ＮＨＫ籾井会長　非難にも肝っ玉　「体調崩していない」

　ＮＨＫの籾井勝人会長（７１）＝写真（松崎浩一撮影）＝は２８日、報道各社のインタビューに応じ、就任以降の日々を「全く想像もつかないことが起き、暗闇で鼻をつままれたようなもんだったが、公共放送とは、ＮＨＫの会長とは何かを教えていただいた」と振り返った。世間でも国会でも非難の嵐だったが「眠れなかったことも体調を崩したこともない」と肝の太さをのぞかせた。

　政治との距離は「心配ご無用！」と時代劇のセリフ調で断言、「なぜ僕が安倍首相のお友達と言われるのか？　あんな偉い方、知りませんよ。僕が政府と何かやってたらＮＨＫはもたない」と放送法の順守を強調した。

　昔から「Ｏｎｅ　Ｗｏｒｄ　Ｍｏｒｅ」（ひと言多い）タイプだそうだが「ＮＨＫの会長は石橋をたたいて、なお渡らないという姿勢でないと。だから最近、会長会見が面白くないでしょ？」と自虐を込めて語った。

　ＮＨＫの番組でお気に入りは「花子とアン」の「嘉納伝助」。自身の地元（福岡県嘉麻市）で尊敬されている石炭王・伊藤伝右衛門がモデルで「（不倫した伝右衛門の妻）白蓮は、わがままな女だと思う」と“個人的見解”も飛び出した。

　理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子研究ユニットリーダーがＮＨＫ記者に追いかけ回されたことについて、ＮＨＫの籾井勝人会長は「誠に申し訳ない。このような無理な取材は自重しなければいけない」と謝罪した。

　既にＮＨＫ広報局が正式におわびのコメントを出したが、２８日の報道各社のインタビューであらためて見解を述べた。

　会長はまた「僕が会長に就任する時もその後も取材を受けたが、大変なんですよ」と小保方さんへの同情も示した。