有識者も。「人を殺してバラバラにしてみたかった」。衝撃的な供述が事件をさらなる闇に導いていく。

 ◆揺れ動く思春期

 「『性的サディズム』の傾向がある」。少女の心の状態をこう分析するのは、少年犯罪に詳しい精神科医の町沢静夫さん。

 性的サディズムとは、人や動物を殺したり遺体を損壊したりする残虐な行為で快感を得る病的な気質。神戸連続児童殺傷事件で逮捕された当時14歳の少年が犯行に至った原因とされた。「思春期に家族や友人など環境的な要因が加わると刺激されることがある」という。

 少女は昨秋に実母をがんで亡くし、父親が今春に再婚したことに「お母さんのことどうでもいいのかな」と心を痛めていた。町沢さんは「少女はものすごく寂しかったはず」と指摘。少女が4月に1人暮らしを始めたことをふまえ、「悩みのはけ口がないと孤独感や社会への恨みを募らせてしまう」と生活環境の変化が影響を与えたとみる。

 ◆衝撃的供述次々

 「遺体をバラバラにしてみたかった」「殺してみたかった」「のこぎりやハンマーは事前に買った」。次々に明らかになる少女の“猟奇的”供述。長崎県警によると、少女は聞かれたことに冷静に受け答えし、取り乱した様子はない。

 ただ、こうした供述の真偽について、少年事件に詳しい岩佐嘉彦弁護士(大阪弁護士会)は「子供は精神的に成熟していないため、話す内容が歓迎されていないと感じると迎合的になったりすることがある」と冷静に受け止める。

 反対に突然しゃべらなかったりすることや、長時間の取り調べに耐えられず、パニックになってしまうケースも少なくなく、「慎重かつ丁寧な取り調べが求められる」という。

 ◆誰がネット投稿

 事件の発覚直後から、インターネットでは、「殺しちゃったんだけど」というタイトルで犯行の様子を撮影したという有名掲示板に投稿された真偽不明の画像が拡散。投稿時間帯が、女子生徒の死亡推定時刻(26日午後8〜10時)と矛盾しないことから、県警も事件との関連を調べている。

 仮に投稿主が少女だとすると、どういう心理だったのか。ネット依存外来を開設している「成城墨岡クリニック」(東京)の墨岡孝院長は、体験してみて面白かったことを内々に現実社会で話すのと同じつもりでネットに投稿する“若者感覚”を挙げ、「(少女は)日常で起きた行為の一つを披露したにすぎないのかもしれない」と分析する。

 衝撃的な一連の行動について、「にわかに信じられず、納得できない部分が多い」と話すのは南山大法科大学院の丸山雅夫教授(少年法)。「今回の犯行には心理的な背景があり、その解明が捜査に欠かせない。精神鑑定をしっかり行うべきだ」と主張している。

最終更新:7月29日(火)15時53分

産経新聞

 

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