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 昨年7月の参院選をめぐる高松市の票の不正操作事件では、開票の「早さ」へのプレッシャーがあったと指摘されている。有権者の票を正しく数えるという選管本来の仕事がなおざりにされ、不正が隠され続けた背景を探った。

 昨年7月22日未明、参院選比例区の開票作業は最終盤にさしかかっていた。市選管事務局長だった山地利文(59)、得票計算係の大嶋康民(60)、山下光(56)の3被告=公職選挙法違反などの罪で起訴=は、投票者数より開票数が300票余り足りないことに気付いた。だが、職員を総動員して票を捜そうとはせず、白票を水増しして取り繕う決断をしたとされる。

 捜査関係者は「開票を早く終わらせなければというプレッシャーがあったのではないか」とみている。ある被告の弁護人も「比例区は全国の開票作業が終わらないと当選者が確定しない。朝になっても開票が終わらないことを考えたら、数え直すという選択肢はなかったんだろう」と話す。