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SNS大手が相次ぎ動く、ソーシャルコマースに再び活況の兆し

2014/07/29
熊村 剛輔=アドビシステムズ (筆者執筆記事一覧

 2週間ほど前に、SNS大手のFacebookとTwitterがそれぞれ大きな発表をした。Facebookは「新機能のテスト開始」、そしてTwitterは「スタートアップ企業の買収」についての発表なのだが、両社の発表にはある共通の流れが存在している。さらに、これらの発表の1週間ほど前にアマゾンジャパンが始めたサービスを含めて考えると、今後SNSが進む一つの方向性が浮かび上がってくる。

 その方向性とはSNSが、ショッピングプラットフォームとしての側面を持つというものだ。

 これまでSNSは、そのマネタイズのために様々なビジネスモデルを形にしてきた。例えばサイトに滞在するユーザーに提供する広告は古くからあって、そのバリエーションは技術や方法論の進化に合わせて変化している。

 一方で企業は、人が集まるところで自分たちが知らせたい情報を伝えるために、SNS上に自らの公式アカウントを開設し、そこで消費者や顧客とコミュニケーションを交わし、時には広告などを活用して人を集めるというアクションをしてきた。

 しかしこれまでは、人を集められてもその動きを直接的な収益につなげられずにいた。一時期には「ソーシャルコマース」の名の下に、SNSとeコマースを組み合わせた販促活動やSNS上のストアフロント(購買窓口)の設置といった取り組みがいくつもあった。しかしこれらは、広く普及しないまま現在に至っている。

 こういった状況の下で、Facebookによる新機能「Buy」ボタン(関連記事:「Facebook、広告や投稿内の商品を即買いする「Buy」ボタンをテスト」)のテスト開始と、Twitterによる決済インフラのスタートアップ企業CardSpringの買収というソーシャルコマースに関連するニュースが続いた。さらにアマゾンジャパンは「Amazon.co.jp」でTwitterとの連携機能「Amazonソーシャルカート」(関連記事:「アマゾン、Twitter上からショッピングカートに商品を追加できる新機能」)の提供を始めるというように、立て続けに新しい動きが見えてきた。

 一連の動きは、伸び悩んでいたソーシャルコマースのビジネス展開への追い風となるだろう。さらにSNSビジネスそのものが、広告に依存する形から、ショッピングプラットフォームという新たなマネタイズの手段を身に付けつつあることも意味している。

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