焦点:大型IPOラッシュに備える市場、JDIショックなお警戒も
[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で、今秋から大型の新規株式公開(IPO)が相次ぐ。発行体も投資銀行側もおおむね順調な消化を予想するが、投資家側には慎重な見方も目立つ。
昨年来のIPOムードを後押ししてきたアベノミクスへの市場の期待がしぼみつつある中、初値が公開価格を下回るリスクも消えておらず、価格設定をめぐって神経質な展開が予想される。
<発行総額は6000億円超に>
現在、予定されている主なIPOは、すかいらーく(東京都武蔵野市)、人材派遣会社のリクルートホールディングス(東京都千代田区)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪府大阪市)などで、今秋から来年春あたりにかけて実施される見通し。このほか、韓国の検索サイト大手ネイバー(035420.KS: 株価, 企業情報, レポート)の日本子会社で、スマートフォン向け無料通信アプリのLINE(東京都渋谷区)は、東証に上場を申請したが、米国市場との重複上場になるか、まだ決まっていない。
投資銀行関係者によれば、発行計画が明確になっていないLINEを除いても、すかいらーく、リクルートなどでオファリングの総額は6000億円を超えるとみられる。このところ、1日平均売買高が2兆円を切るなど凪(なぎ)の相場展開の中で、これだけの規模となる新株発行を市場が無事に消化できるかが注目点だ。
予想外の逆風が吹いた例として記憶に新しいのが、今年3月のジャパンディスプレイ(JDI)(6740.T: 株価, ニュース, レポート)のIPOだ。同社は大手電機メーカーの中小小型液晶パネル事業を統合、政府系ファンドの産業革新機構が2000億円を出資し再建した、いわば国策的な戦略企業。しかし、売り手の革新機構が高い公開価格を望んだことが裏目に出て、初値は公募価格を15%下回る結果となった。
同社の株価はいまだにIPO価格割れで推移している。同社も含め、今年に入ってIPOを行った30社(東京プロマーケットを除く)中、8社の初値が公開価格を割り込んだままだ。JDIショックに象徴されるIPOへの警戒感は、いまだに市場に残っている。
<発行体側は順調な消化を予想> 続く...