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【社会】

稲沢市議を中国当局起訴 麻薬密輸罪、一貫して否認

 【上海=加藤直人】愛知県稲沢市議の桜木琢磨容疑者(70)が中国広東省広州市の空港で覚せい剤を所持していた疑いで逮捕された事件で、広州市の検察当局は28日、麻薬密輸罪(運輸)で、桜木容疑者を広州市の市中級人民法院(地裁に相当)に起訴した。司法関係者などが明らかにした。

 初公判は同市中級人民法院(地裁)で開かれるとみられるが、日中関係が最悪の状況にある中、日本の公職者による麻薬事件という敏感な審理となるため、公判開始まで時間がかかる可能性もある。

 桜木被告は昨年10月31日、広州市の白雲国際空港の保安検査で、スーツケースに入れた商品サンプルのサンダル底部などに覚せい剤3・2キロを隠していたのが見つかって拘束され、12月6日に逮捕された。関係者によると、商売で関係のある旧知のナイジェリア人を通じてマリ人からスーツケースを受け取り、上海経由で日本に運ぼうとしたという。

 接見を続けてきた広州の日本政府関係者に対し、桜木被告は一貫して容疑を否認している。関係者によると、被告は「スーツケースに覚せい剤が入っているとは知らなかった」と話したという。

 広州市の公安当局は事件に関連して、マリ人とギニア人の2人も逮捕。検察当局は桜木被告や共犯とみられる2人を取り調べ、公判維持ができると判断、起訴に踏み切ったとみられる。ナイジェリア人は逃走している。

 公判では、桜木被告が覚せい剤があると知っていて運んだかどうかなど「故意性」が、量刑判断の大きなポイントとなるとみられる。

 中国刑法は麻薬事件を含む「社会的影響を与える犯罪」には広く死刑を言い渡す傾向があり、麻薬事件で最高刑が無期懲役の日本より厳しい。

 2010年には遼寧省から覚せい剤の密輸を企てた日本人4人が、邦人絡みの麻薬事件で初めて死刑になった。今月25日には覚せい剤密輸で死刑が確定していた日本人男性の死刑が大連で執行された。

(中日新聞)

 

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