スカイマークとエアバス、前代未聞の軋轢

「A380」の導入で計画変更をめぐる交渉が難航

エアバスからの6機導入はどうなるのか?

スカイマークが当初2014年内をメドにしてきた超大型旅客機「A380」の導入をめぐり、発注先のエアバスと前代未聞の軋轢が生じていることが明らかになった。

7月28日、「スカイマークが発注していたA380全6機の契約取り消しが決まった」と、ブルームバーグが報じた。これを受けて翌29日、スカイマークが西久保愼一社長名で発表したコメントは驚くべき内容だった。

大手航空会社の傘下に?

コメントでは、A380の導入に向けた準備について、「近年の円安や競争の激化により経営環境が厳しくなったため、当初の計画を変更せざるを得ない状況になって参りました」としたうえで、今年4月からエアバス社と話し合いを行ってきたものの、「交渉は難航しております」と説明。難航している理由は、「スカイマークが大手航空会社の傘下に入ることを契約変更の条件の一部として要求しているためです」というのだ。さらに、スカイマークはコメントで、「A380をキャンセルした場合には常識を逸脱した法外な違約金を提示してきました。(中略)当社の経営の主体性を揺るがすような要求は受け容れられるものではありません」としている。

A380は1機当たり、カタログ価格で4億1400万ドル(約420億円)。スカイマークは直近の決算短信で6機の投資予定額が、合計1915億8500万円になると公表している。一方、スカイマークの直近2014年3月期は、営業損益が25億円の赤字(13年3月期は46億円の営業黒字)、最終損益が18億円の赤字(同37億円の最終黒字)と、09年3月期以来、6期ぶりの赤字に転落した。

急激な円安による燃油費の上昇も痛いが、ジェットスター・ジャパンやバニラ・エア(旧エアアジア・ジャパン)など、成田発着でスカイマークをさらに下回る格安航空会社(LCC)が12年に登場。復活を遂げた日本航空(JAL)の攻勢などもあり、競争環境は厳しさを増している。スカイマークの国内での優位性は薄れてしまっている。

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