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睡眠不足は身体に様々な悪影響を及ぼすことは知られていたが、どうやら記憶すら書き換えられてしまうこともあるそうだ。米カリフォルニア大学の研究チームが行った最新の研究によると、睡眠不足によって、偽の記憶が作り出される傾向が高くなるという。
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心理学者のスティーヴン・J・フレンダ氏率いる研究チームは、睡眠時間5時間以下の被験者と睡眠が8時間前後の被験者に盗みなど”犯罪”が行われている写真を見てもらってから、その写真について書かれた誤った情報を読んでもらった。その結果、睡眠不足の人たちは、睡眠が足りている人たちよりも、詳かい部分の記憶が間違っていることが多かったという。覚えていないというわけではなく偽の記憶に書き換わっているのだ。
この結果から、睡眠不足により認識機能が妨げられると言えるが、睡眠と記憶の間にはギャップがある。よく眠れなかったときはたいてい、知覚や記憶がぼんやりと曖昧になることが多いが、睡眠不足と記憶のねじれの関係ついて、これまで実証実験がされたことはほとんどなかった。
フレンダ氏が行った予備研究は、5時間以下の睡眠は虚偽の記憶形成と関係があることを示唆しているが、それでは完全に寝ないで徹夜するとどれくらい記憶の歪みが増えるのか?さらなる実験が行われた。
104人の大学生くらいの年齢の被験者を夜遅く実験室に集め、4つのグループに分ける。2つのグループには、到着するなりすぐに犯罪が行われている写真を見せる。そのうちに1つのグループにはすぐに寝てもらい、もうひとつのグループには一晩中起きていてもらう。残りの2グループには逆の順序で同じことをしてもらう。つまり、すぐに寝るか、一晩中起きていた後で、朝になってから犯罪の写真を見てもらうのだ。
実験の第二段階では、被験者たちに写真が実際に示していることとは矛盾している記述を含む文章を読んでもらう。例えば、文章には“泥棒はズボンのポケットに盗んだサイフを入れた”とあるが、写真にはジャケットのポケットに入ったサイフが写っているという具合だ。
徹夜後に写真を見せ、文章を読ませた学生らは、写真があるにもかかわらず、文章の間違った記述を報告する者が多かったという。しかし、徹夜前に写真を見た学生は、よく寝た学生と同じ正しい記憶力を示した。こうした発見は、法廷の証言で重要になってくるという。
現代人は睡眠時間が短くなる傾向にあり、慢性的に睡眠不足の人がますます増えている。この発見は、慢性的睡眠不足の人の目撃証言の信憑性という点で、大きな意味をもっている。
目撃者の記憶の正確性をより確実なものにするための、証拠に基づいたガイダンスを警察に提供するには、さらに研究が必要だ。フレンダたちは、記憶を歪める過程に関わる睡眠不足の影響について、もっと理解を進めるために、新たな実験を行っているという。via:psychologicalscience・原文翻訳:konohazuku
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コメント
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3.
4. 匿名処理班
警備職で睡眠時間3時間くらいなんだがつねにボーとして頭にはいらん
5.