ライフハッカー編集部 - メンタル 09:00 AM
突然不安に襲われたときに心を落ち着かせる3つの方法
就職面接や大事な会議、プレゼンテーションといった緊張を強いられる場面には、事前に心の準備を整えて臨みますよね。とはいえ、その最中に不安が押し寄せてくることもあります。それはごくありふれたことです。そういったときに気持ちを落ち着かせられるかもしれない方法を、いくつかご紹介しましょう。
不安のレベルを評価し、変化の様子を見る
不安は、あるかないかのどちらかひとつではなく、常に存在するものです。不安を感じた時は、その度合いを0から10までのレベルで評価してみましょう。0は完全に落ち着いた状態で、10は極度の不安を感じている状態です。そして、自分に言い聞かせてみてください。「自分の不安レベルは今、7だ。深呼吸を何回かして、様子を見よう」と。その後の数分間は呼吸に意識を集中し、それから再び不安のレベルを確認しましょう。1レベルか2レベルだけだとしても、不安が和らいだのを感じるはずです。不安のレベルが常に一定ではないことを自覚すると、極度の不安が永遠に続くわけではないと安心できます。遊び心をもってこのやり方に取り組んでみてはいかがでしょう。例えば、「もし〇〇をしたら、不安レベルはどう変化するだろうか」と試してみるのもいいでしょう。
周囲にある具体的事物に目を向け、言葉で表現してみる
平静を保てずに苦労したら、周囲にあるありふれたものを、頭の中で説明してみるのも一案です。例えば、カーペットについて説明してみましょう。「このカーペットは、薄紫と青が入り混じった毛足の短いツイード風。クリーム色の壁とうまくマッチしている」というように。直接触ってみるのもいいかもしれません。目の前のテーブルや、座っているイスのクッション素材に手を触れてみましょう。
それでどんな効果があるというのでしょうか。忘れてならないのは、不安は未来に根ざすものであり、自分の身に降りかかる可能性のある失敗や災難を心配する感情だ、ということです。周囲にある事物を言葉で表現しようとすれば、今この瞬間に目を向けざるをえず、不安がそれ以上増すのを防げます。やがて、動悸や手の震えがそれほど気にならなくなるでしょう。少し落ち着いたら、集中すべき事柄にもう一度意識を戻してください。
周囲の人に目を向ける
不安を感じているのは自分だけだと思っていませんか? でも実際は、多くの人が同じ思いをしているのです。つまり、会議などの人が集まる場には、不安で落ち着かない人がほかにもいるはずです。
以前私のところに相談に来ていたある女性が行った、ちょっとした実験についてご紹介しましょう。彼女の職場では毎月1回部門会議が開かれ、彼女も出席しなければなりませんでしたが、それがイヤでたまらなかったのです。彼女は、会議では自分が一番発言の少ない人間で、「他の出席者は自分のことをおびえたネズミみたいだと考えているに違いない」と思い込んでいました。
ある会議で彼女は、出席者の発言回数を数えてみようと思い立ちました。メモ用紙に印をつけて数えたそうです。もちろん、こっそりと。すると驚いたことに、一番発言の少ない人間が自分ではないことがわかったのです。それどころか、まったく口を開かなかった人も数人いました。会議の場で積極的に発言する人間ではないにせよ、決して一番発言の少ない人間ではありませんでした。職場で自分のことばかり気にするのをやめて、同僚に目を向けた結果、意識が変わって肩の力が抜けたのです。
皆さんも、同じように実験してみてはいかがでしょうか。遊び心を持ってください。一番冗談を口にしているのは誰か、グループのなだめ役は誰か、トラブルメーカーは誰か、探してみましょう。こうしたことは、自分自身や自分の不安から意識をそらすのに役立ちます。
誤解を招かないように言えば、こういった方法をとったからといって、不安が完全に取り除かれるわけではありません。実際、不安を一掃するなど無理な話です。けれども、難しい状況で試すことができる具体的な方法をいくつか心得ておけば、少しは自信が取り戻せるかもしれません。それは現実的な目標と言えるでしょう。
3 Ways to Deal with In-the-Moment Anxiety|Psychology Today
Barbara Markway, Ph.D.(原文/訳:遠藤康子、吉武稔夫/ガリレオ)
Image adapted from Gameanna (Shutterstock). Photos by Daniel Oines (Flickr), Chris Meller (Flickr), Maryland GovPics (Flickr).
- 心配事の9割は起こらない
- 枡野 俊明三笠書房