第4話 闘気
「水属性魔法の取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
「風属性魔法の取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
「土属性魔法の取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
「光属性魔法の取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
「闇属性魔法の取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
ああ…神様…どうしてこんな試練を私に与えるのですか…。
木の棒だから魔法が取得出来ないなんて!
木の棒で火を出したら燃えるからダメなのかと思ったらそうではないようだ。
俺は魔法を一切覚えられない。
っていうか、他のスキルもいろいろ試してみたけど…。
「剣術スキルの取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
「肉体強化スキルの取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
「直感スキルの取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
「魅了スキルの取得に失敗しました。「ゴブリンの木の棒」のため取得出来ません」
魅了スキル欲しかったな…。
って結局俺はスキルを覚えられないのか?
木の棒だからか!木の棒だからって差別するなんていけないと思います!
木の棒が魅了使えたっていいじゃない。
例えば、胸がボインボインの女性剣士がいたとするじゃん。
その女性が素振りに使う木の棒が俺のわけよ。
どうして素振りに木の棒なんて使うの?って聞かれても彼女は笑顔を向けるだけで何も言わない。
俺の魅了スキルで彼女はすっかり俺の虜。
俺のことを毎日艶々になるように磨いてくれる。
そして、夜…ベットに俺を抱いて寝る彼女。
そのボインボインの谷間に俺を挟んで…そしてそっと俺をその股間に当てて…。
聞こえてくる彼女の吐息が…。
っていてぇぇぇぇぇぇ!!!!!
変な妄想していると、ゴブルンと鹿が再び激突していた。
激痛が俺を現実に引き戻す。
痛い!痛いよ!
俺はスキル一覧を見ながら「取得可能なスキル」と念じてみる。
すると、見えていた数多くのスキルは消えて残ったスキルは…3個だけだった。
闘気、魔力、属性
この3個だけが俺が取得可能なスキルらしい。
名前からしてある程度想像出来るが…実際どんな効果なんだ?
念じてみると、簡単な説明が浮かんできた。
闘気:闘気を纏う
魔力:魔力を吸収したり与えたりする
属性:属性を付与する
闘気の説明なのに、闘気を纏うって説明になってないだろ。
他の二つも同じだけど…。
まぁ、でもなんとなく分かるよ!
闘気は俺…木の棒そのものを強化するのだろう。
魔力は多分持ち主の魔力を吸収したり、与えたりするのか?俺に魔力あるのか?
属性は俺に何らかの属性(火とか風とか)を付与して強化するんだろうな。
俺が痛みの中、スキル考察をしていると、鹿の角にはじかれてゴブルンが尻餅をついていた。
やばい!
ゴブルンが…持ち主様がピンチ!
こんな時こそ、伝説の武器は持ち主を助けるはず!
いや…俺は木の棒なんだけどね。
この場面で俺が取るべきスキルは…闘気だろう!
俺は闘気スキルを取得すると念じる。
「闘気スキルを取得しました。」
よし!成功!
自分の身体から何か力強いものが湧き上がる感覚。
これが闘気か…。
取得してしまえば、使い方は自然と分かるのか。
それとも俺に才能があったのか?!
尻餅ついているゴブルンに突進してくる鹿!
恐怖の中、俺を振り回すゴブルン!
そして最大限に闘気を高める俺!!!
……ゴブルンが目を開けると…巨大な角がへし折られ、頭が粉々に砕けた鹿が倒れていましたとさ。
「レベルアップしました。」
ステータス
闘う木の棒
状態:ゴブリンの闘う木の棒
レベル:2
SP:1
スキル
闘気:レベル1
+注意+
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