第40話 魔剣
ちゃぽ~ん。
聖なる湯に1人の女性が生まれたままの姿で浮かべられている。
女性は真の意味で…聖女となった。
聖属性魔法「スヴェル」でバハムートの化身を打ち破った聖女マリア。
その激闘で傷つき真っ赤に染まった身体を…聖なる湯で洗い清める。
瞳を閉じ…聖なる湯を漂う彼女。
彼女の瞳が開くことはない。
なぜなら…彼女はいま、聖なる湯で聖樹を抱きながら…いけない妄想世界の中にいるからだ。
妄想が終わるまで、聖女の瞳が開くことはない。
そう決してないのだ。
聞こえてくるのは、聖女の艶を帯びた官能的な吐息だけ。
聖女は心行くまで聖なる湯を漂う。
いや~大ピンチだったね!
でも全員無事に戻ってこれて本当に良かったよ!
しかも!龍の素材だけじゃなくて、バハムートの化身の素材という超レアアイテムまでついてきた!
いや~なんて実りある冒険だったのだろう。
え?いま何してるのかって?
聖属性魔法「スヴェル」でバハムートの化身からみんなを護ったマリアが、大ちゃんに何か褒美が欲しいか?って聞かれたら、聖なる湯で聖樹様を清めさせて下さいってことで、いまマリアはご褒美を堪能中ってわけ。
これもまた実りあることなのだよ…いろんな実がね。
無事に戻ってこれた俺達だけど、世界はちょっと大混乱状態だったようです。
あの超巨大なバハムートの化身が…なんか地上にエネルギー砲ぶっぱしてるように見えたもんだから、大罪の審判が下った!とかで人々が大混乱。
大ちゃんも俺達が戻ってくるまで状況把握出来ないから、かなり大変だったらしい。
大変とは…もちろん賢老会のじいさん達を黙らせることなんだけどね。
俺達が帰還して状況が分かり、一部の人達を除いて、あのバハムートの化身は、王子ラインハルトに試練を与えにやってきて、王子達が力を合わせて無事に試練を乗り越えた。
王子達がいる限り悪魔に負けることは無い!という感じで宣伝して混乱を鎮静。
ま~だいたい合ってるけど、王子は実際には何もしてないけどね。
98%マリアのおかげ。
ニニとミリアが1%ずつ。
女王的に王子も活躍させたいということで、こんな結末になりました。
もちろんマリアは一切の不満なんて持ちませんよ。
なんたって…ご褒美で俺とのお楽しみタイムゲットですからね!
それにバハムートの化身との戦闘で、マリアもレベルアップした。
すんごいレベルアップしたの。
魔力を操る木の棒
状態:聖女の魔力を操る木の棒
レベル:8
SP:6
スキル
魔力:レベル2
一気にレベル6アップ!
それでもチートな王子のレベル15の半分って考えると、王子は本当に恵まれているな…。
一気にレベルアップしたマリアだけど…実は大ちゃんにはレベルは5上がったと、ちょっと嘘をついている。
なぜなら…1ポイント使ってあるスキルを取りたかったからだ。
魔力を操る木の棒
状態:洗い上手な聖女の魔力を操る木の棒
レベル:8
SP:5
スキル
魔力:レベル2
洗濯:レベル1
そう洗濯スキルだ。
取ったら俺の名前じゃなくて、マリアの状態が変わった。
洗濯…それは何かを洗うスキル。
つまりこのスキルを取って聖なる湯にいけば…。
俺はもう我慢出来なかった。
例えこの1ポイントが将来世界を破滅に向かわせたとしても…俺は後悔しない。
なぜなら…抜群の効果だったのだ。
思わず、残り5ポイントすべてを洗濯スキルに振るところだった。
大ちゃんにレベル5じゃなくて…もっと少なく伝えておけばよかったと、そこだけは後悔した。
さて、無事に王子のレベルアップ、龍の素材ゲット。
おまけにマリアのレベルアップ、バハムートの化身の素材ゲット。
このバハムートの化身の素材は、この世界始まって以来のレアアイテムなので、使い方を決めるのにかなりの時間がいるらしい。
大ちゃんはすぐにでも、このバハムートの化身から武器防具を作りたがってる。
でも賢老会がそれを許さない。
世界は軍備だけあればいいわけではない。
その他にも生きるためにいろんなことが必要。
そして研究も必要。
バハムートの化身の素材をどのように加工すれば、最も高い効果を引き出せるのか。
普通なら少量の素材を使ってそれを研究して、技術がある程度確立されたところで、本当の使い道の判断とするべきなのだろう。
でもそんなことをしていたら、数年単位ではきかない。
10年、20年という時間が必要となる。
それでは大ちゃん困るのだ!
大ちゃんは俺には見せない、女王の闇の部分で暗躍しながら、どうにかして武器防具をある程度作れるぐらいの素材を裏で確保しようと躍起になっているとか。
俺達ではどうしようもないことは、大ちゃんに頑張ってもらうとして、レベルアップした王子のスキルをどうするかだ。
炎闘気を纏う剣士の木の棒
状態:お話出来る優しい王子の炎闘気を纏う剣士の木の棒
レベル:15
SP:5
スキル
闘気:レベル2
魔力:レベル2
属性:レベル1
剣術:レベル2
身体強化:レベル1
炎魔法:レベル1
脱人見知り:レベル1
5ポイントある。
平均的にあげていくなら、属性、身体強化をまず2にする。
すると3ポイント余る。
それで…接近戦用の闘気、属性をレベル3にあげる。
残り1ポイントで、剣術か、身体強化か…。
とりあえず、属性と身体強化をレベル2にした。
炎を纏う魔剣な木の棒
状態:お話出来る優しい王子の炎を纏う魔剣な木の棒
レベル:15
SP:3
スキル
闘気:レベル2
魔力:レベル2
属性:レベル2
剣術:レベル2
身体強化:レベル2
炎魔法:レベル1
脱人見知り:レベル1
「闘気、魔力、属性全てがレベル2になり魔剣が解放されます。」
ここにきて、なんか新しい発見きちゃったよ!
なんだ?基本3セットが全てレベル2になったから、魔剣解放?
俺の名前にも魔剣って出てるな。
王子に試しに持ってもらう。
闘気…魔力…属性が混じり合うようなイメージ。
すると…炎が俺を纏っていき…やがてそれは剣になっていく。
炎の魔剣だ。
炎闘気に魔力が流れることで、確かな形を作っている。
しかも…炎闘気より全然強いぞこれ!
ま~中身は木の棒なんだけどね。
王子もビックリ。
バハムートの化身との戦いで何も出来なかった自分に落ち込んでいたそうだが、大ちゃんから龍討伐でさらなる祝福を受けられて、魔剣に成長したと聞いたら喜んでいた。
魔剣を見て喜ぶ大ちゃんに、マリアのスキル取得でちょっとミスってしまったと伝えた。
大ちゃんは1ポイントぐらい問題ないよ!と上機嫌で答えてくれた。
俺は……。
ステータス
魔力を操る木の棒
状態:とっても洗い上手な聖女の魔力を操る木の棒
レベル:8
SP:4
スキル
魔力:レベル2
洗濯:レベル2
炎を纏う魔剣な木の棒
状態:お話出来る優しい王子の炎を纏う魔剣な木の棒
レベル:15
SP:3
スキル
闘気:レベル2
魔力:レベル2
属性:レベル2
剣術:レベル2
身体強化:レベル2
炎魔法:レベル1
脱人見知り:レベル1
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。