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20140725 オープンデータ化の価値
 

20140725 オープンデータ化の価値

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経済価値とライセンスの役割を中心にした資料

経済価値とライセンスの役割を中心にした資料

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    20140725 オープンデータ化の価値 20140725 オープンデータ化の価値 Presentation Transcript

    • オープンデータ化の価値とは? クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 新しい著作権のルール 渡辺智暁 (GLOCOM/ CCJP/ OKFJ) 2014.7.25. 於:兵庫産業活性化センター
    • 自己紹介 • コモンスフィア 常務理事(クリエイティブ・コモンズ・ ジャパン:アウトリーチ、調査研究、ライセンス関連、 国際リエゾンなど) • GLOCOM(国際大学グローバル・コミュニケーション・セ ンター) 主幹研究員/准教授/研究部長 (ICT政策、 情報社会論、など。米国の通信インフラ産業と政策、 オープン化と社会変動・産業再編) • オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン 副 理事長(政策、英語、国際リエゾンなど) • ウィキペディア日本語版(長期休眠状態 – オープン化、 著作権、ライセンスへの興味のきっかけ)
    • 自己紹介:ご注意 ※仕事はGLOCOM。他はボランティア。 ※今日の話は個人の見解で、組織の見解とは 一致しないこともあります。 ※弁護士・法学者ではありません。
    • 今日のメニュー ・オープンデータ化のもたらす価値 ・クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの役割 ・Q&A(質問歓迎です)
    • オープンデータとその価値編
    • そもそもODとは? ・データが「オープン」であること = 誰でも、自由に使えること 典型的には政府データ、広義には保有者に関 わらずデータ一般にあてはまる。 (企業や学者の生成・保有データもオープン化 は当然起こりうる。)
    • 「オープン」の定義 大意: ・誰でも使える ・用途も限定しない(営利目的も、転売も可) ・改変も可 ・クレジット表示が利用の条件になっているのはア リ ・元の作品と同じようなライセンスを改変作品にも 採用することが利用の条件になっているのもアリ
    • 「オープン」の定義 参照先: Open Definition (OKF系、データ用) http://opendefinition.org/od/ Definition of Free Cultural Works(Wikimedia系、コンテンツ用) http://freedomdefined.org/ Open Source Definition (OSI系、ソフトウェア用) http://opensource.org/osd Free Software Definition (FSF系、ソフトウェア用) https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.html Debian Free Software Guidelines (debian系、ソフトウェア用) http://www.debian.org/social_contract#guidelines
    • 「オープン」概念の来歴 ・80年代に始まるフリーソフトウェア運動 (フリー=自由 not 無料)が発端。 -改良・共有の自由が強調されている -ライセンスを通じたオープン化の実現 ・debian FSGOSIODの影響関係がある。 ・Definition of Free Cultural Worksは、ウィキメディアの参 加者が主導して作成され、ウィキメディアで採用され たが、この規範形成も、オープンソースやフリーソフト ウェアの影響を受けている。 ※人的にもこれらの推進者や、こうした活動に関与して いる人の重複が見られる。
    • より広い捉え方(私見) ・資源の利用や物事の決定などのプロセスに関 する権利や影響力を、広い範囲に提供するこ と。 - 学校の校庭開放 - 市民参加型の町づくり - 「無料素材」を提供すること ・更に広くは、プロセスを透明化し、広い範囲か ら批判や検証、監視などを可能にすること。
    • オープン性とオープン化 ・オープン性については、「業界標準」が概ね決 まっている。 ・一般にはより広義に用いられることもある。 (がそれが批判されることも) ・オープン化は、業界標準を満たすこと。 ・広義には、クローズオープンのスケール で、オープン寄りに移行するような変化 ・
    • オープンデータの価値 ・経済効果 ・政府・政策の改善 ・民主主義の高度化 ※互いに重複もある分類で、厳密ではない。
    • 経済効果の例 ・Truck-o-meter(NZ) オープン化されたトラックの交通量のデータが、 景気の先行指標として非常に精度が高いこと がわかり、広く活用されるようになった ・ Mastodon C 他(UK) 血圧に関する医薬品(statin)処方データを分析 し、ジェネリック医薬品を処方してもよいはず の場面で、先発医薬品を処方している→年間 数十億円(2億ポンド)の節約の余地を発見
    • 経済効果の例 ・The Climate Corporation(US) 農家向け保険を提供。データをアルゴリズムによっ て分析・計算されたリスクに基づく商品開発と、 気象災害発生時の自動支払いが特徴。 土壌データ、気象データ、などを多数の政府機関 から取得・活用している。 ・iTriage(US) 病状とその原因、近隣の診療所、その評判やERの 待ち時間などの情報を携帯アプリで提供。
    • 経済効果の例 ・OpenDataSoft(FR) B2B系サービス。オープンデータ用ポータルサイト を開設できるSaaS。パリ市などが導入。データを インタラクティブなビジュアルにもできる。 顧客企業は自社データを追加して、社内のみで利 用するための分析・意思決定やコミュニケーショ ンのツールとしても利用可能。また、自社のカス タマーとのコミュニケーションにも利用可能。(大 手公益事業者などで導入済)
    • 経済効果の広がり ・米国GovLabでは、Open Data 500と称した、 オープンデータをビジネスの中核に据えた事 業を500件収集。地域・業界共に幅広い経済 活動に利用されていることを示唆。 →英国でも作成中。 ※OKFJでも類似の取り組みを実施中。
    • 経済効果の典型 ・情報の入手コストが下がる + アルゴリズム、適切な時・所での提供、独自デー タとの組み合わせ →判断の高度化が可能になる - リスク見積りの精度向上 - 無駄遣い・無駄な努力の発見・削減 - 効率的な資源配分法や隠れたニーズの発見 - 従来できなかったサービスや商品
    • 民主主義の高度化 ・腐敗防止・発見 ・政策決定への市民の理解、意見形成、参加のためのベー ス ・行政サービスの代替や補完による、民間主導の問題解決 - 政府支出のビジュアル化サイトOpen Spending - AEDの設置場所がわかるアプリ - ジャーナリストがケニヤの小学校でのドロップアウトの率と、 トイレの予算の相関を発見。取材を通じて、トイレの少ない 学校で病気が原因でDOが発生していることを確認・報道。 - 街路樹データが、花粉症コミュニティの居住地・通勤路に 活用される
    • オープンデータのねらい ・誰でも、自由に、手軽に使えるデータ (料金、許諾申請や交渉、フォーマット) →それなら使おう、という人が増える →政府が知らなかった価値の発見、 政府ではできなかった価値創造ができる →政府や暮らしや経済がレベルアップする 多様な人々の知恵や努力が価値を生み出す力を活用 すること。 ※オープンソースやフリーソフトウェア、オープンコンテン ツなどと通じる。
    • 何故オープン化なのか? ・高速ネットで情報流通が簡単・迅速に ・PCの発達等でデータ活用が簡単・迅速に など、技術環境が多発分散型イノベーションや参加型イ ノベーションの余地を広げている。 OD ・財政難のため、大規模政府事業よりも民間活力に期待 ・透明性が政治的に重要視される ・ビッグ・データの呼び水・補強に ・モバイル機器の普及→アプリを通じた判断高度化の余 地
    • 価値創造の起こり方 ・ODに詳しいハッカーやスタートアップなどが開 発し、フロンティアを切り拓く ・大手企業は、その成功事例を見て、提携や資 本提供、買収などの形で参加し、大規模展開 を可能にする ※国内外の関係者にかなり共通の見解のよう
    • 中間まとめ OD:多くの人がデータを簡単に使えるから、政 府だけがデータを使うよりもずっと大きな価値 が生まれる。 ビジネスに利用されて経済価値を生む、政府や 市民に利用される、など多様な価値の生まれ る余地がある。
    • ライセンス編
    • そもそもライセンスとは? 著作権法上の原則:著作者の許諾なしには他 人の創作物を利用してはいけない ライセンス:許諾や許諾書のこと オープン化の文脈で話題になるのはパブリッ ク・ライセンス。= 公衆一般への許諾 (⇔特定の相手に対する許諾:相対契約)
    • ライセンスがあると・・・ ・現行の制度とは違う条件で、流通や利用を許 諾するためのツールが、クリエイティブ・コモ ンズ・ライセンス。 ・万人が従うべき法ではなく、希望者が使える ツール。 (ライセンスの採否を決めるのは基本的には クリエイター)
    • オープンデータとライセンス ・ライセンスがついていないと、データを利用することが法的 に「著作権侵害」になる場合がある。 →オープンライセンスの類を採用し、データの利用を広く許諾 する。 CCライセンスは、JP、AU,NZ,ITなどで採用されている。他にも FR,UKはCCとの互換性を確保するライセンスを作成・採用 している。 ※USでは連邦政府の著作物は著作権法の対象外なのでラ イセンスが採用されていない。 ・欧州委員会もCCライセンスを公共情報用のライセンスのベ ストプラクティスとして支持 ・日本のオープンデータ流通推進コンソーシアムも、ガイドラ イン案でCC BY、CC0を推奨。
    • CCライセンスとは?
    • (クリエイティブ・コモンズ・ジャパン「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」 http://creativecommons.jp/licenses/ より転載)
    • ライセンスの構成要素 4つの基本要素 BY 表示 Attribution NC 非営利 NonCommercial SA 継承 ShareAlike ND 改変禁止 NoDerivs これにバージョン名、準拠法コードを足すと、ライセ ンスの名前になる。 例) クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.1 日本 Creative Commons BY-NC 3.0 US
    • 使いやすさを重視 ※アマチュアのクリエイターやスタートアップ企 業は、顧問弁護士や法務部に頼れるとは限 らない。 ※ライセンスのついたコンテンツを利用する人 も同様の場合が多い。 ・ライセンスの文面を読みやすく ・FAQを用意する
    • 更なる工夫 ・アイコンの組み合わせで要点を表示 ・コモンズ証で要点を記述 ・内容と紐づいた名前をつける →ライセンスの同一性・概要を即座に判断しやす い ・ライセンスがたくさんあると、著作者は何を選べ ばいいかわからない。(読み比べるのも面倒) →ライセンス選択用のツールを提供
    • 複数の利用場面にまたがる工夫 ※ライセンスがたくさんあると、理解するのが大変 ・ライセンス名は、有限な要素の組み合わせ ・ライセンスの共用部分を多くする。共用でない部 分もモジュール化する。 ・そもそもライセンスの数を増やしすぎない。(悩み どころでもある) →「このライセンス、知ってる」という場面が増える。 「このライセンス、知っているライセンスのバリアン トになっている」という場面は更に増える。
    • CCライセンスと「オープン」
    • いわゆるオープンライセンスは2種類 CC BY: クレジット表示は必要だが、改変したものを配 布する際には元の作品と異なる条件(All rights reservedなど)で提供しても構わない。 CC BY-SA: クレジット表示が必要。加えて改変したものを 配布する際には元の作品と同等の条件で提 供する必要がある。
    • 6種の基本ライセンス CC BY CC BY-SA ーーー NC要素が入っているもの(非営利のみ) ND要素が入っているもの(翻案は許諾範囲外) ーーー ※他に、CC0というパブリックドメインで著作物を 提供するためのツールもある。
    • 非オープンライセンスの是非 ・NC(非営利)、ND(改変を認めない)を選択肢とし て提供している ・オープンな資源のプールを拡大する上で障害に なっているという批判もある。 ・NCライセンスを廃止するかどうかについて議論に もたびたび起こる ・NCは特に定義が曖昧なまま利用されているとい う問題もある ・NCやNDなどのライセンスは、著作権者がオープ ンなライセンスを採用する前の「最初の一歩」と しての役割を担っているという指摘もある
    • データとライセンス
    • Q.データは著作権か? A.場合による 思想や感情の創作的な表現かどうか? (+保護期間を過ぎていないか) ・事実情報であっても、その取捨選択・配列に 創作性があれば著作物たりえる ・創作性のレベルは非常に低い。駄作でも著作 物。
    • データについてどう許諾するか? ・一律に、CC BYライセンスを採用する。 →著作物性のないデータが、著作物だと誤解さ れ、かえって利用が滞るのでは? ・政府が著作物性の有無を判断し、著作物なら CC BYで許諾する。そうでないものはパブリッ クドメインなのでライセンス不要、と明記する →政府の手間がかかりすぎる。正確な判断もあ る程度以上は望めない。
    • データベース権について ・データベースについて欧州の法律で、著作権 的な権利を認めるもの。 ・権利者の許諾なしに、データベースの実質的 な部分の複製をすることが違法になる。 ・欧州でオープンデータを実施するためには、 著作権法上のライセンス(許諾)だけでなく、 データベース権法上のライセンス(許諾)もほ ぼ必須になる。
    • データベース権とCC ・EU地域のCCライセンスは、当初、DB権に否定 的:DB権を破棄する、ライセンスの種類に関 わらずDB権についてはCC BYレベルの許諾を 与える、など →ODbLが作成される→OSMやParis Dataなどで の採用に至る。 →最新のCCライセンス群(ver.4.0)では著作権 同様に扱う。
    • まとめ OD:多くの人がデータを簡単に使えるから、政 府だけがデータを使うよりもずっと大きな価値 が生まれる。 CCL:誰でも自由にデータを使っても違法になら ないようにするための「許諾」のツール。 ODの第一歩。