土用の丑:ウナギ店繁盛 仕込みは普段の数倍以上

毎日新聞 2014年07月29日 11時20分(最終更新 07月29日 13時30分)

土用の丑の日、香ばしく焼き上がるウナギ=東京都豊島区で2014年7月29日、長谷川直亮撮影
土用の丑の日、香ばしく焼き上がるウナギ=東京都豊島区で2014年7月29日、長谷川直亮撮影

 土用(どよう)の丑(うし)の29日、各地のウナギ店には猛暑を吹き飛ばそうと客が詰めかけ、かば焼きに舌鼓を打った。東京・巣鴨のウナギ専門店「八ツ目や にしむら」では、普段の3〜4倍の2000食以上の仕込みで大忙し。食欲をそそる香ばしい匂いが漂う中、行列ができた。

 ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)に絶滅危惧種に指定されて以降、初めての土用の丑。店主の西村卓(たかし)さん(51)は「ウナギの個体数の増加は難しいのでは」と先行きを気にする一方、「限られた品になるということだと、スーパーの安い品ではなく、ぜひ専門店で日本の食文化として味わって」と売り込みも欠かさなかった。

 開店前から並んだ東京都江戸川区、主婦、川口悦子さん(77)は「夏バテ防止もそうだけど、何よりウナギが大好き。ウナギの貴重さをかみしめながら食べます」と話した。

 同店では価格は昨年から据え置き、かば焼きの特上は3500円、上は2400円、中は1900円。今季は稚魚(シラスウナギ)が豊漁で価格下落が期待されたが、成魚になるまで一定期間が必要なため、仕入れ値は昨年並みだという。【町田徳丈】

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