雅子さま:回復道半ば 日中の活動制限…外出公務今年1回

毎日新聞 2014年07月29日 20時04分(最終更新 07月29日 20時34分)

伊勢神宮内宮を参拝した皇太子ご一家=三重県伊勢市で2014年7月29日午後0時44分(代表撮影)
伊勢神宮内宮を参拝した皇太子ご一家=三重県伊勢市で2014年7月29日午後0時44分(代表撮影)

 皇太子妃雅子さまが適応障害と診断されたことが公表されて30日で丸10年。雅子さまは帯状疱疹(たいじょうほうしん)が発端で長期療養に入り、2004年7月に病名が公表された。依然、体調に波がある状態が続いているが、29日は皇太子さま、長女愛子さまと伊勢神宮(三重県伊勢市)に参拝した。愛子さまにとっては初めて、雅子さま自身も20年ぶりの参拝で、宮内庁関係者は「今回の参拝が回復のきっかけになれば」と期待を寄せる。

 雅子さまは03年12月に帯状疱疹で宮内庁病院に4日間入院し、療養に入った。07〜08年には3度の泊まりがけの公務をするなど回復の兆しが見えたが、長女愛子さまの通学不安問題などもあり、公務復帰が遠のいた。

 昨年はウィレム・アレクサンダー国王の即位式出席のためオランダを公式訪問。帰国後は東日本大震災の被災地の東北3県を見舞い、岩手県には泊まりがけで訪れた。3年9カ月ぶりの宿泊を伴う地方公務で、「復調されるのでは」(宮内庁関係者)との声もあったが、今年に入って外出しての公務は1月に国立劇場であった東北の芸能を鑑賞した1回に限られる。宮内庁幹部は「ご病気の影響なのか、起床・就寝とも遅いため、日中のご活動が制限されてしまうのが実情」と話す。

 ただ、8月1日は例年、皇太子さまが出席する高校総体の総合開会式が東京都調布市であり、体調がよければ雅子さまも同行するとみられる。10月にはオランダ国王夫妻が国賓として来日する方向で調整が進んでおり、歓迎行事などへの出席が期待される。【真鍋光之】

 ◇雅子さまを巡るこの10年

2003年12月 帯状疱疹を発症。療養へ

04年 3〜4月 長野県軽井沢町の親族の別荘に滞在

    5月 皇太子さまが「人格否定発言」

    7月 宮内庁が病名を「適応障害」と発表

06年 8月 一家でオランダに約2週間静養

   10月 奈良県など訪問。療養後初の泊まりがけ公務

10年 3月 愛子さまの通学不安で雅子さまが連日付き添い

13年 4月 オランダ訪問。海外公式訪問は11年ぶり

    6月 結婚20年

8〜11月  東北3県訪問

14年 4月 愛子さま学習院女子中等科入学

    7月 ご一家で伊勢神宮参拝