第6話 ゴブリンのハーレム
けしからん…まったくけしからん!
どうしてこうなった!
なぜだ…俺は木の棒として、ボインボインな女性剣士を魅了するという儚い夢が終わったというのに…。
なぜゴブルンにだけ良いことが起きるのだ!!
ゴブルンの奥さんが増えました。
しかも一気に3人。
合計4人の奥さんですよ。
英雄だからか!
英雄ならハーレムいいのか!
ずるいぞゴブルン!
しかも、もともとの奥さんも別に嫌がる様子もない。
ハーレム公認ですよ。
狩りを終えて戻ると、今では村で一番豪華なテントが住まいとなったが、俺は隅っこに放り投げられて捨てられる。
そして宴が終わり、戻ってきたゴブルンは4人の奥さんたちと…いや別に見たいわけでもないし、聞きたいわけでもないんだけど、隅っこに捨てられて置かれているから自然と声は聞こえてきちゃうわけで。
決して元人間だった俺にとって、ゴブリン達の夜の営みの声は聞いて興奮するようなものではなかった。
ゴブルンの息子は息子でモテモテだ。
常に女性と思われるゴブリン達に囲まれている。
ゴブルンの隣のテントで暮らしているのだが、時々、囲んでくるゴブリン達を連れ込んでいるようだ。
いったい中で何をしているのか…けしからん!親が親なら、息子も息子だな!
さて、そんなゴブルン達は放っておいて、俺は自分の強さを探求することにした。
ゴブルンが毎日狩りにいったおかげで、いま俺はレベル4になってSPが3ある。
つまり、魔力と属性を取ることが出来るのだ。
ここでいま俺は迷っている。
まず、魔力。
ゴブリンに魔力ってあるのか?
スキルを取ってもゴブリンに魔力が無かったら意味がなかったりしたら…。
そもそも魔力を吸収したり与えたりするって説明だけでは、スキルの効果があやふやだ。
仮にゴブリンに魔力があるとしよう。
その魔力を吸って…どうするの?
俺の強さに上乗せできる…と考えるのが一番妥当か。
逆に魔力を与える。
俺に魔力があるとして、ゴブルンに魔力を与えて何か良いことが起きるのか?
これが人間なら、俺の魔力で魔法を使うとか考えられるんだけどな。
次に属性。
属性を付与するってことだけど…俺は木の棒だから魔法は使えない。
それなのに属性を付与出来るのか?
普通、火属性の魔法が使えるから火属性付与!みたいな感じで強くなるんじゃないのかな…。
そもそも、武器に属性を付与するのって、持ち主側からするんじゃないの?
火属性が得意なボインボインな剣士様が、俺に火属性を宿して戦うとか。
いや別にボインボインじゃなくてもいいんだけどね。
俺を振る度にボインボイン揺れて欲しいとか思っているけどね。
そんな訳で、魔力も属性も取ることを迷ってしまっている。
効果が微妙なら闘気のレベルを上げた方が良いのではないかと。
今のところ闘気レベル1でも問題ないから保留って手もあるな。
問題の先送りみたいな感じもするけど。
スキル考察していると、ゴブルンがやってきた。
狩りの時間か。
ゴブルンは、ますます大きくなっている。
いったいどこまで大きくなるんだこいつ。
そして、いったい何人のハーレムが増えるんだ。
羨ましい限りだ…ああ…俺のボインボイン剣士様はどこにいるんだ…。
さらに1ヶ月ほど過ぎた。
俺は結局スキルを取っていない。
俺のゲーマーとしての感が、ポイントを保留にしておけ!といっている!
いや、ただ単に迷っただけともいう。
あれからゴブルンと一緒にかなりの数の獲物を倒したけど、俺のレベルは上がらなかった。
次のレベルアップまでの経験値がそんなに必要なのか…それともここら辺の獲物では、もう経験値を取得出来ていないのか…。
そもそも、経験値なんてゲーム的な要素なのか?
俺のレベルがあがるための条件が経験値とは限らないのではないか?
俺のレベルは上がらなかったが、ゴブルンは順調に成長していった。
既に身長は3mを超えているのではないか?
そしてゴブルンが大きくなる度に、ハーレムの人数も増えていった。
まったくけしからん!
ゴブリンの進化の条件は不明だ。
ゴブルン以外のゴブリン達はまったく成長していない。
ゴブルンはゴブリンロードとか、ゴブリンキングとか、そんな感じに成長したように見える。
腕力も上がっているが、何よりも頭の良さ…知性が宿ったのが大きい。
獲物を観察したり、獲物の動きを読むといった行動が見られる。
…夜の営みも激しくなる一方だしな。
そんなハーレム街道まっしぐらなゴブルンにも試練が訪れた。
やつらが…襲ってきたのだ。
ステータス
闘う木の棒
状態:ゴブリンの闘う木の棒
レベル:4
SP:3
スキル
闘気:レベル1
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