IDEAS + INNOVATIONS

WIRED VOL.12

WIRED VOL.12

WIRED VOL 12
 
NEWS

「ミラーニューロン」は何の役に立つのか?

約20年前に「ミラーニューロン」を発見した科学者、ジャコモ・リッツォラッティが、他者理解の根底にある脳のメカニズムについてミラノで公開講義を行った。

 
 
このエントリーをはてなブックマークに追加

TEXT BY TIZIANA MORICONI
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI

WIRED NEWS (ITALIA)

リッツォラッティは1996年、マカクザルを使った実験でミラーニューロンの存在を確認した。ミラーニューロンについては過去にも研究結果を紹介している。image: SHUTTERSTOCK

バールのカウンターにいる男が、ビールのジョッキを手に取る。彼が何をしようとしているかは、彼がそれを掴んでいる様子を見れば十分だ。単に飲もうとしているか乾杯をしようとしているか、ひょっとしたら投げつけようと思っているかもしれない。

ここ20年にわたって主流となっている科学的理論によると、他者の行動を即時に理解できるのは、「ミラーニューロン」のおかげだ。わたしたちの脳内において、目にした行為をあたかも自身のものであるかのように「共鳴する」運動神経細胞だ。

そのときわたしたちにあるのは、論理的能力にほかならない。ビールを前にしたその男はノドが渇いているのか、友人たちとお祝いをしているのか、それともバールの店員とけんかしたのか。そうした想定される理由を知っているわけではないのだ。

こうした例を挙げてミラーシステムを説明してみせたジャコモ・リッツォラッティは、ミラーニューロンを発見したイタリア・パルマのグループを率いる科学者だ。その発見は、1996年のことだった。

そして今年7月8日、彼は「私はあなたがすることを知っている:他者理解の根底にある精神のメカニズム」というタイトルの公開講演を行った。神経科学についての重要な国際会議のひとつ、第9回FENS Forum(7月5日〜9日)のなかで企画されたものだ。

「たしかに、ミラーシステムではすべては説明されません」と、リッツォラッティは説明する。「二次的な論理・推定システムが関与します。例を挙げましょう。例えば耳たぶに繰り返し触れる人を観察しているとき、最初のころわたしたちは、自分たちと彼が似ていることと、彼がどのような仕草をしているかを認識します。それから、推論を適用します。そして、その人の行動が少し奇妙だと理解します」

神経科学者たちによると、ミラーシステムは、まわりで起きることに対し、人が迅速に見通しをもったり、同一化して感情移入を行うことで他者の感情を体験したり、模倣学習を行ったりするのを可能にする。こうした魅力的な側面から、ミラーニューロンの発見は、専門家ではない人々の間でも最も有名な発見となった。

※この翻訳は抄訳です
 
 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
LATEST NEWS

ARCHIVE

 
SHARE A COMMENT

コメントをシェアしよう

 
WIRED Vol.12 Gallery Interviewbanner

BACK TO TOP