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伝説の木の棒 後編 作者:木の棒

第2章 3人娘

第15話 拗ねちゃ嫌!

 ベニちゃんとラミアが俺の持ち主となって、どれくらい経っただろうか。

 いま、こんな感じです。


ステータス
紫電魔刀の木の棒
状態:アーシュの紫電魔刀の木の棒
レベル:34
SP:0
スキル
闘気:レベル9
魔力:レベル9
属性:レベル8
電光石火:レベル5
雷魔法:レベル3


ステータス
超魔力の木の棒
状態:ベニちゃんの超魔力の木の棒
レベル:21
SP:0
スキル
闘気:レベル1
魔力:レベル10
鬼神化:レベル10


ステータス
超魔力の木の棒
状態:ラミアの超魔力の木の棒
レベル:20
SP:0
スキル
魔力:レベル10
白蛇化:レベル10



 そうなのです! ついに、ベニちゃんとラミアの条件が整ったのです!
 俺は途中でベニちゃんに、洗濯スキルを取らなかった自分を褒めた。


 俺はワクワクしながら、ベニちゃんが持った時に魔力を流す。
 今までの以上に高まる魔力を感じたベニちゃんも、何かを感じたのかアーシュ達に話す。


 いつもの鍛錬場に移動した俺達。
 ベニちゃんが俺を持って、精神統一の世界に入っていく。

 俺もそれに合わせるように、最大限の魔力で、ベニちゃんの「鬼神」を発動!!!!




 電光石火を初めて発動した時のような、闘気の爆発。

 それと共に現れたのは、ベニちゃんだ。


 ベニちゃんそのものだ。

 頭の角はちょっとだけ大きくなっているな。
 ムキムキマッチョではなく、ちゃんと素晴らしい巨峰はある。

 太もも、腕もエロスを感じられる。
 ただ筋肉の質?が変わったような感じで強靭さが増したように思える。

 何よりも、その身に纏う闘気が……まったく異質なものになっている。

 これは闘気なのか?
 別物と思えるぐらい強力な闘気だ。

 強い、これは強いな。
 まだ俺のスキル干渉無しに制御出来るわけじゃないけど、ベニちゃんがこれを使いこなしたらすごいことになりそうだ。

 実際ちょっと動いてみたら、パワーだけじゃなくてスピードもすごかった。
 電光石火よりかは遅いけど、これだけのパワーだ。
 しかも新たな闘気そのものの防御力も凄まじい。

 鬼神を解いたベニちゃんは、かなり消耗していたが満足な笑みを浮かべていた。
 自分の中に眠る才能に気付けたことが嬉しかったのだろう。



 そして、ラミアだ。

 ラミアの「白蛇」を発動させたら、その名の通りラミアは白い蛇になった。

 なったのだが……サイズがでかい。
 大蛇になった時は、ちょっと大きくて長い蛇程度だったのが、この白蛇では、人が乗れてしまうほどの大きさになった。

 そして水だ、支配する水の力がさらに強力に感じられた。
 操る水蛇の数も倍以上に増えている。

 ラミアは俺のスキル干渉で、白蛇となり何が出来るか確認していく。
 しばらくすると、白蛇のサイズを元の大蛇サイズに出来たし、さらにもっと小型の小さな白蛇にもなれた。
 小さな白蛇になっても、その力強さは失われなかった。

 ラミアも白蛇を解いたら、かなり消耗していた。
 いつものほほ~んとしているラミアには珍しい、マジで疲れた顔だ。

 でもベニちゃんと同じくその顔は満足感に満たされていた。
 2人は新しい力に興奮したように、はしゃいでいた。



 喜ぶ2人を見て、祝福しながらも、内心落ち込んだのがアーシュだ。

 親友ともいえる2人の成長は嬉しいだろうが、自分だけと思っていた俺からの特別な力が2人に与えられたことが悲しいのか?

 2人に眠る才能を疑いはしないだろう。
 でも、俺から与えられるそれは、自分だけのものであって欲しかったのかもしれない。

 どこか悲しげな表情でアーシュは2人を見ていた。



 その夜、アーシュはいつものようにお風呂に一緒に入ってくれたし、艶々に磨いてくれたし、ベットにも一緒に入った。

 でもずっと、悲しそうだった。
 俺は全力で癒しの魔力を流したが、アーシュは笑顔を向けてくれても、心のどこかで泣いているようだ。



 これは困ったぞ。
 まさかこんなことになるとは!

 アーシュを悲しませるつもりなんてまったく無かったのに!

 あとレベル4上がれば、基本3セットがレベル10だ。

 そこで何かが起こるかもしれない!
 それに賭けるしかない!

 いや、待てよ。
 属性をレベル9にしようかと思っていたけど、先に魔力をレベル10にするか?

 そうすれば、よりアーシュに深く干渉出来るはずだ。
 俺はアーシュのものなんだぞ!っと魔力を流してあげよう!!!



 翌日から俺を持って狩りを行うのはアーシュだけになった。

 ベニちゃんとラミアは、鍛錬場で新たな力の鬼神と白蛇の訓練をしている。
 時々、俺を持ってレベル10での発動を見せてあげる程度だ。


 そして、アーシュと共に狩りにいき、レベルが上がった。

 俺は属性ではなく、魔力を取った。
 魔力スキル初のレベル10である。

 別に何もシステム音は聞こえなかったけど、魔力でアーシュにとても深く干渉出来るようになったのが分かる。

 いや、干渉というか、アーシュの心に触れているような気がする。

 アーシュも俺の変化に気付いてくれたのか嬉しそうだ。
 1日ぶりにアーシュの心からの笑顔を見れた気分だ。

 そもそも、基本3セットのレベルがここまで高まった俺の紫電魔刀はかなり強い。
 ベニちゃんやラミア相手に俺を持って負けることはなくなっていたからな。

 だから、ちょっと俺から力を他の人がもらったからって拗ねないでいいんだよ?



 魔力スキル10となり、お楽しみの夜。


 楽しいお話タイムを満喫しながら、お風呂に入り艶々に磨いてもらい、一緒にベットへ♪
 もう気分は新婚夫婦ですね!
 もちろん枕はいつだってYESですよ!

 アーシュはもう俺をクルクルしたり、バランス取ったりしなくなっていた。
 本当に大事にしてくれる。

 それはあくまで、道具として大事にしてくれているんだろうけど。


 やば、なぜか急に今度は俺が悲しくなってきた。
 この前、不安なことを考えてしまったからか?

 ニニは王子と幸せになった、それは素晴らしいことだ。

 なら、アーシュもいつか誰かと?

 俺はそれをただ見ているだけか。
 そもそもこの世界の人間ではないし、さらにいま人間ですらない。

 ただの棒だ。

 人としての幸せを願うのは無理だろう。

 俺から悲しい魔力が伝わってしまったのか、アーシュが俺を見て心配する。
 ちょっとあたふたしている。

 俺は何でもないよ、大丈夫だよと優しい魔力を流す。

 アーシュは俺を優しく抱きしめてくれた。

 そしてそっと口付け。

 きゃっ♡ ファーストキスですね! 俺達のファースキスですよ!

 そんな感じで俺がちょっと興奮状態になってしまった。
 喜ぶ俺を見て、笑顔のアーシュはさらに大胆な行動に……。

 ネグリジェのような乙女のパジャマの中に俺を、

 ぬお! ア、アーシュ?

 いや、お風呂で見せてもらっているけど、そんないきなり、いや、嬉しいけど!

 アーシュは俺を、直接胸で挟んで抱きしめてくれた。

 アーシュの美乳は柔らかかった。

 形、ハリ、柔らかさ…全てが素晴らしかった。

 アーシュはやっぱり女神だったのだ。

 そのまま俺の癒しの魔力を感じながら、アーシュは眠りに落ちていった。





 その夜、アーシュに癒しの魔力を流しながら、アーシュの寝顔を見ていた時だ。

 突然、俺に睡魔が襲ってきた。

 え?……棒になって睡魔を感じたことなんてなかったのにどうして?

 眠ることは出来る。

 ただ、それは本当に眠っているわけじゃない。

 意識はあって、何かあればすぐに気付く。


 この睡魔は違う。

 本当の眠りだ。

 どうして?……でも嫌な感じはしない。

 どこか安心出来るような。

 アーシュに抱かれているからか?

 俺は睡魔に抵抗することをやめて、誘われるように眠った。

 久しぶりの眠りの中、俺は夢を見た。
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