2014.7.29 TUE
TEXT BY TIZIANA MORICONI
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI
WIRED NEWS (ITALIA)
リッツォラッティは1996年、マカクザルを使った実験でミラーニューロンの存在を確認した。ミラーニューロンについては過去にも研究結果を紹介している。image: SHUTTERSTOCK
バールのカウンターにいる男が、ビールのジョッキを手に取る。彼が何をしようとしているかは、彼がそれを掴んでいる様子を見れば十分だ。単に飲もうとしているか乾杯をしようとしているか、ひょっとしたら投げつけようと思っているかもしれない。
ここ20年にわたって主流となっている科学的理論によると、他者の行動を即時に理解できるのは、「ミラーニューロン」のおかげだ。わたしたちの脳内において、目にした行為をあたかも自身のものであるかのように「共鳴する」運動神経細胞だ。
そのときわたしたちにあるのは、論理的能力にほかならない。ビールを前にしたその男はノドが渇いているのか、友人たちとお祝いをしているのか、それともバールの店員とけんかしたのか。そうした想定される理由を知っているわけではないのだ。
こうした例を挙げてミラーシステムを説明してみせたジャコモ・リッツォラッティは、ミラーニューロンを発見したイタリア・パルマのグループを率いる科学者だ。その発見は、1996年のことだった。
そして今年7月8日、彼は「私はあなたがすることを知っている:他者理解の根底にある精神のメカニズム」というタイトルの公開講演を行った。神経科学についての重要な国際会議のひとつ、第9回FENS Forum(7月5日〜9日)のなかで企画されたものだ。
「たしかに、ミラーシステムではすべては説明されません」と、リッツォラッティは説明する。「二次的な論理・推定システムが関与します。例を挙げましょう。例えば耳たぶに繰り返し触れる人を観察しているとき、最初のころわたしたちは、自分たちと彼が似ていることと、彼がどのような仕草をしているかを認識します。それから、推論を適用します。そして、その人の行動が少し奇妙だと理解します」
神経科学者たちによると、ミラーシステムは、まわりで起きることに対し、人が迅速に見通しをもったり、同一化して感情移入を行うことで他者の感情を体験したり、模倣学習を行ったりするのを可能にする。こうした魅力的な側面から、ミラーニューロンの発見は、専門家ではない人々の間でも最も有名な発見となった。
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