第30話 聖女の願い:後編
聖女マリア。
人々は私のことをそう呼びます。
でも、私は聖樹様からの祝福を伸ばすことが出来ないでいます。
私は聖女と呼ばれるのに相応しく無いのかもしれません。
例え私が聖女に相応しくないとしても、私のすべきことは1つです。
聖樹様の祝福を受けることに全てを捧げる。
大穴を塞ぐためにも…私は祝福を受けなければいけないのです。
私はいま後宮にある「聖なる湯」に来ています。
ここはティア様が直接設計された神聖なる浴場です。
いまこの聖なる湯には…私以外の人は誰もいません。
私と聖樹様だけ。
ティア様が私のために聖樹様に神託を受けてくださいました。
その時に「身も心も捧げ、聖樹と1つになる」という神託が下さったそうです。
その神託を受けてティア様が考えて下さったのが、聖樹様と共に聖なる湯に入り、聖樹様を清めてみてはどうかということでした。
その言葉を聞いた時…私はこれだ!と思いました。
聖樹様を清めて差し上げる…身も心も聖樹様と一つになる。
聖なる湯ほど、それに相応しい場所はありません。
本当にティア様には感謝です。
ティア様はそれだけでなく、さらに私のためにある物を用意して下さりました。
ティア様が発明された「ブラジャー」と「パンティー」。
これは世の女性達にとって本当に画期的な発明でした。
そのブラジャーとパンティーを…特注で作って下さったのです。
聖樹様と一緒に聖なる湯に入るときに着る神器です。
さらに用意して下さったのは「ボディコン」、失われた神聖語で「聖なる服」という意味の神器です。
特別なブラジャーとパンティーの上からこのボディコンを着て湯に入る。
ティア様が独自で失われた神聖語の研究をされていたことも驚きの事実でした。
本当に正しい神聖語かまだ発表出来る段階では無いので秘密にして欲しいと言われました。
ボディコンは神聖法衣と同じく白でした。
特別なブラジャーとパンティーは黒でした。
この色合いもきっとティア様が私のために考え抜いて下さったに違いありません。
私はボディコン、ブラジャー、パンティーの3種の神器を持って聖なる湯の脱衣所にいます。
聖樹様を大事に私の目の前に置きます。
ティア様から聖樹様を常に自分の見える位置に置くこと…強く念を押されました。
聖樹様と身も心も1つになるのですから、私の全てを見て頂く必要があるということなのでしょうか。
人ではない聖樹様ですが…意思が存在すると思うとちょっと恥ずかしい気持ちになります。
…私はそんな自分を恥じました。
聖樹の意思を、人の持つ欲望のように思うなんて。
聖樹の意思…それは人々の希望そのもの。
人々の清らかで聖なる思いが集い…この聖樹に宿ったのです。
私は聖樹様の前で、神聖法衣を脱ぎ…ティア様より指定を受けていた白のブラジャーとパンティーを脱ぎます。
そして3種の神器を着て聖なる湯へと入ってきます。
ティア様がこの日のために作って下さった聖杯に聖樹様を置きます。
聖なる湯は普段の温度よりも低めに設定されています。
暑い夏日に涼を取るために入る水風呂ほどではありませんが、いつものお風呂の熱さと、水風呂のちょうど中間といった温度です。
この湯の温度なら、かなり長時間湯に入っていてものぼせることはありませんし、逆に身体が冷めて風邪を引く心配もありません。
本当にティア様の深い考えに…私はただただ感謝するばかりです。
聖杯に置かれた聖樹様の前で、私は正座をして両手を床につき…ティア様から習った神聖語で聖樹様に話しかけます。
この神聖語をティア様から習い完璧に暗記するのに1週間…私の人生の中で最も集中して努力をした1週間でした。
「いっせいさまにごほうしさせていただきます。わたしのからだでいやされてください」
神聖語で聖なる存在に対して、敬意と愛情を示す挨拶の言葉です。
私はまず自らの身を清めます。
聖樹様を清める私の身体を先に清めるべきだからです。
ティア様は、聖樹様はティア様が発明されたボディーソープで洗う必要は無いと仰いました。
ただし、聖樹様を清める前に自らの身体はボディーソープの泡で良く洗うようにと。
聖なる湯から適度な温度の聖水を身に浴びます。
神器のボディコンが聖水で濡れると…白いボディコンは透けていきます。
透けたボディコンの下に着ている神器の黒いブラジャーとパンティーが見えてきます。
ボディーソープを泡立たせます。
透けて見えているブラジャーとパンティーを隠すように泡で身を清めていきます。
視線は聖樹様を見つめます。
私の顔は隠しきれない恥ずかしさから、少し赤くなっているかもしれません。
夫に先立たれて5年。
自分を「女」と思わないようになっていました。
でも聖樹様の前でこうして身を清めていると…何故か私は「女」を感じてしまいます。
こんなことでは、聖樹様の祝福を受けることは出来ない。
迷いの中…ボディコンについた泡を聖水で洗い流していると…私は理解したのです。
ティア様から教わった神聖語は…聖なる存在に対する敬意と愛情の言葉でした。
愛情…この言葉を口にしているのに女を感じないことがおかしいのです。
むしろ…女を感じてこそ…聖樹様を本当の意味で清められるのではないでしょうか。
迷いは無くなりました。
私は聖樹様を聖杯から大事に抱きしめて…聖なる湯に入ります。
聖なる湯の中で、私は神器ボディコンの上から聖樹様を丁寧に…この身を持って清めさせて頂きます。
私の胸は…その…普通の人よりも大きいです。
大きさではティア様と同じぐらいあります。
なので、どうしても聖樹様を清めさせて頂くときに…私の胸が当たってしまいます。
聖樹様を清めさせて頂いているのに…私の胸は…女を感じてしまい…硬くなってしまいました。
ブラジャーの中で硬くなったそれが…ボディコンとブラジャー越しに聖樹様に当たる度に…私の身体は震えていきます。
「いっせいさま、わたしのからだはやわらかいですか。いやされてくださっていますか」
神聖語で聖樹様に敬意と愛情を示します。
私はボディコンを脱いでいきます。
黒のブラジャーとパンティーになった私は、ティア様に教わった神聖儀式を行います。
ブラジャーの中に聖樹様を…そして私の胸で挟みます。
そして股間で…パンティー上から女性の神秘の部分に当たるように…聖樹様を挟みます。
胸から出ている聖樹様の先に…私は口づけします。
そして聖水で清めた私の舌で…聖樹様を舐めて清めさせて頂きます。
その時に挟んだ胸を両手で揉むようにして、聖樹様をほぐして差し上げるのがいいとか。
神聖儀式で聖樹様を清めているのに…私の女は高まるばかりです。
ブラジャーの上からでも硬くなったものは分かり…パンティーからは聖なる湯を穢してしまっています。
それでも私は誠心誠意…聖樹様を清めていきます。
どれくらいの時間が過ぎたでしょうか。
私は神器のブラジャーとパンティーも脱ぎ…生まれたままの姿になります。
ティア様からは、脱いだブラジャーとパンティーで聖樹様を拭いて儀式は終わりと言われています。
私は手に持つブラジャーとパンティーを見つめます。
そして…それを手から離します。
神器は聖なる湯の中を漂います。
私は生まれたままの姿で…聖樹様を…。
(いっちゃんどうだった?)
(父さん…天国は本当にあったんだね)
「レベルアップしました。」
ステータス
3.聖女
魔力通な木の棒
状態:聖女の魔力通な木の棒
レベル:2
SP:1
スキル
魔力:レベル1
+注意+
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